45.ベルカの実績解除
レベル差が大きかったこともあってか、ベルカはあっという間に100人近い敵を全て、戦闘不能状態にした。
具体的に言えば、ほとんどの敵の両腕と両足首を切断したのである。
彼女はそれらの人間を街道にまっすぐ整列させ、氷で固定した。
そして、その前に立って、軽く手を叩き、言う。
「皆さん。今から彼らの公開処刑を始めます。報復は怖いでしょうし、私が皆さんの代わりに殺してあげます。良ければ最後まで見ていってくださいね」
彼女は小首を傾げ、微笑んだ。
彼女の手際はとても滑らかで、素早かった。
並べられたマフィア達は氷で作られた猿轡を噛みながら、仲間がナイフで胸部を一突きされていくのを見た。
ペースは1人あたり大体3秒。
ベルカは鼻歌を歌いながら、彼らを刺殺していった。
あまりに早いスピードで、また、他の仲間が見ているという圧から誰もログアウトできない。
ベルカはそれを見越してわざわざ整列させていたのだ。
ベルカの手やローブは血にまみれ、そしてその血は青白く光って消え…また新しい血がつく。
たった5分ほどで彼女は100人を『処刑』した。
《実績解除》「現実主義の処刑人」
5分以内に拘束した敵100人を衆人観衆の中、自らの手で刺殺、或いは銃殺する。
◈現獲得者数
0人(+1人)
初めての解除者です。おめでとうございます。
◈効果
物理攻撃力↑↑
魔法攻撃力↓
ヒヒイロカネの装備の覚醒に関する挑戦が解禁。
ベルカは『実績解除』の通知が来たのを確認した。
『現実主義の処刑人』
…なんとも物騒だ。
けど、見たことがない実績ということはもしかすると初の実績解除かもしれない。
それに、図らずも『現実主義』という言葉がライカのものと一緒だ。
ベルカは処刑の後、カフェのテラス席に戻って、そんなことを考えていた。
彼女は暴力自体には大して酔っていなかった。
ただ…人々の笑顔を取り戻すために厄介者を駆除するという行為にはそれなりにハマっていた。
何せ、その行為には正当な事由があるのだ。
こちらはローブで姿を隠しているし、まず正体はバレない。
それに何より、そこそこの確率で感謝されるのである。
ベルカは笑顔が好きだ。
…ライカ、透華の笑顔はまた一つ上の、別の扱いではあるが、それはそれとして他人の笑顔も好きである。
そんなことを考えていると、思いついた。
そうだ、もう実績解除しちゃったしライカに合流しよう。
急いでローブを脱ぎ、フレンド欄から選択して、ライカの所へ瞬間移動する。
……私が実績解除したと知ったら、ライカはどんな反応をしてくれるのだろう?




