32.新居、廃墟、散らかり放題
偏見設定集その1
透華は割と自他に食事の際のマナーを求める。
斜に構えてる人間は割と幼少期、上品な感じに育てられていたりする…と私は勝手に思っているので。
透華は食事のマナーがかなり良いです。
そして絶対一口が小さいです。
新居ツィタデレ城に来て2日目。
ベルカは少し困っていた。
「…ライカ、掃除しよ?」
バルコニーで頬杖をつき、ぼうっと外を眺めるライカに声をかけた。
そう。如何せんベータテスト時代からほとんど手が入っていないため、色んなものが散らかり放題なのである。
ただ、埃や蜘蛛の巣なんかは見かけなかった。
電脳空間ならではといった感じで、時間経過による劣化や汚染なんかも見られない。
「んー…わかった…」
ライカはそう応え、ノロノロと動き出した。
実のところライカは掃除が苦手な方である。
なにか…楽に掃除を終わらせる方法はあるだろうか………あ、そうだ。
ビーッ
ライカは『トレンチ・ホイッスル』を鳴らす。すると1時間働ける50人の兵士が出現した。
「今日は突撃とか、攻撃とかはなし。武器を置いて、この家の整理整頓をして」
ライカはそんな風に指示を出す。
兵士達は一瞬戸惑ったものの、ライカの命令に従い、武器を置いて早速動き出した。
彼女は兵士達に具体的な指示を出すため、よろよろと兵士達の後ろを歩き始めた。
ベルカは、ライカの行動が唐突過ぎて、一瞬対応が遅れたものの、結局ライカの隣を歩いた。
「…頭良いね。ライカ」
ベルカはポンポンとライカの頭を撫で、そう言った。
「……別に?」
その声は少しだけ嬉しそうだった。
兵士達は結構、整理整頓が上手かった。
彼らは散らばった本を本棚に戻し、倒れた家具類は元に戻し、割れた食器類、家具類は袋に纏め、端の方に寄せた。
兵士のうちの一人がライカに黒っぽい刀を献上する。
「その刀は…貰うね。ありがと」
ライカはそう言い、刀を『持ち物』に入れた。
ツィタデレ城は数十分でかなり綺麗になった。
「…かなりゴミが出たけど、どうしよう?」
ベルカはライカにそう聞く。
「……んんと…どうしよう」
ライカは考えた。
そして、すぐ思いついた。
ドンッ!!
次の瞬間、ゴミの山は極限まで圧縮され、小さくなった。
ライカはゴミの山に向けて『通常攻撃』を数発同時に放って、圧縮したのである。
「…このサイズなら持ち物に入るでしょ」
ライカはそう言い、圧縮されたゴミを『持ち物』に入れた。
ただ、持ち物の表示は少しおかしかった。
『β-13-D』…何か…この城独特のものが含まれていて、圧縮した結果バグってしまったのだろうか?
「ね、ベルカ…これ…」
言われてベルカはライカの持ち物画面を覗く。
「……バグ表記アイテム…なるほど?かなり高く売れるわよそれ」
「…ほんと?」
ライカは小首を傾げた。
こんなゴミが…?
「…希少性が高いからね」
ベルカは苦笑しつつ、そう言った。




