王都で最初に行くのは?
「ミゲル、これからどうする?」
父さんと母さんが俺を見ている。
「父さん達は?」
「まだ王都にいてくれと言われてるからな…帰るわけにもいかないしな…どうしたもんかな」
特に決まってないのかな?
「それならさ、一緒に王都観光に付き合ってよ」
「あら!いいわね!」
「おう、それはいいな」
王都は4つの区画?地区?に分かれてるらしい。
貴族の王都邸が集まっている、貴族地区。
まぁ、行くことはほとんどないだろうな。
店屋や宿、食事処が集まっている、商業地区。
たまに市が立つこともあるみたい。
そのうち行ってみたいかな。
ガラクタ市とかだったりしてな?
食べ物とかだったら絶対行くけどな。
冒険者たちの宿や、鍛冶屋、薬屋、魔導具店などが集まっている、冒険者特区。
ここはお世話になりそうだよな。
あとは住宅地区、ここには農地もあったりする。
新鮮な野菜とか手に入ると良いよな。
これから行くのはっていうか、行きたいのは冒険者特区と商業地区。
「父さんたちは、知り合いに鍛冶屋の人いる?」
「なんだ?剣でも作るのか?」
あー、鍛治と言えば剣とか武器になるのか…。
「いや、デカい寸胴鍋が欲しい」
「鍋?」
「そう、神様達の分もだけど、神獣達の分も必要じゃん?大量に作るにはデカい寸胴鍋が欲しいんだ」
けど、鍛治師に武器以外を頼んだら、ぶっ飛ばされそうじゃないか?
ラノベあるあるじゃん?
「うーん…鍛治…鍛治…」
「ザランデュエル?ヴァンヴァルガンはどうかしら?」
「おー、あいつがいたな!」
ヴァンヴァルガン?
名前からしてドワーフとかかな?
この世界のドワーフって、ヴァとかヴォとかつくイメージなんだけど。
ガンヴォルグのおっちゃんとかもそうじゃん?
王都のギルマスもヴァンボルザだったしな?
案外、良い読みなんじゃねぇ?
「その人は、鍋とか作ってくれそう?」
「どうだろうな?とりあえず行ってみた方が早いだろ」
「そうね、確かこの近くよね?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「おーい!ヴァンいるかー?」
父さん、声デカくない?
なんでそんな大声!?
あー、鋼とか打ってたら聞こえないのか!
「なんじゃウルサイのぉ…ってザランか!こりゃ懐かしい顔じゃの!」
やっぱりドワーフだ!
すごい髭もじゃだ!
「私もいるわよ?」
「おー、リディか!相変わらずべっぴんさんだのぉ」
おー!ドワーフから見ても、母さんは綺麗なんだな!
「そっちの坊主は誰じゃ?」
2人の間に立っている俺を見ながら、ヴァンヴァルガンのおっちゃんが言う。
「俺たちの息子だ」
父さんが俺の頭を撫でながら、言う。
いや、俺もう成人してんだけど?
「なんじゃと!?いつの間に子供なんぞ作りおった!?…その割には似とらんの?んっ?人族ではないか?」
あー、このおっちゃんは父さん達が人族じゃないのを知ってるんだ?
「人族のミゲルです。ダンジョンに捨てられてたのを拾ってもらいました」
そう自己紹介してみたら、ものすごく驚かれた。
「なんじゃとぉ!?!?」
ダンジョンに捨てられてたことに驚いたのかと思ったら、父さん達が人族の赤子を拾って育ててたことに驚いたんだって。
父さんと母さんって…。
視線を向けたら、2人ともすーっと目を逸らしたぞ?
確かにあの時、拾ってもらえるとは思わなかったもんな。
「で、今日はどうしたんだ?坊主の武器か?」
「いや、ミゲルが寸胴鍋が欲しいらしい」
父さんがズバリ用件を切り出す。
「鍋じゃと!?儂に鍋を作れっちゅうんか!!」
ヴァンヴァルガンのおっちゃんの怒声が響いた。
あー、やっぱりそうなるよなぁ。
ダメかぁ。
「あらあら?そんなこと言って良いのかしら?ミゲルちゃんの料理はね、とてもとてもとても美味しいのよ?」
父さんがインベントリから、角煮と唐揚げを取り出した。
すると良い匂いが広がった。
「旨そうな匂いがするだろ?」
俺、なかなかいい仕事してるんじゃないか?
腹減るな。
「ミゲル、あれも飲ませてやるといいんじゃないか?」
なるほど?
ドワーフには酒が必要ってか!?
実は父さんに言われて、インベントリにジョッキに注いであるビールを持って来ている。
時間停止だから大丈夫だしな!
「だあーーー!早く食わせろ!うまかったら鍋でもなんでもつくってやるわいっ!」
落ちたな。
父さんと母さんが、ニヤリと笑っていたので俺もニヤリと笑っておいた。
ヴァンヴァルガンのおっちゃんは、ウメーウメー言いながら、父さんが出したものを完食していた。
ビールも5杯飲んでたぞ。
まだくれと言われたけど、5杯しか用意してなかったんだよな。
俺は無事に寸胴鍋10個とフライパンも5個、野外で使える大きめのコンロと炭火を使うバーベキューコンロを手に入れた!
いや、まだだけど。
作ってもらう確約を取った。
たまにはバーベキューみたいなこともしてみたいじゃん?
機会があるかはわかんないけどさ。
ヴァンヴァルガンのおっちゃんにたまに酒持って来いって、約束させられた。
エールよりは、断然美味しいからね!
たまにだからな?
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トーヤのテンションがあがります(笑)
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