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憧れの魔法少女になれたけど、恥ずかし過ぎて死にそうです!!  作者: じゃむばた


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40層をクリアしたが……

とうとう本格的に動き出します。

『魔法少女専用クエスト【ダンジョン40層をクリア】をクリアしました』


『魔法少女のランクが〈☆☆☆☆☆→★☆☆☆☆〉になり、各ステータスがアップしました』


 レベル なし

 称号 ナヴァトラナを集める者

 クラス 魔法少女〈☆☆☆☆☆→★☆☆☆☆〉

 ひっとぽいんと ☆☆☆☆→☆☆☆☆☆

 まじかるぽいんと ★★★★★

 ぱわー ☆☆☆☆☆→★☆☆☆☆

 たいりょく ☆☆☆☆→☆☆☆☆☆

 まじかる ★★★★★

 はやさ ☆☆☆☆☆→★☆☆☆☆

 うん ☆☆☆☆☆→★☆☆☆☆〉』


 40層のボスを倒した所で時刻は20時を回っていた。無事に魔法少女専用クエストのひとつ【ダンジョン40層をクリア】を達成した。

 一部のステータスはカンストしたのか星印が付かなくなり変動しなかったが、それでも他のステータスはしっかりと上がっていたので、他のクエストをクリアする頃には星が全て埋まっていることだろう。


 私はドロップ品とボス撃破報酬の宝箱を開けると中身を回収していく。奈々子ちゃんの要望で装備品も回収して欲しいとの事だったので、見つけ次第集めている。その中にお洒落なデザインの小手を見つけた。


「格好いい小手だね」

「呪われてるがな」

「え!?」


 思わず小手を放り投げると、ガチャッと音を立てながら地面に落ちた。呪われた装備品が存在しているなんて初耳だ。これを装備したらどんなデメリットがあるのだろうか。


「呪われている装備品は強力な物が多い反面デメリットがある。代表的な物は装備すると外せなくなり、体力が徐々に低下し最終的に死に至るものだったり、見境なく人を襲ったりなどがある」


 何となく想像はしていたけど恐ろしい呪いだ。知らないで装備したら酷い目に遭うだろう。


「しかし、呪い装備のデメリットを打ち消すクラスやスキルがあるぞ」

「そんなのあるんだ」

「うむ。そうだな……呪術師や暗黒騎士は呪い装備のデメリットをプラス効果に変えて更に強くなる。他にはスキル【祝福】は呪いを打ち消す効果がある。呪われたハンターの解呪や装備品の呪いを消しメリットのみを残す事も可能だ」


 装備品は基本スルーしていたので知らなかった。呪い装備も価値があるらしいので回収する事にした。……少し怖いので、オタマトーンに引っ掛けて、まじかる☆ボックスに収納した。


 スキルクリスタルはここに来るまでにモンスターを乱獲したので、探知系スキルの〈熱探知〉〈音探知〉〈罠探知〉を取得することが出来た。〈音探知〉に関しては、まじかる☆アタッチメントのうさ耳カチューシャの下位互換だった。耳が良くなった程度なので、うさ耳カチューシャのように音を立体的に感じる事はできなかった。それでも探知系スキルは便利で、今まで気づかない物を見つけたり感じる能力を得た。更に探知系スキルはONとOFFが可能で普段は切っておくことが可能だった。


「これで全部だな」

「ルル様ありがとう」


 ルル様にもアイテムの回収を手伝ってもらいアイテムボックスとまじかる☆ボックスにアイテム仕分けして放り込む。売り切れないアイテムが荷物を圧迫してきたので、そろそろ奈々子ちゃんに大量放出祭りしなくていけないかもしれない。


 奈々子ちゃんの喜ぶ顔が浮かぶ。


「さて帰りますか」


 私が変身を解いて帰ろうとするとルル様に呼び止められた。


「ほのりんよ、1度別階層に飛んでから変身を解除した方がよいな」

「……やっぱり見られてる?」

「うむ。我の真・鑑定眼の範囲外にいるようだ」


 何となく予想はしていたけど暗殺者の帅 宁宁シュアイニンニンが監視してるみたい。このまま魔法少女の変身を説いたら身バレ必死だ。


 仕方ないので私達は適当な階層を選ぶと即変身解除し、地上に戻った。命を狙われている以上魔法少女の変身を解くとリスクが高くなるけど、帰らない訳にはいかない。どうにかして帅 宁宁を撃退しないと日常生活に支障をきたす恐れがある。


 新たな問題を抱えつつ、渋谷ダンジョンセンターの個室を利用し、奈々子ちゃんを待っていると疲れた顔をした奈々子ちゃんがやって来た。

 JDSTの対応やChrome Tempestの対応に追われ、そろそろ限界に近いかもしれない。それでも私が手伝える事は少なく、愚痴を聞いてあげることしかできないだろう。


「穂香ちゃん。明日の昼から予定を開けておいて下さい」

「何かあるの?」

「詰めの段階ですが、ルル様が取り仕切っている案件について合同会議が行われますので、穂香ちゃんは魔法少女ほのりんとして参加して下さい」

「えええ!?」


 ルル様が裏で計画しているレイドダンジョンの件だろう。私ひとりでは攻略できない難易度で尚且、魔法少女専用クエストのクリア条件にもなっているので、ルル様がある条件引き換えに協力者を募ったのだ。

 JDSTは分かるけど奈々子ちゃんの話によるとChrome Tempestも参加するらしい……。非常に頭が痛い。


「もう覚悟して下さい。私も庇いきれない可能性があります」

「そんな〜」


 弱音を吐きたくなるけど、こうなってしまっては後戻りはできない。私はしょぼくれながらもリュックサックとアイテムボックスから今日の戦利品を奈々子ちゃんに渡して、渋谷ダンジョンセンターを後にした。


 ▽


 翌日、モーニングの時間帯にルルデミアこと、ルル様がやって来た。そして鈴木さんと雑談して過ごしている。本人は楽しそうに話しているので、私は特に水を差す訳でもなく2人を見つめていた。


「ルルデミア、いつになったらお金持ってくるの? 無銭飲食は駄目だよ」

「我と穂香はパートナーではないか、食費も経費で落としてくれ」


 経費っておま……結局払ってるのは私なのに。


 稀にルル様のように言う人もいるが、『経費で落とす』とは、業務遂行に掛かった費用の事で、交通費や消耗品の購入など経費に含めることができ、事業で掛かる税金は収益から経費を引いた事業所得で計算する事になっている。その為、経費が増えると所得が減り支払う税額も減る反面、会計上利益が減るので場合によっては赤字になる可能性もあるのだ。

 勿論ルル様とはパーティーであってパートナーなので、条件によってはルル様の食費も経費で落とす事は可能であるが、経費計上にもルールがある。例えば領収書が必要だったりする。これがないと計算もできないし証明にもならないので絶対に必要だ。

 因みに今回のルル様の食費は経費で落とせない。理由は明白、仕事ではないからだ。そしてひとりで食事をする場合は私費として扱われるのだ。


 小難しい話をしてしまったが、私も個人事業主として登録しているので来年の確定申告とか今から憂鬱になりそうだ。



 バイトを終えるとイケオジのルルデミアと一緒に渋谷ダンジョンへと向かう。今日の11時から渋谷ダンジョンセンターで合同会議なるものに参加する事が強制的に決まっているのだ。


 昨夜、奈々子ちゃんからメッセージが届き、今日の合同会議の参加者が決まったと連絡が来ていた。日本政府のお偉いさんとJHAの職員、JDSTとChrome Tempestの他に、民間企業のATLANTISの参加が決まったらしい。これには相当揉めたらしく、日本とアメリカの利権が絡んでいるのでは? と多方面から突っ込まれたのだ。この合同会議は非公式なのにどこからか漏れたらしく、ATLANTISが無理やり参加した形になってしまったようた。


 予想だが、合同会議に参加するATLANTISの代表には私の母親が来ると思われる。近く両親と会って話をしようかと思ったけどまさかこんな形で母親と会うとは思わなかった。


 私は深いため息を吐くとダンジョンゲートを潜り、魔法少女に変身する為の秘密の呪文を唱えるのだった。


 


 

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