またランクアップだと!?〜ジーライ(ギルマス)
「ギルマス、この依頼は差し戻しになりました」
カティーナから1枚の指名依頼を渡された。
それは、ヨーゴから出されたドブ掃除の依頼だった。
「差し戻しだと!?なんでだ!?」
俺はカティーナを睨みつけてしまった。
睨み返されてしまったが…。
「そんなのはミゲルくんがFランクでは、なくなったからに決まってるじゃないですか」
なんだと!?
「この間見習いを卒業したばかりじゃねぇかよ!もうEランクになったってのか!!」
カティーナは首を横に振った。
なんで首を振る?
「いいえ、 Dランクにランクアップしました」
なんだと!?
「 Dランクだぁ!?」
そんなわけあるか。
どうやったら、こんな短期間でFランクからDランクになれるってんだ。
「はい、Dランクです」
「不正は!?」
「ありません。ありえません」
そうだよな。
わかってはいるんだが、わからん。
「買取の確認をしたのは?」
「ガンヴォルグさんです」
なら、間違いはねぇな。
「しかし、どうやったんだ?」
Eランクにアップするには、討伐と採取で150件ずつ。
Dランクにアップするには、討伐と採取で250件ずつ。
合わせたら400件ずつ必要なんだぞ!?
「アサラサダンジョンへ行っていたみたいです」
アサラサダンジョンか。
って、ダンジョンだからって、400件分も討伐と採取が出来るわけないだろ!?
「どういうことだ?理由は聞いてるか?」
カティーナは、頷いて説明を始めた。
それによると、最近3階層以降の攻略が行われてなかったのは、2階層のボスエリアの前で、 Dランクパーティが下位の冒険者を襲っていたことが原因だったらしい。
襲われた冒険者が、ジョーティの貢物にされていたこと。
その Dランクパーティを眠らせて縛っていたのが、ミゲルだったこと。
残念エルフで有名なエルフの嬢ちゃんが、ジョーティに騙されて奴隷に落とされそうになっていたこと。
エルフの嬢ちゃんを助けて、ジョーティと手下を眠らせて縛っていたのもミゲルだということ。
3階層以降は、誰もいなかったので狩り放題、採取し放題だったとのこと。
「マジかよ。それでFランクから Dランクにランクアップしたのかよ」
カティーナが頷いた。
俺は頭を抱えた。
どっちにしてもこの指名依頼は役に立たない。
「カティーナ、誰かにヨーゴを呼んできてもらってくれ」
「承知しました」
しばらくして、ヨーゴがやって来た。
「なんだ、ジーライ?突然呼びつけて」
「あー、お前の出した指名依頼が差し戻しになった」
「なぜだ!?ジーライが受理したんだろう?」
ツバを飛ばして喋るんじゃねぇよっ。
「誰が受理しようと変わらねぇよ」
Fランクのミゲルってのは、存在しないんだからよ。
「どういうことだ?」
「ミゲルがFランクじゃなくなったからだ」
ヨーゴは、目をまんまるにして驚いている。
「この間、Fランクになったばかりじゃないか」
その気持ちはわかるぞ。
俺もそう言いたい。
「そうだが、すでにランクアップの条件を満たしてランクアップ済みだ」
「なんてことだ。ランクアップしたならその報酬では足りないんだよな?」
ヨーゴは頭を掻きむしっている。
ハゲるぞ?
「もちろん、そうなる」
「Eランクの最低報酬っていくらだ!?」
それじゃダメなんだよ。
ってか、お前また最低報酬で、仕事させる気か?
「いや、Eランクじゃねぇんだよ。 Dランクにランクアップしてんだよ」
信じられないことになぁ。
「はぁぁぁぁぁ!?」
ヨーゴの声が俺の部屋に響いた。
うるさいヤツだな。
「 Dランクだと?」
俺が頷くと、ヨーゴは膝から崩れ落ちた。
Dランクの報酬は、銀貨4枚からだ。
「指名依頼料が大銀貨1枚、24区画だから最低報酬なら銀貨4枚だから、銀貨96枚。お前は見習いの時にやらかしてるからな。指名料込みで大銀貨11枚が妥当だろうな」
銀貨110枚ってことは、金貨1枚と大銀貨1枚か。
受けるか微妙なラインだな。
貢献度も120にしかならねぇしな。
そもそもコイツに銀貨110枚を出す余裕があるのかね?
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