ギルドに着いたら面倒ごと
アサラサダンジョンから、買取のためにギルドに来たら、ガンヴォルグのおっちゃんは何やら取り込み中のようだった。
買取のおっちゃんは、ガンヴォルグって名前のおっちゃんだった。
ヒゲモジャでドワーフっぽいなとは、思ってたけど本当にドワーフだった。
けど、俺よりデカいんだよ。
ドワーフは小さいイメージだったんだけどなぁ。
ラノベはだいたい小さいよな?
しばらく様子を窺っていたら、会いたくなかったエルフが言った。
「何よ!あいつが無事に帰って来たら言い値で払うわよ。それでいいんでしょ!?」
そしたら、ガンヴォルグのおっちゃんが俺を見て言ったんだ。
「だってよ、ミゲル」
俺?
なんの話だ?
確認したら、助けてもらったのにお礼しか言ってないって話から、さっきのセリフだったようだ。
確かに、ありがとうしかもらってねぇな。
ありがとうで済む安い命ってわけだ?
なるほど。
それなら、言いたいことは決まってるな。
「ふうーん?言い値でいいんだ?」
俺がニヤリと笑うと、ナインのエルフは顔を引き攣らせた。
そりゃ払えるわけねぇよな?
未だにナイン丸出しだしな?
あっ、コイツって、春先に出没する変質者とかなんじゃ!?
いや、ナイン丸出しだから痴女か!?
どれであろうと関係ないな。
「それなら、金はいらない」
そこまで聞いて、ナインの顔は歓喜した。
「だから、今後二度と俺に関わらない事。二度と話しかけない事。二度と視界に入らない事。もしどれかを破ることがあったら、破るたびに白金貨1枚」
だから、俺の目の前から消えてくれ。
「ちょっと待ってよ、白金貨1枚って無理に決まってるじゃない」
「だったら、全力で関わらない、話さない、みつからないを実行すれば良い。俺は白金貨を貰うよりもあんたとは関わり合いになりたくない」
何、その屈辱って顔。
当たり前だろ?
「…わかった」
「契約成立だな、じゃあどこかに消えてくれ?俺はここでの用事を済ませてすらいねぇんだからな。おっちゃんも覚えておいてくれな」
ガンヴォルグのおっちゃんもしっかりと頷いてくれた。
さてと、買取してもらわねぇとな。
「ミゲルくん、ちょっと待ってください」
シゴデキのお姉さんに呼び止められた。
「なんですか?」
「アサラサダンジョンの2階層と5階層の眠らされてる人達についてお聞きしたいのですが」
なんで、俺だってバレてるんだ?
5階層の方は、エルフが話したとしてもなんで2階層のことまで?
「なんで俺に聞くの?」
「最近3階には誰も行けてませんでしたので」
マジかよ!?
「5階層にいたミゲルくんは、2階層のこともご存知では?」
それは、そうなるのかよ。
あんな弱い奴らなのに!?
「で、何を聞きたいわけ?」
ため息を吐いて、そう確認する。
「2階層の人達を眠らせた理由はなんですか?」
「はっ?」
なんだ!?
その尋問みたいな口調は?
なんか疑われてんのか?
「あいつらが、ボスエリアにきたFランクとかEランクを襲う話をしてたから。んで、ジョーティに貢ぐとかなんとか言ってたから、眠ってもらっただけ。追われたら面倒だから縛って、俺はボスエリアに入っただけだ」
シゴデキお姉さんは、メモしながら頷いている。
「どんな人かわかりますか?」
「カーシラとか、サンシータとかザコッティとか呼んでたぞ」
本当は【鑑定】で見ただけで、呼んでないけど他に誰もいなかったから、いいだろう。
あんなのは捕まってしまえばいいよな。
「あの人たちですか」
「あの人たち?」
知ってるのか?
「Dランクパーティの人達ですね。素行の悪さがあがってきてましたね」
はっ!?
あのパーティ名があったのは、やっぱり冒険者ってことなのか。
でも盗賊だったぞ?
しかもDランクパーティだと!?
ふざけてやがる。
「では、5階層のは?」
「そこのエルフが追われてて、俺にはどっちが悪者かわからなかったから、とりあえずそのエルフに助けが必要か確認したら、さっさと助けろというから、そのまま放っておこうかと思ったんだが、騙されて奴隷にさせられそうだから助けてくれたっていうから、しかたないから眠ってもらった」
「なるほど、そちらの方はどんな人でしたか?」
「女1人と他は男4人だった。女は偉そうだったぞ。名前はわかんない」
本当はわかってるけどな。
あの場で名前は誰も出なかったからな。
このエルフもいたからな。
「なるほど、名前はわからないと」
「もういいか?」
買取してもらいてぇんたけど。
「あとひとつ、指名依頼が入ってます」
「指名依頼?」
それって、ヨーゴのおっさんからじゃないのか?
本当に指名依頼を出して来やがったな。
「はい、ドブ掃除の件ですね」
やっぱりか。
雑用みたいな報酬じゃないだろうな?
まっそもそも受けないけどな?
「それって、Fランクの俺への指名依頼ってことか?」
「もちろんそうですよ」
と、シゴデキのお姉さんが笑う。
あー、見習いじゃなくてFランクだよなって確認だと思ってるよな?
「その依頼は受けられない」
「どうしてですか?条件も聞いてないのに」
聞くまでもないよな?
「だって俺、今日でFランクから上がるから?」
「えっ!?この間Fランクになったばかりですよね?」
そうだけど?
でもランクアップしちゃうんだよ。
「今日の買取で採取も討伐もレベルもクリアするから。だからそれは受けられない」
Eランク用の報酬用意しといてくれよな?
あっ、でも一応内容は確認させてくれ。
残り24区画ね。
で、指名料込みで、銀貨40枚ね。
見習いとは雲泥の差だな。
シゴデキのお姉さんは、あんぐりと口を開けたまま固まってしまった。
まっ、そういうことだから差し戻しでよろしく。
お読みいただきありがとうございます!
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トーヤのテンションがあがります(笑)
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