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生まれたその日にダンジョンに捨てられた俺はドラゴンに育てられる  作者: トーヤ


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冒険者ギルドがザワつく〜ソフィー(登録受付嬢)

はっ!?

職業って何って、どういうこと!?


えぇっ!?

選定(せんてい)()】を知らないですって!?

そんなことってありえるの!?


どんな小さな村に住んでいたって、別の村か、近くの町に教会はあったはず。

親や周りの大人が、【選定の儀】の説明はするはずよね?


なのに、【選定の儀】を受けていない!?

孤児、なのかしら?


今までどうやって、生活していたのかしら?

ストリートチルドレンってこと?

その割には、ちゃんとした服装だけれど…。


えっ!?

今から教会で【選定の儀】を受けてくる!?

有料なのよ!?

銀貨3枚もかかるのよ!?


あの子、大丈夫かしら?


成人になりたての子が、銀貨3枚なんて払えるの?


ここにくる途中途中で、お小遣い稼ぎをしながら来たとは、言っていたけれど。

それで貯められる金額じゃない気がするんだけど!?


銀貨3枚あれば、4人家族で1ヶ月は余裕で食べられるのよ?


でも、職業がないとレベルが上がらない。


レベルが上がらないとランクが上がることがないから、見習いから卒業出来ない。


薬草採取と弱い魔物くらいしか討伐出来ない。


それではいつまで経っても、ちゃんと暮らせるようにはならない。



町の中の依頼は、たくさんある。

でも嫌がる人が多くて、いつも塩漬け状態だ。


汚い仕事、ツライ仕事は敬遠される。

簡単な配達などしか受注されないのだ。


きっとあの子も、配達や簡単な依頼を多く受けるのだろう。


見るからに力仕事は出来なさそうだったもの。


ちゃんと職業もらって戻ってくるかしら?


【選定の儀】を受けていない子がいたことは、ギルマスにも伝えておいた方がいいわよね。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ギルマス、ちょっといいですか?」

「ソフィーか?入れ」


ギルマスは元Aランク冒険者だった人だ。

引退した今でも、その辺の冒険者よりは強い。

見た目もムキムキのままだ。

顔のキズも迫力に拍車をかけている。


「ギルマス、先程登録に来た子のことで、お耳に入れておいた方が良いかと思いまして…」

「何か問題があったか?」


問題になるのかどうかもよくわからないけどね。


「【選定の儀】を受けてないと言う子でした」

「はぁぁ!?」


ドスの効いた声は、怖いのでやめてください。


「【選定の儀】を受けてないだと!?」

「はい。職業とは何か聞かれました」


職業を聞かれたのは、初めてだったわよ?


「そいつは今どうしてる?」

「教会に【選定の儀】を受けに行きました」

「今か!?」

「今です」


正に今です。

教会の場所知ってるのかしら?


「確か10歳以外で【選定の儀】を受けるのには、金がかかったよな?」

「はい、銀貨3枚のはずです」

「ちゃんと教えたのか?」


当たり前じゃないですか!


「もちろんです。来る途中でお小遣い稼ぎをしながら来たから大丈夫だと言ってました」


ウソでしょ!?って思ったけど。


「いやいや待て待て、お小遣い稼ぎ程度で銀貨3枚にはならんだろ!?」


ですよね?


「でも、本人は大丈夫だと…」


ギルマスは、おっきなため息を吐いて、


「その坊主、…坊主だよな?」

「はい、男の子です」

「坊主が登録に戻ってきたら、気にしてやってくれ」


もちろんそのつもりですよ。


「わかりました」


ギルドの説明とかランクの説明は当然するとして、安い宿とかも教えてあげるべきよね。


ちゃんと戻ってくるかしら?

大丈夫かしらね?



またここにも、本人の知らないところで、ミゲルを心配する人が誕生していた。

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