足りないものが多すぎる
フィルターがない。
ドリッパーもない。
コーヒーの粉をドリップするための、フィルターがない。
フィルターをセットするためのドリッパーもない。
紙フィルターがないなら、布フィルターを用意するしかなさそうだ。
いや待てよ?
フィルターのいらないドリッパーもあったよな?
どんな作りだったか覚えてないけどな…。
布じゃなくて、茶漉しみたいなものもあった気がするな。
ヴァンヴァルガンのおっちゃんにお願いしてみるか?
とりあえず布フィルターは、マシロにお願いしようかとも思ったんだけどさ。
マシロの糸って高級なんだよな。
貴族のドレスになる品質なんだよ。
もったいないじゃん?
「マシロ?糸の品質って落とせるのか?」
「わざわざ品質を落とすのですか?」
それで、コーヒーの説明と使いたい布の説明をしてみると、
「それなら、私の眷属の糸を使って、そのフィルター?とやらを作りましょう」
そう言って、布目の細かさを変えて何種類か布を作成してくれた。
ありがたい。
コーヒーミルが出来てきたら、どれがいいか試してみないとな。
楽しみだな!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ミゲルちゃん、リランからちょっと来てほしいって連絡が来たわよ」
母さん経由で連絡するとは言われてたけど、意外に早かったかも?
何か出来たのかな?
各ミルは出来てそうだよな。
そんなことを思っていたら、
「なんかミル?の試作が出来たから、ミルで使うもの?を持ってきて欲しいって言ってたわよ?」
それは朗報だな。
待ってました!だよ。
でも試作なんだ?
「わかった、ありがとう!行ってくるよ!」
俺がそう応えると、
「ミゲルちゃん、お母さんとお父さんはアクウダンジョンに行ってくるけど、1人で大丈夫?リランのところへ行ける?」
相変わらず心配性だなぁ。
小さい子供じゃないんだけどな?
「大丈夫だよ。この間も行ってるし」
「そうなの?お母さん聞いてないけど?」
そうだっけ?
「魔導具をお願いに行ったんだよ」
「魔導具?」
「うん。それが出来れば、クッキーとかのレシピを登録できるようになるはずなんだよね」
温度設定が出来るオーブンがないと、難しいからな。
「ミル?っていうのがそうなの?」
「ミルはまた別だよ」
ミルも必要だけど、絶対必要なのは、オーブンだからな。
母さんは、そうなの?と首を傾げて、
「町でクッキーが買えるようになったら、嬉しいわね」
「そうだね」
俺も自作じゃないスイーツが食べたいからな。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「こんにちはー」
だんだん店の認識阻害が気にならなくなってきたぞ。
「待ってたわよミゲルくん!」
リランジュリンダさんの歓迎ぶりに驚く。
待ってたのは俺も一緒だけどな。
「レイチェルーヴァ、ミゲルくんが来たよ」
って、そんな大声で叫ばなくても良くない?
今行きまーすってすごい遠くから聞こえたな。
作業場?みたいなところが遠いのかな?
レイチェルーヴァさんが、箱を一つ抱えて来た。
あれがミル?
思ってた形状と違うな?
違うものの可能性も?
「ミゲルくん、いらっしゃい」
「こんにちは、レイチェルーヴァさん」
「じゃあ、揃ったところでミルの確認をさせてもらえるかしら?」
そういいながら、レイチェルーヴァさんが持って来た箱を開く。
やっぱりあれがミルのようだ。
あっ、中からミルっぽいものが出て来た。
本当に箱だったみたいだ。
「えーと、これは何用のミル?」
「あー、これは刃を変えて使うタイプだよ」
なるほど、場所を取らなくていいな。
「何から試しますか?」
「そうねぇ、1番荒いのはなんだったかしら?」
「あー、ココナッツの果肉を乾燥させたやつですね」
「じゃあ、それからにしましょう」
レイチェルーヴァさんが、刃をセットの仕方を説明してくれる。
「ここに刃をはめてあげます。で、ここに粉砕したい食材をいれてください」
どうぞって言われて、ココナッツな果肉の乾燥したものを入れる。
「フタをして、このスイッチを押してる間だけ、刃が回って粉砕します」
んっ?
刃変えなくても長く動かしてたら、細かくなるんじゃないの?
疑問に思ったので聞いてみると、いくら長くやってもサラサラの粉には、ならないんだそうだ。
「これって、魔石で動いてるんですか?」
「そうよー」
魔石か。
「魔石ってどのくらい保ちますか?」
「使う頻度にもよるわよ?」
そりゃそうか。
「魔石って交換可能ですか?」
「もちろんよ。風属性を持ってるなら、魔石に魔力補充することも可能よ」
マジか!
「魔力補充の方法とかも教えてもらえますか?」
「あら!風属性を持ってるの?」
風属性だけじゃないけどな。
とりあえず頷くと、
「空の魔石があるから後でやってみましょうか」
「お願いします!」
やったね!
魔力が補充出来るとは思ってなったから、すごい収穫だな。
「ミゲルくん、動かしてみてくれる?」
レイチェルーヴァさんに教えてもらったスイッチを押す。
勢いよく刃が回転し、ココナッツの果肉を粉砕していく。
俺はスイッチから指を離した。
「もういいの?」
「うーん?わかんないから開けて確認してみようかなと」
確かパン粉みたいになればいいはずだよな?
おっ、良さそうだな。
「このくらいになればいいのかな?」
「そうだね、コレはこのくらいで大丈夫だと思う」
でも、毎回確認しながら作動させるのは、ちょっと面倒だな。
ほら、スキル【解体】とかだと、発動した瞬間に終わるからさ。
「わかった、このくらいになったら自動で止まるように改良するよ」
レイチェルーヴァさんの言葉に、
「出来るの!?」
思わず、前のめりで聞いてしまった。
「そのくらい出来ないと魔導具とは言えないじゃない?」
って、リランジュリンダさんに笑われちゃったけどね。
その後、コーヒー豆の粉砕サイズ、スパイスの粉砕サイズを確認した。
刃をセットするところ…つまりコーヒー豆を入れたりする部分も、取り替えられるようにして欲しいと伝えた。
だって、ココナッツとターメリックを同じところで粉砕するの?
コーヒー豆はコーヒー豆専用で粉末にしたいじゃない?
匂いがうつっちゃいそうだしさ。
そしたら、刃じゃなくて、容器ごと取り替えられるようにしてくれるって。
よかった。
結局、場所は取りそうだけど…。
まぁ、インベントリがあるから関係ないか。
それから、お肉のスライサーも出来上がっていたよ。
これで、たくさんスライスが出来るよ。
手作業は辛いからなぁ。
ついで?に、ヤマトの実とシグレの実で、肉を煮込むだけの料理を教えて来たら、とても喜んでくれたよ。
ちなみにオーブンと計りはもう少し時間が欲しいと言われた。
そうだよね…。
出来るなら待つけども!
だからお願いしますよ、ホントに!
お読みいただきありがとうございます!
もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m
トーヤのテンションがあがります(笑)
感想、誤字脱字報告もありがとうございます。
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