ダメ炎神
今日は勉強会です。
みんなで集まって勉強を教え合っています。
というのも私たち賢人会候補は学校の勉強だけではなく特殊な勉強が必要なのです。
ここで賢人会の説明をします。
私たちがいるこの世界では各種種族が平和に暮らしています。
具体的には神族、魔族、天使、妖怪、人間などです。
そのためには各種種族の代表が話し合ったり平和的に解決し合ったりする必要性があります。
表で動くのは政治家で主に高位の能力者たちがなります。
しかし、能力が高いだけでは政治は動きません。
そこで知識のある人間が必要になります。
賢人会はいわゆる学者の集まりです。
政策の提言や立案をする機関です。
もちろんそこに入るにはかなりの知識が必要です。
普通の人間の知識を遙かに凌駕します。
しかも幅広い知識が。
だから私たちは定期的に集まって勉強する必要性があるのです。
といっても今回が初めての集まりですが。
それまでは各自個人で自習していましたが、ようやく4人集まったのです。
勉強会を開かざるを得ないではありませんか。
一応賢人会候補のメンバーの紹介をします。
まずは私、作道 進葵。
そして先輩でアンデッドの徳ケ崎 菊音さん。
次に新入生で天使の楽野 天祢さん。
そしてもう1人。
賢人会候補のメンバーを見てもらって分かるようにメンバー全員能力がないかあるいはメチャクチャ低いメンバーです。
徳ヶ崎さんはアンデッドと言っても普通の人間と変わらないし楽野さんに至っては天使とは名ばかりの無能力者です。
しかし2人とも非常に学力の高いメンバーでもあります。
そして問題なのは最後のメンバーです。
最後のメンバーは何を隠そう炎神の火口 暁空ちゃんです。
私は彼女が勉強会に参加することを知り非常に驚きました。
彼女は体力がかなり人間離れしているどころか(神族なので当たり前ですが)私のクラスでも1、2を争うぐらいの体力。
とても能力が低いとは思えません。
(後で聞いたのですが体力と能力は全然別のものだそうです。)
それに失礼ですが1年を通して同じクラスで見たところあまり学力が高いようには思えません。
下から数えた方が早いぐらいです。
ちなみに私が通っている学校では能力と学力の秀でたものしか通う資格がないそうです。
体力がいくら高くても関係ないそうです。
ちなみにここで言う能力とは各種種族に与えられた特殊能力のことです。
聞いたところによるとあきらちゃんは入学試験では私を除いて1番の成績だったそうです。
それにあぐらをかき授業をほとんど聞いてなかったそうです。
それによって成績はどんどん下がり、気がつけばどん底になっていた。
この1年間で成績を取り戻し、なおかつ賢人会候補の学力まで追いつかなければ退学を言い渡されるそう。
だから最初から必死の形相です。
(あきらちゃん曰くみすずちゃんとは離れたくないそうです。)
これら上記の内容により今回の私たちはあきらちゃんに勉強を教え込むことになっています。
私たちも(特に私が)あきらちゃんを退学させたくありません。
私たちも(特に私が)必死です。
私は得意な数学を含め自然科学(数学、理科など)を。
アンデッドのきくちゃんは読書が大好きなので現代文を含む人文科学(国語、英語など)を。
天使のあまちゃんは残りの社会科学(地理、歴史、公民など)を教えることになりました。
何しろこの学校に入ってからの基礎基本がなっていない。
高校レベルから教えるのがやっとです。
とにかく今回は基礎基本です。
それが最終的には大学院レベルというかそれ以上の知識が必要なんだから途方に暮れます。
とりあえず今日1日で高卒レベルの学力を獲得してもらわなければ。
簡単なことではないけれど。
結局、朝の8時から夜の6時まで休憩を入れて10時間のの勉強会は終了しました。
もちろん1日で高卒レベルになどいきません。
それでも高1修了のレベルには達したと思います。
本人はかなり疲れているようですが、私たちも相当疲れました。
あきらちゃんを迎えに来たみすずちゃんがかなりビックリしてました。
そして私たちを一瞬、睨みつけたような気もしました。
逆恨みです。
私たちはよかれと思ってやっているのに。
とにかく私たちはこの学校にいる7年間である程度のレベルに達しなければなりません。
この7年間は長いようで短いと担任のかぐちゃんは言っていました。
本当は賢人会候補はもう3人いるそうです。
その娘たちは今担任のかぐちゃんの元、猛勉強しているそうです。
担任のかぐちゃんはその娘たちは特殊な種族なため私たちに会わせるのにもう少し時間がかかると言っていました。
とにかく今日はとても疲れました。
とにかくあきらちゃんの物覚えが悪すぎる。
そりゃぁ、1年間授業を聞いてなきゃそうなるだろうけど。
今は早く部屋に戻ってハニーに会ってハニー成分を充填したいです。




