第七百一話
乳母問題もセレネーちゃんで解決。
セレネーちゃんが信用できる人を送ってくれる。
乳母ってさ……春日局みたいなのが出ると一気にカオスになるんだよね。
いや春日局は超シゴデキなんだけど。
俺や嫁ちゃんが若くして死んで、そのあとに縁故でとんでもねえ派閥作るとかされると国家滅亡RTAが始まる。
野心のある乳母だと俺に嫁ちゃんに他の子どもたち暗殺して、幼帝の代わりに政治を好き放題……。怖ッ!
なので中立派で、その中でもどの派閥寄りでもなく、できれば宮廷政治の野心がない人……難しいわボケ!
ということでセレネーちゃんに丸投げなのである。
野心が完全にないってのは無理なので、お互いを監視できるようにしとかないといけない。
ぴえん!
完全にパスルゲーム!
本当なら子どもにはアホの子としてのびのび育って欲しい……。
具体的には凧揚げで前を見ないで全力疾走、フェンスに激突するくらいのアホの子に。
でもそれは許されないんだろうな。
なるべく話し合おうっと。
そんなわけで今度は結婚式。
どうすんべと。
「今やると妊娠したからあわててやった感が出る。そこでクロノスのこの惑星じゃ」
あー、なにもない土地。
元は農業惑星だったんだけど、へんぴな場所すぎて高齢化で人口ゼロになったらしい。
「この惑星を丸ごと式場にする」
「は?」
「開発に時間をかければいいのじゃ! なあに銀河帝国とクロノスの予算を少し出せばできるじゃろう。いまからジタバタして腹が目立つようになってからやるより、開発に時間がかかったていで子連れでやった方がいいのじゃ」
あ、はい。
嫁ちゃんの言うことならやっちゃう。
どちらにせよ惑星開発はしないといけないし。
反乱起こしそうなパーシオンくんはなるべく分散させて力を削がないと。
教育や娯楽で徐々にクロノス人化してしまえばいい。
パーシオン教もだ。
いい感じに各地で寺院が放火されてるので保護という建前で移転させる。
世俗化の用意ができた寺院は優遇。他は知らん。
農奴制やめろ、領地を主張するな、武装するな、勝手に徴税するな、初夜権やめろ。
その程度の法律守れない子は知らない。
社会にいらない子だ。
逮捕&弾圧である。
あと俺の結婚式には関わらせない。
俺公認じゃない野良宗教である。
教主が俺に喧嘩売ってきたんだからしかたないよ。
法人として残してやっただけありがたいと思え。
これからパーシオン教はしばらくクロノス王との関係改善にリソースを取られるだろう。
殺しまくるんじゃなくて無視するだけ。
反対派が集結すれば叩き潰すし、俺と仲良くしたいなら優しくしてやろう。
買収しようとしたら晒してお仕置きね。
とにかく組織が腐りにくいようにしないと。
子どもに継がせなきゃいけないし。
さてそんなわけで、結婚式の準備である。
前に結婚式用に作る予定だった施設は別のものに転用。
いや野球にサッカーにバスケにプロレスに外国リーグもできたので大量に必要なのよ。
ということで惑星開発である。
そんな中、俺はパーシオンいじめを繰り返す。
言うこと聞かない子は弾圧。
俺の悪口いう子はスルー、だけど汚職はぶち殺す。
多少ならいいんだよ!
多少ならよ!
お前らのはやりすぎなんだよ!
汚職をするにも法治主義的なマインドって必要なのね……。
するとなぜか大衆は俺の味方になってくれた。
ギャングみたいになってた地方軍を片っ端から逮捕して、墓の整備して、嫌がらせて座敷童ちゃんの社と、選定した枝から増やしたミニ神籬ちゃんを植える。
タチアナを訪問させてクロノス教式の儀式をする。
いいの、いいの。
パーシオン教は宗派違うだけで、クロノス教と大分類で同じものだし。
住民が嫌がったら「別に拒否してもいいけど、墓地建設はクロノス教徒や仏教徒が優先だよ」と宣言した。
だいたいさー、埋葬問題は深刻なわけでさ。
死人は次々出るわけ。
勝手にその辺埋めるわけにもいかないし、パーシオン教には葬儀のノウハウも失われてる。
年寄りには目前に迫った問題である。
パーシオン教でゴミ処理場で焼却処分されて産業廃棄物として処分されたくないよねって話。
住民は年寄りの意見に逆らえなかった。
別に俺たちは「墓の管理する寺院や神殿作らせろ」って言っただけで、パーシオン教から棄教しろとは言ってない。
墓地はパーシオン教も受け入れる。
ただ葬儀はクロノス教でやるしかない。
だってパーシオン教には葬儀はロストテクノロジーだもの。
はっはっは、宗教にいいかげんな日系民族でよかったな!
じゃあクロノス教の神殿を維持する金はどこから出るの?
そう思うかもしれないけど公衆衛生の予算から墓の管理費として出す。
火葬場と斎場も整備。
ゴミと一緒に燃やされてたのに「火葬は嫌じゃ!」とか言わねえよな?
殴る用意だけはしておく。
この動きにレプシトールは敏感に反応。
いや君ら限りなく無宗教というか無神論でしょ……。
経済優先、人でなしの国だったせいか、クロノス教にゲーミング仏教に座敷童ちゃん神社の誘致合戦が起こる。
お前らも……お墓欲しかったのか……。
はいはい! 火葬場と墓の整備ね!
ただレプシトールは大きなお墓より、ビル建ててボタンを押すと墓が出てくるタイプの葬祭場が好みのようだ。
こちらですら議論があるものをわざわざ……ま、いいか。
権力者であるシルバー世代の心をがっちりつかんだせいか、評判がよくなっていった。
さらにパーシオン教であるが初夜権の行使問題が爆発した。
要するに「花嫁おもちゃにされたくなければ金払え」っていうクソオブクソな制度であるが、それを若者世代は死ぬほど嫌っていた。
俺も嫌い。
はい、クロノス教への入信が相次ぎまくり。
ゴソッと信者が減ったあたりで泣きついてきたがもう遅い。
いや婚約破棄ものじゃなくて、本当にもう遅い。
もう俺が何一つ介入できなくなっちゃてたわけ。
俺だって感情はある。
「パーシオン教に戻ってね。お願い」
なんて言うわけがない。
座敷童ちゃん神社の信者数が数億に達したころ、銀河帝国の神社の機関があわてだした。
座敷童ちゃんに位置づけである。
いままでよくわからないので議論がまとまらなかったらしい。
俺もわからない。誰もわからない。
末松さんすら存在するから崇めてるだけだ。
すると初代皇帝のころの文書が歴史ある神社の屋根から発見された。
虫食い一つない、保存状態最高のもの。
具体的に言うと一週間くらい前に作ったかのような巻物が発見された。
ゾーク戦争の直後に修復工事したのに見つからなかったのかよ。
いや最近作ったでしょなどのツッコミは無粋なのだろう。
初代皇帝が崇めた帝国の最上位の神で、前皇帝がわざと隠したという設定が付与された。
悪いことは麻呂のせいにしておけば四方丸く収まる。
うーん、なにもかもうまくいってるな。
怖いくらいにうまくいってるよね。
いままでこんなに順調だったことなんてないのに。
地獄みたいな出来事が起こるのがパターンなのに。
はっはっは!




