ダンジョンに着きました。
ダンジョンは魔獣がいっぱいいます。
ダンジョンは転移魔法を使えばあっという間に着く場所で、鬱蒼とした森の中にある比較的難易度の低い場所だ。
だが、森の中にはウサギの様な長い耳を持つカーバンクルなど危険な魔獣もおり安心は出来ない。
「カーバンクルが居ますね」
エニシダが警戒しながら息を吐いた。
「B級の、レベルは高い魔獣ですから、こちらから攻撃をしなければ大丈夫です」
額に赤い宝石を持つカーバンクルは、見た目はウサギか猫の様な愛らしい姿だが、攻撃力や魔力はあの猿型の魔獣よりも強い。
「ダンジョンに入ります。お2人は剣を抜いて警戒してください」
アリッサはカーバンクルからダンジョンの入り口に目を向けて、魔法使いのローブのフードを被り直した。
アンサシアと言う木は、ダンジョンの比較的浅い階層に生えるので、手順さえ間違わなければ短時間で採取できる。
そう、出来るのだが、アンサシアは獰猛な肉食植物で、その根の採取方法がかなり特殊な為、冒険者達が採取を嫌がるので希少素材になっている。
「モルセラ様、アンサシアの採取はちょっと特殊なので、驚かないで下さい」
エニシダが申し訳なさそうに言うのが気になり、どの様に?と聞こうとした時、先を歩いているアリッサに木の根が襲い掛かるのが見えた。
「アリッサ嬢!」
最悪の事を想像し、走り出そうとするモルセラをエニシダが止めた。
「これがアンサシアの根の採取方法なんです」
エニシダ曰く、アンサシアの根を採取するにはアンサシア自身に獲物捕獲の為に根を出させる必要があり、剣を持たない囮が必要なのだ。
「し、しかし……」
「アリッサさんは完璧な防御膜を使用してますので、アンサシアの根が貫通する事はありません」
オリハルコンの錬成に必要な根は捕獲根では無く、人間の胃袋に相当する消化袋が付いている本体に近いもの。
それを踏まえてアリッサが囮として前を歩いている、と説明されモルセラは戸惑った。
エニシダが嘘や嫌がらせの為にアリッサを使っているのでは無い、と解ってもその手を振り解きそうになってしまう。
「私は剣は使えますが、アリッサさんほど強い魔力が無いので囮にはなれません」
研究の為とはいえ、何度もアリッサを危険に晒している事への罪悪感に泣きそうになっていた。
今日もギリセーフ。




