資料室に見習いが来た〜チャティーラ(筆写士-ギルドのおばちゃん)
ブックマーク50突破です。
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誰も来ない資料室の管理人が私の仕事。
でも、ただ受付に座ってるわけじゃない。
私の仕事はもうひとつある。
古くなったり、インクが薄れたりしている本は、新しく書き写すんだよ。
書写って言うんだってさ。
だからこの仕事は、文字が読めて、綺麗な字を書けないとダメな仕事なんだよ。
それが出来るってことが、私の自慢なんだよ。
職業に筆写士を与えられた者の仕事なんだよ。
薬草や魔物の絵は、別の人にお願いして描いてもらってるみたい。
その辺は、ギルマスが手配してくれている。
そういうことを仕事にしている人もいるってことだよ。
今日もどうせ誰も来ないだろうから、書き写しの続きをしようかと思ってたところに、見たことのない子がやってきた。
「おはようございます」
ちゃんと挨拶の出来る子だった。
見習いの子たちって、挨拶が出来ない子の方が多くてね。
あれで成人してるってんだから、困ったもんだよ。
で、久しぶりにここに調べ物をしにやって来た子が、ちょっと変わった子だったのよ。
いや、この子の行動の方が正解なんだけど。
採取前にきちんと薬草を調べて、採取に行く子はめっきり減っちゃってね。
最近なんか、全くいなかったんだよ。
私がずっと書写の仕事してたくらいだから、わかるだろう?
だから驚いたのなんのって!
しかも、ちゃんと読めるみたいで何冊も読んでいたんだよ。
あんなに読めるものなのかね?
あれは、本を読むことに慣れているね。
じゃなければ、あんなに何冊も短時間で読むことなんて出来ないだろうさ。
貴族の坊ちゃんとかじゃないのかね?
ちゃんと教育ってのを、受けてるんじゃないのかね?
薬草の本をひと通り読み終わったら、次は魔法の本も読みたいって言うじゃないか。
職業が魔法士だってんだから驚きだよ。
職業に魔法士をもらったとしても、魔法を使えない子なんて山のようにいるんだよ。
文字も読めないのに、魔法書なんて読めるはずもない。
魔法書が読めないと、魔法陣がわからない。
聞いたところによると、魔法ってのは、魔法陣がわからないと使えないんだと。
図形として覚えられれば、魔法が発動することもあるらしいんだけどね。
どういう理屈なのかは、私にはさっぱり?だけどね。
生活魔法みたいなものは、魔法陣は関係ないみたいで使えるんだと。
その違いがわかれば、魔法を使えるようになったりしないのかね?
まっ、私に言わせれば、生活魔法が使えるだけでも、羨ましいけどね。
【クリーン】とか【ファイヤー】とか【ウォーター】とか出来たら、火種もいないし、水汲みもやらなくてよくなるんじゃないのかい?
まったく、不公平なもんだよね。
だから、攻撃魔法で魔物の討伐を出来るのは、ほんのひと握りなんだよ。
あの子はどっちだろうね?
ひと握りの方に、入りそうな感じはするね。
あの子はあっという間に、見習いを卒業しちまうんじゃないのかね?
今度は、魔物の本を読みに来るそうだよ。
楽しそうだね。
見てるこっちまで、楽しくなっちまうよ。
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