38.ツィタデレ会戦
ライカが要求されたのは条件はただ一つ。
スタイリッシュに、圧倒的な力で相手を殲滅すること。
半包囲状態から始まる感じで、相手はマスケット銃やサーベル、槍、短銃なんかで完全武装。
相手の発砲が合図でスタート
ライカは視界を埋め尽くすほどのマスケット銃と槍に囲まれ、ただ佇んだ。
彼らもしっかり学んだのか、指を鳴らすより早く発砲をできるよう各銃兵隊はしっかりと指揮官により統制されている。
ライカはニヤリと笑った。
それに合わせるように、相手指揮官は手を下に振り下ろし、マスケット銃による一斉射撃が始まった。
タァンッ!!
乾いた発砲音が百発ほど同時に響く。
百に近いマスケット銃は弾丸と共に白煙を撒き散らし、視界を奪う。
その場にいる全員の心臓が高鳴った。
やったか…という興奮と、これから圧倒的な力で薙ぎ倒されるのか…という期待感で。
数秒で煙が晴れると、そこには誰もいなかった。
動揺が広がる。
「待て!まだどこかにいるはずだ!」
銃兵隊の指揮官はそう叫び、部下の動揺を鎮める。
銃兵のうちの1人は偶然、上を見上げ、そしてあんぐりと口を開けて…裏返った声で叫んだ。
「城壁の上だ!!まっすぐ落ちてくる!!」
そう。ライカは跳んで、城壁の上にいたのだ。
咄嗟に近くの全員が銃を上に向ける。しかしもう遅かった。
ズドドドドンッ!!
密集していた槍兵と銃兵は一瞬のうちに吹き飛び、冥界へ送られた。
軽く200ほどが一瞬のうちにやられたのだ。
ただ相手の士気はまだまだ高い。サーベルや短銃がライカに向けられた。
ライカはフードの下で再びニヤッと笑って、歩き出した。
まっすぐ、敵の多い方へ。
パァンッ!!
9発。短銃が火を吹いた。
ドンッ!
『弾く』が自動発動。近くにいた数十の敵は肉片となった。
「くそっ!いけ!いけっ!同胞の犠牲を無駄にするな!殺せッ!」
男が吠える。次の瞬間彼は周りの味方ごと吹き飛ばされた。
…スタイリッシュ…スタイリッシュ…うーん?
ライカは小首を傾げた。
どういうのがスタイリッシュなのだろう………そうだ、敵の武器を奪って斬り殺そう。
ドーパミンでパチパチした頭のライカはへにゃっと笑ってそう考えた。
相手からすれば、この『考える間』は隙である。
数十の兵士がサーベルを持ってライカに挑みかかる。
ライカは一人のサーベルを掴み、そして踊るようにクルリと一回転した。
次の瞬間、サーベルで軽く斬られた程度の兵士たちは悶え苦しみ、そして死んだ。
…惨劇はまだまだ続く。




