真の目的が見えません。
中途半端は良くありません。
夏の長い休みも終盤に差し掛かった頃、トラップの解析が終わった、と魔法使いの塔から知らせが入り、マロウとランタナがファルシオンの元を訪れていた。
「トラップは冬のパーティーが最後で、それ以降のものはないようですね」
マロウが解析結果を見ながらファルシオンに目を向けるとファルシオンも頷いた。
「何故、ここで終わりなのかが気になります」
ランタナも不服そうに頷く。
トラップの目的を考えると、ここで終わるのは中途半端過ぎる。
「この後に何を狙っているのかが判らない」
ファルシオンも元凶を特定できたが、その目的が分からず次の手が打てないでいた。
「もしかしたら、トラップである感情を増幅させていたら此処で終わりにしても問題はありませんね」
アリッサが解析結果の書かれている紙を見ながら呟いた。
「ある感情?」
ランタナが、不思議そうにアリッサを見た。
「元凶を好意的に思う、所謂、魅了魔法の応用です」
アリッサはさり気なく言っているが、それが本当ならば、国を揺るがす事態だ。
「可能性はあるな」
ファルシオンも否定せず頷く。
「魅了魔法は禁忌の魔法。もし……。いや、そうかもしれない。アイツの言動はそう取られてもおかしく無い」
マロウの眉間の皺が深くなった。
「魅了が出来て、元凶を好意的に思う気持ちが完成すれば、後は元凶が好き勝手出来るはずです」
無表情になったアリッサをファルシオンは何も言わずに見ている。
「では、トラップに仕掛けた機能は良い目眩しになりましたね」
ランタナが不意にクスクス笑いながらファルシオン達を見た。
「トラップに何を仕掛けたんですか?」
「解析していた時、妙な音がしたのでその音が鳴るようにしました」
トラップ改造を知らないアリッサが首を傾げると、マロウが楽しげに話し始めた。
ナイス改造、ですかね?




