射撃訓練
今日は射撃訓練に同行しています。
忘れている人もいるかも知れませんが、私が通っている学校は軍事平和的に設立された学校です。
なので、軍事訓練の授業も日常的に行われています。
(と言っても今は平和な時代なので軍事行動は最終的手段という考え方です。)
そして、私は担任のかぐちゃんに無理を言って射撃訓練に同行しています。(私は軍事訓練免除で入学資格を得ているので)
担任のかぐちゃん曰く今回限りの特別な措置だそうです。
何で私は射撃訓練に参加したかったかというと私、人間以外の種族の軍事訓練というものはどういうものかと言うことに興味があったからです。
まず、人形族の人たちです。
日本人形のことねちゃんとフランス人形のきららちゃん。
この二人はとにかく仲が良い。
ちなみに琴祢ちゃんが右利き、きららちゃんが左利き。
二人ともおそろいのライフル銃を構えシンクロしているかのように同時に撃ちます。
その構え方もまるで鏡に映したように左右対称です。
王子的言動の多いことねちゃん、姫的言動の多いきららちゃん。
二人とも良いカップルだなと私は思う。
ところが、人形族の人たちには恋愛的概念が無いようで先日もしつこく聞いてくるので事細かに教えたがピンときていないようだった。
人形族?のすずちゃんはパワフルな2丁拳銃で口で「バン、バン」と言いながら撃ちます。
小柄なすずちゃんを見ているとまるで子供が拳銃遊びをしているようでかわいいです。(実際は本物の拳銃を使っています。)
次に神族のあきらちゃんです。
あきらちゃんは明らかに不満そうな顔で
「何で炎神であるあたいが射撃訓練をしなきゃいけないのさ。こんなもん手から炎を出せば終いだろうが。」
と文句を言いながら片手で拳銃を構え射撃しています。
翻って魔族のみすずちゃんは明らかに怯えたような表情で腰は後ろに退け、両手で拳銃を持ち「キャー」と悲鳴を上げながら射撃しています。
私はそれを見て先日のプールの一件(プール開きを参照)はいったい何だったんだろう。
明らかに別人です。
本人曰く魔力以外は普通の人間なのだそうです。(高位の水魔が何を言ってんだか)
次に光学生命体のあかりちゃんです。
あかりちゃんは私を見つけるなり
「たまちゃん(私)がいなかったから寂しかったんだよ」
と甘えてきました。
そして、
「私の射撃の仕方を見てみて。」
と言った後、私はとんでもない光景を見せられた。
それは、全身のあらゆる所からビームが一斉に発せられたのです。
それも3,40発以上。
私は心の中で「これは射撃じゃ無い」と思ったが、そういえばあかりちゃんは私たちとは逆に現実のものを手にすることが出来ないのだと気づき(簡単に言うと映像生命体なので)
あかりちゃんに
「すごいね」
と一言言いました。
そうしたら、あかりちゃんはいつにも増して自慢気な顔ををしました。
そして一番衝撃的な液状生命体の委員長です。
私が委員長を見つけたとき、精神統一をしているのか、目を瞑ったまま正座をしていました。
私が声をかけても一切応じないほどの集中力。
そういえば委員長の周りには銃らしき物体が見当たらない。
そう思っていると、やおら立ち上がり、両手を自分の前に伸ばしたのだ。
じっと見ていると両手の手のひらからゆっくりと日本刀らしきものが飛び出てきた。
完全に2本の日本刀らしきものが出きったときにそれをぎゅっと一本ずつ両手で握りしめた。
いったい何が起こるのだろうと思っていたら2本の日本刀で2つの銃弾を拾い上げ空中に投げたかと思いきやそれを日本刀を使って銃弾を壁の標的にたたきつけたのです。
私は、見たことも無いスタイルに唖然とした。
見事なもので、そのスタイルでも銃声らしき音が聞こえることに感動も覚えました。
そうこうしていると委員長が私がいるのに気づいたみたいで
「違うの。私は種の特性上拳銃は持てないの。拳銃の衝撃に体が耐えられないというか。自分の体だったらいくらでも衝撃を吸収できるの。これは私が編み出した射撃の仕方なの。」
私は何も言ってないんだが、この人間離れした射撃の仕方はどうやら人として生活したい彼女にとってはコンプレックスらしい。
今回、私はいろんな種族の射撃の仕方を見ることが出来た。私にとって良い経験だったと思う。




