棚ぼたのパーティーです。
ヒドイン、やらかしてます。
「エリンジウム殿下。教師から会場へは入らないように、との伝言です」
モルセラがエリンジウムに小声で何かを話すと、エリンジウムの表情が曇った。
「エリンジウム様、何か悪い事でも?」
ミモザが心配そうにエリンジウムの顔を覗き込むと、エリンジウムが小声でミモザに内緒話をする様に顔を傾けた。
「どうなさいました?」
エニシダがホーア子爵令息を警備の者に引き渡してからミモザの元に戻ると、ミモザ達はクスクス笑っていた。
「会場でアレが騒いでいるそうです」
マロウが呆れた顔で会場の方を見て、大袈裟に息を吐いた。
マロウの言葉に女子生徒だけでなく、彼女達のパートナーもそーっと扉を開け、中を見て顔を引き攣らせている。
「なんでアタシがこんな安物のドレス着なきゃなんないのよ」
キンキン声が、開いた扉の隙間から聞こえる。
「エリン様とファーストダンス踊るのになんで居ないの。早く呼んできなさいよ。マロウとのお庭デートがダメになっちゃうじゃない」
教師達が何かを言っているようだが、デージーの叫び声しか聞こえない。
「特定も終わったし、帰るか」
ファルシオンがアリッサの肩に手を置き、くるりと方向転換をした。
「折角着飾ったアリッサを見せびらかしたかったのに」
ランタナの残念そうな顔は、ミモザ達も同じ。
「では、王宮の中庭で小さなパーティーをしよう」
エリンジウムの提案に、ミモザ達だけで無く、その場に居た者達の顔もキラキラした。
全員でも大丈夫か?とアリッサは不安になったが、エリンジウムは自分の秘書官に指示を出し、あっという間にその場にいた者達も纏めて王宮に招待してしまった。
王宮で行われた小さなパーティーは国王陛下や王妃陛下まで顔を見せ、学生達は緊張でガチガチになったが、滅多に入れない王宮でのパーティーは和やかに終わった。
学園の方にもエリンジウムから労を労う言葉があり、教師達はエリンジウムを含む高位貴族が騒動に巻き込まれず、穏やかに夏の休みに入った事に心底ホッとしていた。
王宮は滅多に入れないですよね。




