表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公に断罪される悪役に転生したけど、関わらずにのんびり過ごしたい  作者: おとら@9シリーズ商業化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/19

誤算

その後、自己紹介を済ませる。


クラスの人数は二十人、一学年の総数は八十人、つまり一クラス二十人か。


成績が悪かったりすると入れ替えもあるとか。


「そうか、成績を下げれば良いのか」


そうすれば、自然とアークと離れることができる。

更にはセシリアと関わる機会も減るだろう。


「ねえ、リオン」


「……なんだ?」


「さっき、あの平民の男子……アークっていったけ? 一瞬、貴方のこと睨んでなかったかしら?」


「ああ、そうみたいだな」


俺は特に何もしていないはず。

もしかしたら、悪役である俺は自然と主人公の敵意を買ってしまうとか。

そうなると、益々近ずくわけには行かない。


「そ、それだけ? 平民の分際で俺を睨むとは何事だとか言わないの?」


「お前は俺をなんだと……いや、俺のことを知らなかったのだろう。最初くらいは見逃してやるさ」


否定しようと思ったが、確かにリオンなら言いそうだなと思った。

そんなことをしたら、余計にヘイトを買ってしまうではないか。


「……まるで、昔の貴方に戻ったみたいだわ」


「ん? どういう意味だ?」


「覚えてないの? 貴方は昔、馬車の前に飛び出してきた平民の子供を許したのよ? 王族の馬車の前に出るなんて、普通なら処罰の対象なのに」


……そんなことがあったような、もしくはなかったような。

ゲームの内容がわからないのもそうだが、今の精神状態も良くない。

俺とリオンが混ざり合っているので、リオンの方の記憶もあやふやになっている。


「そんなこともあったか」


「ふふ、今の貴方は……その、良いと思うわ」


「褒めても何も出ないぞ。俺は王太子争いに負けた男だからな」


「わかってるわよ……それがわざとってくらいは」


「最後、なんと言った?」


「別に何も言ってないわ。ほら、授業が始まるわよ」


確かに先生が入ってきたので、きちんと前を向く。

成績が落ちるのは良いが、授業態度が悪いのは良くない。

少しでも、イメージアップに努めなくては……ん?


「あのさ……」


「え、えっと、授業始まりますよ?」


どうやら授業が始まるというのに、隣にいるカレンに話しかけているようだ。

おそらく、話しかけるのに夢中で気がついていない。

このままだと、他の生徒や先生の印象が悪くなるぞ。

ふむ……俺は破滅したくないが、彼の栄光の邪魔をするつもりもない。


「おい、アークとやら」


「は、はい?」


「先生が来ているぞ」


「あっ……す、すみませんでした!」


「なに、気にするでない」


すると、前の席にいるカレンがぺこりと頭を下げた。

何故、彼女が頭を下げるのだ?

……よくわからないが、まあ良いだろう。

その後、授業が始まる。


「この大陸はアガレスト大陸といい、三つの大国と少数の国々から成り立っております。まずは、国王陛下を頂点とした氷と土の国フレイヤ王国。次に教会を頂点とする、光と水のセイント共和国。最後に皇帝を頂点とする、風と火の国ガイア帝国が中心となっています」


「そうか、それも王太子争いの原因だったか」


フレイヤ、それは北欧神話の氷の女神を意味する。

この国は、氷使いの英雄が作った国とされていた。

それもあり、氷魔法が使える俺の扱いが難しかったのだろう。


「なんの話よ?」


「いや、国の成り立ちを改めて考えていた」


「私は土を司る家で、国王になる方の相棒だったのよね」


「ああ、そうだったな」


冷たく笑うこともない氷の王と呼ばれた初代王。

その王の隣にいて国を支えたのが、ブリキッド家の初代だ。

……そういえば、ゲーム本編では俺の最大の敵でもあったな。

氷魔法を土魔法で粉砕し、その隙に主人公達が攻め立てるのだ。

というか……確か拳で俺の氷魔法を砕いてたっけ。


「ど、どうしたのよ? じっと見たりなんかして……」


「いや、お前とは敵対したくないなと思ってな」


「な、何よ……離れろって言ったり、敵対したくないとか」


そう言い、自慢の紅髪を触りながらそっぽを向く。

その後も授業は進み、お昼休みとなった。

すると、こちらにアークがやってする。

俺はセシリア狙いだと思い、その場をさっと離れることに。

そして食堂に向かおうとすると、そこにカレンが現れた。


「あ、あの!」


「……どうした?」


「あの、お昼を一緒にしてもいいですか!?」


「どういうことだ?」


「その……わたし、知り合いいなくて」


いや、だとしても俺に頼むとは。

どうやら、助けたことで懐かれたらしい。

一瞬断ろうとするが……別にいいかと思い直す。

攻略対象の女の子じゃないし、そこまで気にすることもない。


「そうか、別に構わん」


「えっ? い、いいんですか?」


「くく、聞いたのはお主だろうに」


「そ、それはそうですけど……」


カレンは両手をわたわたさせ、何やら小動物のようだ。

すると、後ろからセシリアの声がする。


「ちょっと!?」


「どうした?」


振り返ると、そこには焦った顔のセシリアがいた。

当然、その隣にはアークがいる。


「どうしたって……私も行くわ」


「……なんでそうなる」


「貴方が、平民の女の子にいたずらしないようによ」


「そんなことするわけが……おい」


「いいから。ほら、早くしないと時間なくなっちゃうわ」


セシリアが俺の腕を引き、教室から出ようとする。


その後を、カレンが付いてきた。


俺の最後の目には……俺を悔しそうに睨みつけるアークが映る。


——どうしてこうなったァァァ!?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ