37話 サノマサヒト
よろしくお願いします。
じゃんけんに10連続で勝ったことがある。
15年も前のことだが、今も覚えているのだから死ぬまで忘れられない思い出なのだろう。
小学校の帰り道に友達と4人で歩いていた時のことだった。地区が同じかつ家が近い4人でいつも固まって帰る。僕らの小学校では集団下校のみしか許されていなかった。だから1日2回に分けて下校があった。1回目は部活動なしの高学年と低学年を合わせた集団下校。2回目は部活動参加者の集団下校。家の地区ごとに昇降口前の外のスペースに児童を整列させて、先生は児童の帰りを見送る。今の年齢になって思うのは、先生は本当に大変なんだろうなってこと。
ちょうど僕らの時代は黄色い帽子を廃止するかしないかの瀬戸際で、僕らはなんとか卒業まで着けていた。黄色い帽子を狙う犯罪者は世の中多いのだ。
話が逸れた。
まぁ、集団下校であり、家も近いし、部活動は皆サッカーをしていたので帰りはいつも男友達4人で帰っていた。
じゃんけんをした日は木曜日だった。4人以外にも周りに人がいたから覚えてる。木曜日は職員会議があり全ての部活動が休みなので、一斉下校と呼ばれていた。
その日、帰り道で友達の1人が「じゃんけん10連続で勝ったら100円ちょうだい」なんて話をしてじゃんけんを始める。その友達は周りの皆とじゃんけんしてすぐに負けていた。確か3連勝もできていなかった。お金はただの建前で、ただ遊びにスリルや盛上がりを持たせたかったということは皆わかっていたと思う。
そんな時、また別の友達が「勝てるわけないから、じゃんけん10連勝したら500円あげるよ」といい、また友達がやる気を出してじゃんけんするもすぐ負ける。
「マサヒトもやってよ500円だぞ」なんて言われて、じゃんけんで10連勝なんてできるわけないと僕は思っていたが、言われるがままにやってみた。大概僕も楽しみたかったのだ。
最初に出したのはグー。
次に出したのもグー。
ここまでは覚えている。僕はじゃんけんで勝っても負けても言い訳できるように必ず最初はグーを連続で出す。なんとグーで2連勝したのであとはテキトーに出した。周りは僕の勝ち数を数えている。じゃんけんは時々あいこになるも結果は僕の勝ちが続いた。あんまり意識しないようにグーとチョキとパーをバランス良く出していたと思う。
本当に10連勝した。それも挑戦1回目で。
負けた友達が「すげぇ。あとでちゃんと払うわ。ポスト入れとく」って言っていたのを僕はやんわり断ったのを覚えてる。もしかしたらポストに500円を入れてくれたかもしれないけど僕は調べなかった。
このじゃんけん10連勝を死ぬまで忘れないと思うと自分でも変な感じがする。
では。また。
ありがとうございました。




