転生者〜ルクレティティーリア(第一王女)
「ティティ!【時空魔法】を見つけたって!?」
サイジュ兄様がパライソの間に飛び込んできた。
驚いたわ。
「アルサイジェス、落ち着きなさい」
お父様が額を押さえながら注意を促している。
サイジュ兄様は、ハッとして頭を下げる。
「申し訳ございません」
お父様に座るように言われて、サイジュ兄様が席に着いたところで、お父様から私に声がかかる。
「では、ルクレティティーリア。報告を」
「はい。まず【時空魔法】と言う魔法は存在しませんでした」
みんなの視線が刺さる。
だって、なかったんだもん。
「ティティ?見つかったと言う報告だったと思うが?」
フォリー兄様の目が、冷たく鋭くになっている。
マズイ。
フォリー兄様は怒らせちゃダメなのよ。
「はい。ですから【時空魔法】ではなく【時空属性】だったのです」
ちょっと早口になっちゃったわ。
「属性!?」
サイジュ兄様に頷く。
「ルクレティティーリア?それは火とか水とかと同じ属性ということであってるかな?」
お父様も頭を捻りながら確認して来る。
「そうです。その属性です」
「属性とは、生まれた時から決まっているのではなかったかしら?」
お母様が不思議そうに言う。
「では、どこかに時空属性を持った人がいると言うことだろうか?」
いや、まぁどこかにはいるんでしょうけど。
聞いたことなんてないわよね。
「だったら、ミゲルが欲してもダメなのではないか」
サイジュ兄様が、ガッカリしている。
でも大丈夫よ。
「それで、この本なのですが」
私は持っていた本をテーブルに乗せた。
「ずいぶん古い本のようだな」
「ティティ?書庫から持ち出したのかい?」
しまった。
お父様よりフォリー兄様が怖い。
「ちゃんと受付の方には、説明してお願いして借りてきましたよ」
だって、どうしても必要だったんだもの。
「とりあえず今は、置いておくよ。それでその本がなんなんだい?」
「属性の増やし方が載っています」
とりあえず結論から告げてみた。
「「「「「「属性の増やし方!?!?」」」」」」
まぁ!息ぴったりですね。
「どういうことだ!?属性を増やす!?」
「はい。実際に増やしてみました」
えへっ。
もう実証済みです。
「なんだと!?」
バトル兄様が固まってしまったわ。
「本当に増やせたのか!?ティティ?」
サイジュ兄様も目を見開いてるわ。
「はい。私が元々持っていたのは、4属性と光属性でしたのは、覚えてらっしゃいますか?」
みんなが頷く。
「この本に載っていたので、聖属性、雷属性、氷属性そして時空属性を増やしてみました。間違いなく属性は増えました」
私は、机の下で両手をギュッと握りしめた。
「ティティ、その本を見せてくれるかな?」
「はい、フォリー兄様」
私は、少しだけ震える手で本を手渡す。
フォリー兄様が、中を見て首を傾げる。
「ティティ?私には読めないのだが」
そりゃそうよね。
日本語で書かれてあるんだもの。
みんなが順番に本を手にしている。
「ルクレティティーリアは読めるということか?」
お父様に聞かれる。
「はい、読めます。
その本は何代か前の王妃様の手書きの書なのですが、
その王妃様は転生者だったみたいです。
前世で使用していた言語で書かれてあります」
一息に言い切る。
最後のページにそう書いてあったもの。
1988年に事故で亡くなり、目が覚めたら公爵令嬢だったみたい。
テンプレの神様イベントはなかったのかしらね?
「転生者!?」
サイジュ兄様がクビを傾げている。
「聞いたことがあるね。
魔法陣の研究をしていた王妃様の話。
その本を書いた王妃様ではないかな?」
フォリー兄様って、なんでも知っているのね。
「ルクレティティーリアよ。それが読めるということは、つまり…」
お父様が言葉を濁した。
けど、私は決めていた。
「そうです。私も転生者です。
前世の記憶があります。
この本を書いた王妃様と同じ世界の同じ国だと思います」
日本語って、特殊だもんね。
英語なら国の特定は難しかったかもしれないけど、日本語は唯一無二の言語だ。
「そうか、やはりルクレティティーリアは転生者であったか」
えっ!?
今、お父様、やはりって言ったかしら?
「お父様…?」
「うむ、ここだけの話にはなってしまうが、王家、公爵家には何代かに1人程度だが、転生者が現れる事があると伝えられている」
やっぱりそうなのね?
あの本に書いてあったのは本当だったのね。
たまに転生者がいる事、それを王様は伝えられている事。
この文章があったから、転生者だと告げる決心をしたんだけどね。
まぁ、半信半疑ではあったけれど…。
本当に伝わってたみたいね。
「そして、転生者だと思われるものは、何故か魔法や魔法陣の研究を一様にしたがる、とも伝えられておるのだ」
って、もしかしたら今までの転生者ってみんな日本人って可能性が出てきたわよ?
日本人なら、あの魔法陣は気にならないわけがないわよね。
転生者ってことだけが伝わってたわけでもないのね。
魔法陣のことも伝わってたわけね。
「伝承にもれず、ルクレティティーリアも魔法陣の研究に興味を持っていたからな。もしかしたらとは思っておったのだ」
えぇー!?
一生懸命、秘密にしてたのに。
意味なかったってこと!?
ちょっと気が抜けちゃったわ。
「今まで秘密にしていてごめんなさい」
隠し事が無くなって、気持ちが軽くなったわ。
で、お父様が許可をくれたのよ。
魔法陣の研究をしてもいいって。
書庫にも出入りが自由になったわ。
まず最初は、この本をみんなが読める形に書き換えることからと始めなさい、と言われてしまったわ。
ミゲルくんには原本を読ませて確認したいわね。
ミゲルくんも転生者かどうかを、ね。
お読みいただきありがとうございます!
もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m
トーヤのテンションがあがります(笑)
感想、誤字脱字報告もありがとうございます。
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