満月よ来たれ。世界を照らせよ。
学校が終わると私達は寮に、ミウリルはラフィの家に帰ってゆく。
送り迎えにランヴェルを指名していた。
「じゃあ、連絡待ってる」
「うん。こっちからもう一回連絡してみる」
「楽しみだな」
「そう思うのはミウリルだけかも」
「そう?別々の個々として昔の自分に会えるなんて絶対にないことだと思っていたからね」
「とにかく。駄目でも怒らないでよ」
「怒らないよ。ミュリエルが針千本飲むことで許してあげるからね」
「それはイヤだな。じゃあランヴェルお願いね」
「任せておけ。ミュリエル、あのな」
「ん?」
「会えて良かったな」
「そうだね。まだ何も解決していないけどね」
「でも。これで夜の街に繰り出すことをしなくて良くなっただろ」
「だね。やっぱり夜の街って怖いよ」
「当たり前だ。じゃあ行くかミウリル」
「お願いします。じゃあねミュリエル。あとハニエルにもよろしく言っといて」
私の返事も待つことなくミウリルは行ってしまった。
夜の足音が聞こえてくる。とても静かに。とても厳かに。そして満月を連れてくる。
今夜はどの世界も満月の光に満ちてゆく。
天界、地獄、現世。
みんな繋がる。
満月という扉を通してお互いの気持ちを通じ合わせることができるかもしれない。
☆☆☆☆☆☆
「ミュリエル。お風呂行こ」
ドアをノックするなりハニエルの声が聞こえる。
「いいけど先に行ってて。後から行くから」
「そうなの?何か用?なら待ってる」
「そんなとこかな・・・別に構わないけど、時間が掛かるかもだよ」
「・・・ミュリエルと一緒がいい」
「・・・そっか・・・なら、今度は私から声かけるね」
「じゃあ部屋にいるね」
「分かった、じゃあまた後で」
「うん。あとで」
ハニエルの部屋のドアが開閉する音が聞こえる。
そして。ルシェルに連絡をしようと端末を構えると
・・RRR・・・
グッドタイミング過ぎない?そんな言葉がよく似合う。というかどこかで見てた?
なんとなく周りを見回してから着信に応える。
「お待たせしましたね。間に合いましたか?」
ルシェルから連絡が入る。
「そうかも。それと大丈夫。間に合っているよ。今こっちから連絡しようと思ってたんだ」
「そうですか。いろいろありまして遅れてすみません」
「謝らなくていいよ。無茶を言っているのは私の方なんだから」
「いえいえ。私はあなたの担当です。多少無茶なお願いくらい頑張りましたよ」
幸先のいい言葉が聞こえる。おまけにルシェルの表情も明るい。
きっと上手くいったに違いないことを確信する。
「あのさ。もしかしてカーリ様に怒られたりしてたらごめんなさい」
「その辺りを察知してくれるとは。カーリ様のこと分かってきたみたいですね」
いつものように『ニシシ』と笑う。覗く八重歯はやはり可愛い。
「それで?許可は出たの?」
「そうですね。結論を言いますと出ました。でも条件があります」
「・・・条件?って」
「お互い天使であることは伏せておく。これが条件です」
「それだけ?」
「はい。実に優しい条件だと思います」
その条件。私は構わないし言ったところで信じてもらえないだろうし興味を持たれても説明が面倒なことくらい分かる。
二人の美有。向こうはどう思う?絶対驚くよね。
話を合わせておけば問題ないと思うけどちょっと心配な面もある。
ミウリルは私達のことを知っている。そのことに対してあまり良い印象を持っていない。
勝手に入ってきた私のこと。身体を入れ替えたこと。そして現世で楽しく人生を送っているもう一人に対して。
これは多分だけど自分が同じ円卓に参加していないという不満からだろうな。
「どうですか?約束できますか?」
「うん。ミウリルにも伝えておく。あのルシェル」
「なんですか?」
「言うのが遅れたけど、ありがとう。心から感謝してる」
「言ったはずですよ。私はあなたの担当だと。でも」
「でも?」
「今度カーリ様を訪問する時はなにか手土産でも持っていった方がいいでしょう」
「そっか。そうだね。甘いもの好きそうだし」
「大好きです。いい歳の天使なのに甘いもの好きなんですよ」
「そういうことなら美味しいの探してみる。ありがとう教えてくれて」
「いえいえ。カーリ様っていうのもありますけど私も食べたいですから」
「そんなことだと思った」
また『ニシシ』と笑う。
「それで今夜はどうしたらいい?部屋で待っていたらいいの?それともどこか場所の指定があるとか」
「彼女も一緒ならどこでもいいですよ。ただ他の天使には見られないように。これくらいですかね、注意事項は」
「分かった」
もう一度お礼を言って連絡は終わった。
ベッドに腰掛けていたからそのまま倒れて天井を見る。
真っ白な天井には窓から入るってくる夕陽の名残が消えようとしていた。
「そうだ。ミウリルに連絡しないと」
そのままの体勢で端末を操作する。すぐに繋がって
「それで?」
いきなり結果を聞く?
「焦り過ぎ。そんなにがっつかなくても」
「ずっと落ち着かなかったところにやっと掛かってきた。これでゆっくり夕飯食べれるの」
「夕飯か」
「そ。ミュリエルはまだ?」
「うん。お風呂が先」
「それもいいね。それで?私の期待は?」
「OKだって」
「やったね!」
「そんなに嬉しい?」
「当たり前でしょ。もしってあるから」
「でも一つだけ条件を付けられている」
「条件?なになに?」
「ちゃんと聞いてよ」
「分かってるって。聞いてるから早く」
「・・・条件ってね。向こうに私達のこと、つまり天使だってことは絶対に言わない、なんだけどできるよね」
「そんなこと?できるよ。できる」
ホントに大丈夫なのだろうか。このテンション。不安しか感じないんだけど。
「それでどうする?」
「どうって?」
「どこで会おうかって話」
「う〜ん。場所ね・・・私がそっちに行った方がいいなら行くけど」
それは私も考えた。けれどここにはたくさんの天使が暮らしている。どこで誰が見ているか分からない・・・これも約束の一つだった。
「ごめんもう一つあった。私達二人だけ。他の天使に見られないようにって言われてる」
「他の天使にか。だったらミュリエルがこっちに来なよ」
「来なよってラフィの家ってこと?」
「うん。ここってさいいと思う。ラフィの家って周りが森だから他に家は全然ないんだ」
そんな所に住んでいるんだ。周りは森で囲まれている。
ラフィに事情を話せば分かってくれるかも。そんな期待を込めて
「分かった。場所を教えて」
「それならランヴェルが知ってる。彼に連れて来てもらうといいよ」
「そっか。分かった。そうする。満月まであと三時間かな。それまでには到着するようにする」
「じゃあ待ってる。着いたら連絡して。あとでね」
私が了承すると同時に電話は終わった。
静かに目を閉じていよいよやって来る満月のことを想う。
前の時ならただの連絡だけだったのに。
今回は違う。もう一人の私。二人の美有か・・・本来ならあり得ない存在だよね
「はぁ〜・・・なんて説明したらいいの」
聞かれたら答えればいい。こっちから敢えて話を振るのは避けよう。このことはミウリルにも話しておいた方がいいよね。顔は一緒でも中身は全然違うから何を言い出すか分からないもんね。
窓を見ると完全に陽は落ちている。
「これから何しよう・・・」
大きく伸びをして思い出す。
「そうだ!お風呂」
ベッドから飛び起きて急いでハニエルの部屋のドアをノックすると静かにドアが開いて
「ご、ごめ・・・・・・」
「待ってた・・・」
「ちょ、ちょっと、ハニエル」
いきなり私に抱きついてくる。
「知ってる匂いなのに・・・なんで分からないのかな・・・ミュリエル・・・」
私の首筋には熱い吐息が掛かる。これ以上は絶対に駄目って分かっているのに身体が彼女のことを求めてしまう。これで理性まで失くしたら・・・そんなのは絶対に許されない。
「ま、待って。お願いだから離れて」
なんとか自我を保ちながらハニエルのことを身体から離す。まだ本調子じゃないのが幸いして簡単だった。
もし完全に復活していたら抗うこともできずに同じ過ちを犯していたかもしれない。
「なんで?私のこと嫌なの?」
じっと見つめる視線には戸惑いと悲しみが溢れている。
私だってそんな顔させたくもないし見たくもない。
でもこうするしかない。仕方のないことって分かって欲しい。
「嫌なんかじゃない。ただ・・・」
「ただ?」
「ビックリしただけ。ホントそれだけ」
頭をフル回転させて答える。これで納得してくれたらいいけど。
「そうなんだ。いきなり過ぎたね・・・だったら今度は・・・」
「ハニエル!お風呂!私はお風呂に誘いにきたんだよ。ハニエルだって待ってたでしょ」
お風呂という言葉が届いたかどうか分からない。けれどハニエルの目の色が落ち着いている。
「そうだった。待ってた。行こ」
「うん」
「ねえミュリエル」
「なに?」
「お互い洗いっこしようよ」
「え!いやいや自分で洗うって。他だって見てる。恥ずかしいって」
また目の色変わりそうになるのを阻止すべくはっきりと拒否するとハニエルは頬を膨らませて
「恥ずかしいなら仕方ない。私は平気なのに」
「そんなの平気にならないでよ。分かってくれてありがとう」
「腕を組むのはいいでしょ」
「それくらいでいいなら。でも私は恥ずかしがり屋だからそれ以上は」
「うん。いつかミュリエルのこと振り向かせてみせるから」
その言葉に苦笑いするしかなかった。その反面。寂しい気持ちもある。かつての私ならハニエルの要求に甘んじてこの身を差し出していた。
気持ちはどこまでも穏やかでどこか甘くて。
今は思い出となって心の中に残っている。切なくて苦しくて。気持ちを抑える度に虚しさが増えてゆく。天使のままならこの気持ちを死ぬまで持っていなければならないのだろうか。
辛い・・・私の時間も巻戻ってしまえば良かったのに。そうしたら淡い気持ちのままでいれたかもしれない。
そして同じ結果を招くことになる。
あ〜もう!どうしたらいいの?
そんなことで頭の中がグルグルしているといつの間にか大浴場の前まで来ていた。
「今日は汗かいたよね。私は少しだけど。もっと元気にならないとね」
「そうだね」
午後の授業は体育があって私達は何チームかに別れてバスケットボールの試合をしたのだった。
元々運動が苦手な私はロクに活躍することなくただ流されるままに動くだけだった。たったそれだけでも汗をかくには十分だった。
問題なのは体操着になった私とミウリルだった。誰も見分けがつかないのは分かっていたけれど同じように運動が苦手だとは思わなかった。
「ずっとサッカーしてたんじゃないの?」
「それ私じゃないからね」
「能力って同じじゃないの?」
「知らないそんなこと。はっきり言えるのは運動なんてしたことないってこと」
そっか・・・同じ身体の中で生まれても能力って共有じゃないんだ。
「それにしても運動できない姿はいただけない」
全くの同意見。別チームだったからつい彼女のことを目で追っていた。
しかし。運動が出来ない姿というのは実に不器用である。これって私も同じってことだよね。理想としている自分とはあまりにもかけ離れた姿に溜息しか出てこなかった。
「思わぬ共通点」
「は?そんなこと言わないでよ。言っとくけどあんたの方が私より無様だからね」
「そこ張り合うところ?似たようなものでしょ」
「なんですって」
ちょっとだけ言い合いになって、そしたらヴィヴィが間に入ってくれて、ハニエルは『どっちも可愛いよ』って言って笑ってくれた。
まだ本調子じゃないハニエルは少しだけ参加してあとはずっと見学をしていた。
大浴場にはヴィヴィもいた。
おかげでハニエルの暴走はなく普通にバスタイムを過すことができた。
後はお決まりのコース。コーヒー牛乳を飲んで、湯冷ましをしてそのまま食堂に行って夕食を食べた。このままベッドに横になって眠ることができたらどんなに幸せだろう。
「私、寮長のところに行ってくる」
食べ終わって二人に言って立ち上がる。
ヴィヴィは黙ってお茶を飲んでいたがハニエルは不安そうな顔になって口を開く。
「今から?なんで?」
「今夜出掛けるから」
「そうなの?それって門限までには戻って来るの?」
「それがね時間的に厳しいんだ。だから許可をもらいに」
「外泊許可?」
「そうなるのかな?でも帰れるなら帰ってくる」
じっと見つめるハニエル。
「帰ってきて。どこにも行かないで」
「もちろん帰ってくるよ。今夜か明日には。そんな風に言わないでよ。なんだかいなくなるみたい」
「だって。急にそんな気がしたの」
「なんでよ。私はまだどこにも行かない」
「まだ?」
そんな顔しないでよ。でも。私はいつかいなくなる。いなくなった私はどこにいるのだろう。
「帰ってくるから。じゃあ私行くね」
これ以上の会話は私自身を混乱させてゆく。
満月。
満月が終わればなにか変わるかもしれない。今言えることはもう何もない。
ハニエルに対して酷い態度だったかも。許して欲しいなんて言わない。だって後でちゃんと謝るつもりでいるから。だからそれまではごめんね。
今夜のことを寮長には正直に話した。彼女も私の事情を知っている。
「そうですか。もし夜中に帰ることになったらロックが解除できるよう後でコードを送っておきます」
「ありがとうございます」
深々とお辞儀をして部屋に戻った。
そして鏡で自分のことを見ていると
「そうだ。なに着ていこうかな」
まさが学園の制服ってワケにはいかないよね。なら私服?といってもロクなものがない。
「帰る時まで着ないつもりだったけど。仕方ないよね。臨機応変ってことにしよう」
自分を納得させるための言葉を口にする。
久し振りの現世の制服。
短かった現世での相楽美有としての人生、それに学校生活。全てが懐かしい。これが元々の人生だったらどんなに素晴らしいことだったか。
どうして私は望む身体で生まれなかったのだろう。
初めから女の子だったら誰も面倒なことに巻き込まれなかった。
「月が・・・大きい」
窓から見える月。見ていると眩しくさえ感じる。
「ランヴェル。お願い」
連絡をして寮を出ると
「・・・ミュリエル」
振り向くと
「ハニエル・・・それにヴィヴィも」
「ミウリルが着ていた制服と同じだな」
「そうだよヴィヴィ」
「似合ってるな」
「でしょ」
「ミュリエル・・・」
「ハニエル。そんな顔しないで。絶対帰ってくるって。心配し過ぎ」
「待ってる・・・いってらっしゃい」
「いってきます」
なんだか今生の別れみたい。そんなんじゃないのにね。でも後ろ髪を引かれるのはなぜだろう。
「よう。待たせたか?」
「そんなことないよ。ランヴェルはいつも早くて助かる」
「いいのか?ミウリルのところで」
「うん。約束したから。それに待ってるんだ」
もう一度だけハニエル達のことを見る。なぜだろう。もの凄く遠くに感じる。
「じゃあお願い」
「はいよ。任せな」
相変わらず疾風のように駆け抜けてゆく。
寮からも街からもどんどん離れてゆく。おかげで暗さが際立つ。それに草木の香りが強くなってくる。
さらに月は高く、ゆっくりと最高潮に向かって昇ってゆく。
時計を見る。その瞬間はまだ訪れない。
「到着!」
「ここ?」
「ああ」
ランヴェルの指差す方向には灯りが見える。ラフィの家。それ以外は全てが暗くて黒かった。
「ありがとう。帰りもよろしくね」
「ああ。じゃあな」
ランヴェルが行ってしまうと静けさが一層濃くなったみたい。
早速ミウリルに電話をする。
「着いたよ」
「ホント?迎えに出るから待ってて」
ミウリルが扉を開けるのが見える。私のことを探しているみたい。
「こっち!」
声は届いたみたいで走ってくる。私も歩いて距離を詰めてゆく。
「お待たせ。ちょっと早かったかな」
「いらっしゃい。別にいいんじゃない。お茶できるし」
ミウリルの機嫌がいいのは許可が下りたからだろうな。
「行こ。ラフィがケーキを焼いてくれたんだ」
「ケーキ?作れるんだ」
「そう。料理だけじゃないんだなこれが」
「へぇ〜ちょっと楽しみかな」
「すごく楽しみにして。ちなみに今回のケーキはスフレチーズケーキだよ」
「スフレチーズケーキ。いいねぇ。私好き」
「それをね、って見てからのお楽しみ。行こうミュリエル」
「うん。ねえその前に」
先を行こうとしているミウリルを引き止めて
「なに?まだなんかあるの?」
「見て」
なんとなく二人だけで見たくなった。
さっきより月の光が強く、青くなっている。
月光に照らされてお互いの顔がよく見える。
「不思議だなってあたらめて思った」
「私も」
虫の声も風の音もない。
「なんでだろう。今になって満月が来るのをずっと待っていたような気がするんだ」
私の言葉にミウリルはただ見ている。そんな視線に私も言葉を忘れて彼女のことを見ている。
どれくらいこうしていた?
きっと時間的には大したことないはずなのに、なにか言いたいのに今は言葉が思いつかない。
満月はさらに強くなる。
まるで世界という世界全部を繋げる鏡みたいに見えてくる。
「今一番会いたいのは誰?」
ミウリルが口を開く。
「一番会いたい人・・・それは・・・現世の私」
「天使じゃなく?」
「人間の私。今どうなっているか分からないから。最後に見せてもらった時は病院だった」
「病院なんて嫌い。もう行きたくない。一生分行ったと思う」
「そうだね。人間の時間は短い。こうしている間も時間だけが無駄に過ぎている。このまま私達がどっちも天使をしていたら肉体は衰えてゆく。そんなの私の好きな私じゃない」
「あなたの好きな私は私でもある。私だってそんなのイヤ。私の本来の身体はずっとこうじゃなきゃ駄目だよね」
「うん。でもどうすることが正解なのかわからないの」
「お互いのことどうするか本気で考える時が来たのかな」
「このまま先延ばしにはできないことはわかってる」
満月よ。もっと私達のことを照らして。
この世界をもっと照らして。
会いたい人は誰?
会いたい天使は誰?
私に会いたいのは誰?
「あれはなに?」
ミウリルが何かに気がつく。
月を背に浮かぶ何対かの翼。
「天使?まさか。あんなに高く飛ぶなんてできないはず・・・」
「でも天使しかあり得ない。それも上級天使」
何対もの翼を持っているのは上級天使以外いない。でも誰なの?
「ラフィ?それともカーリ様?いやでも・・・カーリ様は飛べない」
月と共に近づいてくる。
「こっちに来る」
「やっぱり天使・・・あれは」
見たことある顔。それは初めて学園に挨拶に行った時。
「知ってるの?」
「だって。あの天使は・・・」
もう誰なのかはっきりと分かる。
なんでこんなところに?一体なにをしに?
「こんばんは。ミュリエル。そしてミウリル」
「あ!」
やっとミウリルも気付いたみたい。あなただって挨拶くらいしたよね絶対。
「サリエル校長」
微笑む天使。でも本当は笑っていないことは私達でも分かっている。
「やっと二人揃いましたね。待っていたんですよ」
「それって・・・なぜですか?」
「これから教えます。というかどっちがどっちです?」
サリエル校長には見分けがつかない。今は顔だけじゃない。二人共同じ制服を着ているから。
これから満月が始まるのに別のことが始まろうとしているの?
それって良いこと?それとも悪いこと?
気が付くと私達は抱き合っていた。
どうか。これ以上面倒なことが起こりませんように。
そう願うことしかできない私のミウリルを抱きしめる力が強くなった。
それはミウリルも同じなのか。同じ様に感じる私だった。
こんな時間にさりげなくアップします。
読んでいただきありがとうございます。
皆さま三連休は楽しめましたでしょうか。
私は秋のスイーツを堪能しておりました。
いいものですね。甘いもの。心が和みます。
和みながら物語のことを考えています。なんだかんだ自分に文句をいいつつ書いています。
どんな続きが次回作られるのか。考えると楽しくもあり悩みもあります。
そんなこんなで勝手に孤軍奮闘していますので次も読んでね。待ってます。




