第62話《白滅双舞の嵐、巨影の咆哮》
レオンはマリオの前に立ちふさがり、短く叫んだ。
「俺が金髪の相手をする!
二人は黒髪をやってくれ!」
「わかりました!」
マコトは双剣を連結し、薙刀の形へと変形させる。
ルシファーは高く跳躍し、タケシへ蹴りを放った。
タケシは転がるように回避し、静かに刀を抜く。
マコトの薙刀が回転しながら襲いかかるが、
タケシは最小限の動きでいなしていく。
マコトは舌打ちした。
「こいつも強いな……」
ルナが鋭く告げる。
『マコト、ルシファーに任せて一旦光陣から出て!』
「わかった!」
――レオン vs マリオ
ガキィィィン!!レオンとマリオの大剣が激突し、火花が散る。マリオは愉悦の笑みを浮かべた。
「さすが、この国最強だけあるな……」
拘束されながらも、カリナが怒鳴る。
「……さ……最強は……私だ!
……ぐぁぁぁ!!」
レオンは笑いながら応じた。
「だとよ。……マリオだろ、お前」
マリオの目が細くなる。
「……知っているのか、俺を」
「北の大陸に“大剣二刀流”の使い手がいると聞いた。
名前は――マリオ」
マリオは口角を上げた。
「……お互い有名人みたいだな」
レオンは剣を構え直す。
「いざ尋常に――勝負!」
二人の斬撃が、雷のような速度で交錯した。
――タケシの術式を破れ
ルシファーはタケシの刀を避けるだけで精一杯。
その隙に、マコトは魔方陣の外へ飛び出すことに成功した。
ルナが叫ぶ。
『ケルンを出すのよ!
私とケルンをリンクして!』
「……ケルン? ああ、ケルンか!ストレージにいたね!
レジデューストレージ――ケルン出す!」
光が弾け、巨体の怪物――ケルンが姿を現した。
『うぉぉぉぉぉ!! ルナ様〜!!』
マコトは即座に叫ぶ。
「ルナとケルンをリンク!」
ルナの声がケルンの脳内に響く。
『ケルン!』
「うおっ!? ルナ様!!
どこですか!!」
『今は姿を見せられない!
そんなことより――あの白鎧の黒髪をやりなさい!』
「御意!御意!御意!!」
ケルンは巨大な鎌を振り上げ、
下からタケシを薙ぎ払うように攻撃した。
タケシは印を組む――
だがその瞬間、ルシファーが足払いを入れた。
「っ……!」
体勢を崩したタケシの印が途切れる。
次の瞬間、
ケルンの鎌が地面ごとタケシを粉砕した。
タケシの身体は吹き飛び、
天井に激突する。
「ぐふぅ!!」
血が飛び散り、
地面に刻まれた全ての魔方陣が消えた。
拘束が解け、カリナが自由になる。
――カリナ、解放
カリナは光の鎖を引きちぎり、
ゆっくりと立ち上がった。
その目は、完全に“薔薇”のそれだった。
「この野郎……
お前ら――完全に殺す!!」
戦場の空気が、一瞬で凍りついた。




