水麗龍と炎烈龍2〜ザランデュエル
あー、やっぱり何度見てもリデルは美しい。
龍でも人化した姿でも。
「母さん、すごい綺麗だね」
ミゲルはわかってるな。
リデルは、本当に綺麗なんだ。
何度でも言うけどな。
リデルが戻って来たら、交代で俺が人化を解除する。
リデルの龍の姿とは、系統が違う。
俺たちは、背中に皮膜の翼がある。
龍の時の見た目は、ちょっとずんぐりしているかもしれないな。
後ろ足に重心があり、どっしりしている。
水龍と風龍ならば、子供も持てるだろう。
火龍と土龍でも、問題ないだろう。
系統が同じだからな。
だから、系統の違う俺たちには、子供が生まれることはない。
そんなことはわかっていても、リデルしか欲しくないとあの日、強烈に感じたんだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
うっかり炎烈龍に選ばれてしまった。
選抜の予選で負けるつもりだったのに、火龍のヤツに腰抜けだなとバカにされて、ちょっと負けず嫌いの血が騒いじゃったんだよな。
で、ものすごく手を抜くはずだったのに、そこそこの力を出しちゃったんだよな。
で、そのそこそこの力が誰よりも強かったんだよ。
なんでだよ。
本気も出してないのに、1番になるとかやる気も失せるだろ?
つまんねぇよな。
俺は知らなかったんだけど、炎烈龍に選ばれたら他の龍族の代表との交流会に参加しないとダメなんだそうだ。
さらに面倒だ。
他の龍族なんて、ジジイとかババアとかなんじゃねぇの?
つまらん。
今回の交流会は水龍の里で行われるんだと。
長老と共に向かう。
途中で帰りたくてしかたなかったな。
いや、帰るんじゃなくて、どこかにこのまま逃げてしまいたかったのかもな。
炎龍の里にいるだけなのは、息苦しい。
決まりに縛られるのは、窮屈だ。
戦闘に特化した、火龍と炎龍は規律を重んじる。
それが俺には耐えられなかった。
そんな時に出会ってしまった。
運命という名の最愛に。
水麗龍と呼ばれる美しい龍に。
俺は視線を外すことが出来なかった。
なぜか向こうも俺のことを見ていた。
最初は気のせいかと思ったが、気のせいとは思えないほどハッキリとした好意。
交流会を無難にこなし、直後に話しかけた。
2人きりで話したかった。
水麗龍はリデルという名だった。
リデル。
その宝物のような名前を口の中で呟くだけで、愛おしさがこぼれる。
彼女の声で、俺の名前が呼ばれるだけで、俺の中に幸せが溢れた。
色んな話をした。
とても楽しかった。
だから、離れるのは嫌だった。
けれど炎龍と水龍。
どちらかの里で一緒にいるのは難しい。
それなら…。
「リデル、一緒に里を出ないか?」
「ザランデュエル、私もそう思っていたところよ」
リデルがころころと笑う。
「では、リデル。俺と番になってもらえませんか?俺と番になっても子は望めないが…」
「ザランデュエル…。私をあなたの番にしてください」
そして俺とリデルは、龍の里から出奔した。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
まさか何百年も経ってから、ミゲルと言う息子が出来るとは思いもしなかったな。
これは、神様達に感謝の言葉しかない。
ありがとうございます。
俺とリデルにミゲルを下さって。
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9/19~9/24まで
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