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生まれたその日にダンジョンに捨てられた俺はドラゴンに育てられる  作者: トーヤ


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ドラゴニュート

お願いしたミルが出来上がるまでに、ゼオンさんから買った実やら根やら種を乾燥させてしまいたい。


乾燥させる魔導具があるのか、確認してくるのを忘れたな…。

しかたない、今回は魔法で対応しちゃおう。


【結界】の中で、スキル【乾燥】で大丈夫かな?

俺1人だから、父さんたちの使い慣れた魔法でいいよな。


誰かいるなら、【バリア】とか【ディハイドレーション】とかを使ったかもだけど。


【ドライ】だと表面だけ乾くイメージなんだよな。

今回は、中の水分も取り除きたい。


スキル【結界】を作り、その中に実やら何やらを入れる。

スキル【乾燥】で、一気に干からびた。

おー、こんなにカラカラになるのか。

ココナッツの実は、中身の果肉?だけを乾燥させてるぞ。


他のターメリックの根とクミンの種とコリアンダーの種はそのまま乾燥させた。


あとは、魔導具が出来たら、粉砕するだけ。



で、今日はゼオンさんとダンジョンに行く予定。

ギルドで待ち合わせだ。

1番わかりやすいからな。


ギルドに着くと

ゼオンさんはまだのようだった。

俺、早かったか?

すると、ちょうどギルドの入り口からゼオンさんが入って来るところだった。


「ゼオンさん」


手を振りながら呼んでみる。


「ごめん、遅れたかな?」

「全然、まだ時間前だし」


今来たとこ!とか言ったら、デートの待ち合わせみたくなりそうだから、言わないけどな。


いや、俺にしかわかんないだろうけどさ。


「ミゲルくん、今日はどっちのダンジョンに行こうか?」

「そうだなぁ。どっちか行きたいダンジョンあります?」


ゼオンさんは、うーんと唸ってから、


「ゼータ3ダンジョンの方でもいいかな?」


ゼータ3ダンジョンって、無益ダンジョンだっけ?

ターメリックの根とかが採取出来た方だよな?


「無益ダンジョン?もちろんですよ」


他にもカレーに使えるスパイスがあるかもしれないしな。


「なら、馬車乗り場に行こうか」


あー、馬車かぁ。


「馬車で、どのくらいかかりましたか?」

「えーと、3時間くらい?」


マジか。

3時間も馬車に揺られたくないな。

だからと言って、【転移】はまだ他人を連れて飛べないし、【快適亜空間】の存在は明かせない。

父さんにお願いしようかな?

父さんなら、【転移】で他人も運べるもんな。

サイジュで実際にやってるもんな。


「あっ、ちょっと待ってもらっていいですか?」


俺は、歩き出そうとしたゼオンさんを止めた。


「どうしたの?」

「もしかしたら、別の方法で行けるかもなので、ちょっとだけ時間ください」


ゼオンさんは、クビを傾げながら頷いてくれた。

とりあえずギルド裏の目立たないところへとゼオンさんを誘導して移動しながら、


『父さん、お願いがあるんだけど』


【念話】を送るとすぐに返事が来た。


『どうした?またアホに遭遇したのか?』


そういえば最近そんなのばっかりだったな。


『そうじゃなくて、俺ともう1人を【転移】でゼータ3ダンジョンまで送ってくれないかな?』

『ミゲルは自分で【転移】出来るだろ?』

『自分しか出来ないし、まだバラしたくないかな』

『わかった、今どこだ?』

『王都の冒険者ギルドの裏にいるよ』


父さんから今行くとの返事に重なるように、ゼオンさんが話しかけてきた。


「あの、ミゲルくん?なんでこんなところに?」

「あー、今来てくれるから待って」


目の前に父さんがいきなり現れた。

俺は慣れっこだけど、ゼオンさんは固まってしまった。


「ミゲル、お待たせ」

「全然待ってないけどね。ごめんね」

「いいよ。そっちが一緒にいく友達かな?」


父さんの言葉に俺は、


「そうだよ、ゼオンさんって言うんだ」


ゼオンさんのことを紹介した。

ゼオンさんは、小刻みに震えている。

あれ?

父さん威圧とか出してるわけじゃないよな?


「あの!もしかして龍族の方でしょうか!?」


ゼオンさんの声の大きさに驚いた。

えっ!?いきなり会っただけで龍族とかわかるの!?


「あー、君はドラゴニュートか。なるほど、それなら俺が龍なのはわかるかもな」


へっ?

そうなの?


「ドラゴニュート?」

「ミゲルは知らなかったか?ドラゴニュートは大昔に人化した龍と人族の間に生まれた種族だな」

「俺、ドラゴニュートってもっと全身鱗に覆われてる種族だと思ってた」


違ったみたいだな。

ゼオンさん、人族と全然かわらないもん。


「ミゲルくんの思ってるので正解だよ。俺だけが異質でほぼ人族と変わらないんだ。他のみんなは強靭な身体を持ってるんだよ」


そう言ったゼオンさんの表情が陰った。


そうなの!?

もしかして、それでドラゴニュートの人たちと一緒にいられなくなった、とか?

だから1人でダンジョンに潜ってたのかな?


そういう身体的な違いで、仲間から外すのって、人族だけじゃないんだな。

どの種族でも同じってことか。


「ゼオンだったかな?昔のドラゴニュートはゼオンみたいだったんだけどな?」


父さん!

さすが長生き!


「そうなんだ?ならゼオンさんは先祖返りみたいな感じなんじゃないの?」


俺が、そう言うと、ゼオンさんが俯いてた顔を上げて、


「なんとも思わないの?気持ち悪くないの?」


えっ?なんで?

どこに気持ち悪がればいいんだ?

俺が首を傾げると、


「だって、ドラゴニュートなのにドラゴンっぽいところがないんだよ!?」

「えっ?ドラゴンっぽいって必要なの?ゼオンさんはゼオンさんでしょ?」


俺はドラゴニュートだからゼオンさんに声かけたわけじゃないしな?

ドラゴニュートって今、知ったくらいだしな?


「うーん?ゼオンは何か思い違いをしてる気がするな。人化した龍には鱗は出ない」


だよね。

父さんも母さんもウロコはないよな。


「たぶんドラゴニュート同士での婚姻が何百年も続いて、人化した龍の因子が減ったからだと思うぞ?」


どういうこと?


「父さんそれって?」

「今のドラゴニュートと言われてる種族は、魔法が不得意だろう?」


そうなの?とゼオンさんを見ると、頷いていた。


「ほとんどが魔法を使えません」


そうなんだ!?

だからどういうこと?

わからなくて、父さんを見ると、


「ミゲル、俺も母さんも魔法は使えるぞ?」


あっ、確かに。

龍は魔法を当たり前に使うよな。


「つまり、今のドラゴニュートって呼ばれてる種族の人たちは、実は退化してるってこと!?」


俺がそう言って、父さんを見ると、頷いてから言った。


「だからゼオンは、元のドラゴニュートに1番近いんだと思うぞ?だから自信持て」


ゼオンさんは、あんぐりと口を開けたまま父さんを凝視している。


いつ、再起動するかなぁ?

なんて思ってたら、ゼオンさんが急に俺をみて、


「ミゲルくんも龍!?」


あっ、その説明してなかったな。


「俺は人族だよ。ダンジョンに捨てられてたのを父さんと母さんに拾ってもらったんだ」

「えっ!?ダンジョンに!?捨て!?えっ!?」


ゼオンさんが盛大に驚いている。

今まで話した人の中で一番驚かれた気がする。


『父さん、本当の目を見せても大丈夫かな?』


【念話】で、父さんに確認すると、頷いてくれたので、【偽装】を解いた。


「俺の目が不気味だ不吉だって、捨てられたんだ」


久しぶりに本当の自分を見せたな。

ゼオンさんは、ひとつ息を飲んで、


「キレイな目の色だね」


そう言って微笑んだ。

気味悪がられなくて良かったかな。


「さて、そろそろダンジョンに行かなくていいのか」


あっ、そうだった。


「馬車!」

「いやいや、ゼオンさん。父さんを呼んだ意味がないじゃない」


父さんは、わっははと笑ってから、俺とゼオンさんを両脇に抱えて、【転移】した。

もちろん、ゼータ3ダンジョンだってさっき伝えてあるからな?


ゼオンさんが、うわーーーーと騒いでいたのは、聞かなかったことにしようかな。

お読みいただきありがとうございます!

もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m

トーヤのテンションがあがります(笑)


感想、誤字脱字報告もありがとうございます。


引き続き他の作品共々よろしくお願いします!


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― 新着の感想 ―
人化した龍は、鱗がない『人間』と見た目で区別できない……確かに!!! まぁ、ミゲルパパ&ママは、龍という至高の存在=人間としての美しさ、みたいなので、区別できると言えば区別できるような……(苦笑) …
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