2.バグ?
次に視界を開けた時、広がっていたのは青々とした空だった。
日光が眩しい。
自然と手を伸ばし、日光を遮った。
……うん?妙だ。私は確かに人外種族を選択したはず…なんでこんなにも普通の手なのだろう。
すっと身体を起こす。
周りに広がっていたのは広大な平原だった。
……普通の身体…人間の身体だ。
少し…肌が白すぎる気もするけど。
癖で髪に触れると、巻き毛気味の銀色の髪が視界に映った。
とりあえずメニューを開こう。
名前:来華 (ライカ)
Lv:0000000?0000000000
種族:a ?
役職:庶*
能力:n/a
少し…ゾワッときて、そして身体がゾクゾクと背徳感に震え始めた。
やばい。世界的なゲームを初手でバグらせることができちゃった。
早速、私をこのゲームに無理やり引き込んできた知り合いに連絡する。
ライカ:来たけど。現在地が分からないから迎えに来て
ベルカ:了解。村スポーンじゃないの?
ライカ:なんか平原っぽいところ。人の気配は無い。
ベルカ:とりあえずそっち行く。
ベルカが青緑色の光に包まれながら虚空から現れた。
銀の鎧に、金の髪、青い目に日本刀………チグハグだ。
「っ…なんで何も着てない…っていうか肌白!怖!」
ベルカはプルプルと震えながらそう言った。
「ね、バグっちゃったんだけど」
私はそう言い、近寄ってメニュー画面を見せた。
ベルカは目を見開き、口をあんぐりと開けた。
「ライカ……『庶民』取ったの?」
「…取ったけど。何?」
「んーと…んーとね…いや、なんでもない。とりあえずこれ着て」
ベルカが虚空から用意したのは黒いセーラー服だった。
「ダンジョン攻略で出たけど、レア度がこの鎧より低かったからあげるわ。だから、さっさと着なさい」
ベルカに合ったサイズ感なので、ぶかぶかである。
…特に胸周りが。
「着たよ」
「じゃあ、『最初の村』に行きましょうか」
「……その前に、この身体を慣らしておきたい」
「…良いわよ。ただ、私を相手にやるのはやめて……ああ、チュートリアルとかはやらないの?」
「やらない」
「……そういえば、そういうタイプだったわね」
ベルカは呆れたような声を出した。
「ね、どうやれば魔法を出せるの?」
私は小首を傾げ、そう聞く。
「…貴女、魔法使いじゃないんだし、無理なんじゃない?」
その言葉を聞いて、少し残念に思った。
「…もし、試したいのなら、適当に集中して、指を鳴らせば何か出るかもしれないわよ」
私が肩を落としたのを見てか、ベルカはそう言った。
言われた通りに指を鳴らしてみると、視界の真ん中にあった地面がいきなり抉れた。
…どういうことだろう。




