ブタ族の神
1
「いらっしゃいまし、ゴッドさん」
「ゴッドさん、こんばんは」
「おう、こんばんは。……じゃなくて、大変だって言ってるだろうが!ぶふぃ、何でお前らそんなに反応が薄いんだよ?」
目付きの悪いブタ、ゴッドは三角形の眼を血走らせている。
「私はただのブタですからねぇ。竜神様がどうしたとかは、神様同士でやって下さいよ、ゴッドさん」
「いや、マスター?確かにこのゴッドは、ブタ族の神だが、ピピカドラグィラルなんて危ないヤツと一緒にするなや!」
「僕もブタ野郎だし、ピピカドラグィラルなんか関係ないですよ。……ちくしょう!社長め、いつもいつも使えないだのクズだの言いやがって!1ヶ月に30日も働かせやがって!朝から朝まで働かせやがって!」
「ああ、三輪。……最近見ないと思ったら、そんなだったんか。しかし、ピピカドラグィラルはニンゲン蒸発光線とか出すし、ヒトの世界で生きてるお前にも影響あるだろ?ちっとは気にしたらどうだ?ぶふぃ」
ブタ族の神ゴッドは、三輪をなだめつつ、話の軌道修正をした。
「……ニンゲン蒸発光線。蒸発、したいなあ、社会から。あ、マスターもう一杯ワイルドピッグ下さい」
「三輪、お前……。まあ、そういう蒸発のしかたになるニンゲンもいるらしいがな。」
マスターは三輪に酒を渡した。三輪は体をゆらゆらさせながら、酒を受け取った。
「しかし、ピピカドラグィラルが召喚されたって、まさかいきなりその辺破壊したりはしませんよね?そんなに心配しなくても、大丈夫では?」
「おう、他の竜族はまあまあ穏やかなのが多いからそうだわな。ぶふぃ、だがピピカドラグィラルは今までにもやらかしてるんだ」
「今までにも…ですか?」
「二千年位前に、大陸の方で文明が一つニンゲンだけ消える形で滅んだだろ?ぶふぃ、つまりあいつの仕業さ」
2
三輪が意識を取り戻した時、話はすでに終わりゴッドは帰った後だった。
「あー、マスターすみませんでした」
「いえ、またいらして下さいまし」
明るくなりかけた空の下、三輪も帰っていった。




