なんてムフフ♡な魔力吸引
ちょっとエッチな描写があります。
苦手な方は飛ばして下さい。
――ウソでしょっ!?
出かかった言葉を途中で飲み込み、ファルナルークは衣装、と呼ぶにはあまりにもペラペラな布切れをメレディスから受け取った。
「これ……水着になるより恥ずかしいんじゃ……シュレスっ、ニヤニヤしないのっ」
「手伝おっかー?」と、ファイス。
「殴られたいのっ? とりあえず着替えるけど……ファイスは外に出てて!」
「えー!? なんで? オレだって見たいのに!」
「見たいのは儀式じゃなくて私の恥ずかしいカッコでしょ!? 儀式に必要無いですよね、メレディスさんっ!」
「ファイス……キミもマジクスなんだろ? だったら、いた方がいいかな。魔力の安定に繋がるからね」
「ほら!」したり顔ファイス。
「……っ! だからって見る必要はないでしょ! 目隠ししてなさいっ! シュレス、お願い。このヘンタイ見張ってて!」
ファルナルークはそう言って、案内されて奥の部屋へと着替えに行った。
「ファルにお願いされちゃあ仕方ないなあ、諦めよう、ファイス君。名前からヘンタイに降格だよ。残念!」
「じゃあさっ、シュレス。実況してよ」
「実況ねえ……面白そうだね、それ♪」
ニヤリ、と笑むシュレス。
ファイスが目隠しをして、待つ事数分。ファルナルークが魔装具に着替えてきた。
その出で立ちは……
「うっわ、ファル、えろっ! 水着より段ちでエロい! やっば!」
「マジかっ!? どんなどんなっ?」
「ファルのたっぷたぷオパーイと引き締まったウエストに食い込む細い白リボン! リボンは、二の腕と太ももにも巻き付いてて、めっちゃエロい!
なんだこれ! 大事なトコロはギリギリ見えないくらいのちっさい蝶々リボン!! ギリギリリボン!! 際どいっ! お尻半分出てるしっ!! もう、ほぼ全裸だよこれっ! いや全裸の方が恥ずかしくないかもっ! ムチムチプリンちゃんっぷりが5割増し当社比! ってカンジだねっ!」
「ほぼ全裸っ……半ケツ5割増し……だと!?」
ファイスの指が、何かを揉むようにうねうねと動く。
「シュレスっ! やめて言わないでっ!! ファイスっ! その手付きやめてよっ!」
――恥ずかし過ぎるっ!!!
「落ち着け、キミ達。……ハーフエルフのコにも同じ事言ったような……まあいい。始めようか。さ、その台の上に横になって」
ワイワイと騒ぐガヤ二人に対して、淡々と進行するメレディスの口調が、ファルナルークにとっては唯一の救いとなっていた。
ふうっと息を吐いて、しぶしぶと台に乗り仰向けになる。
「ちょっと熱くなるかもしれないけど、すぐ終わるからね」
そう言うとメレディスは、赤い粉をファルナルークの身体にパラパラとふりかけた。
呪文詠唱も複雑な手印も無い。
ただそれだけの単純な行程だった。
「息を大きく吸ってー、吐いてー」
メレディスの言う通りに深呼吸するファルナルーク。
すると。
「あっ♡ やんっ……あ……っ♡」
ファルナルークの全身がほんのりピンク色に染まり出し、甘い吐息が漏れる。
「えっろ! ファル、えろっ! ごちそうさまですっ! ローソクの灯りだけってのがまたエロい!! やっば、鼻血出そう!!
うわ、なにこれやらしい! エロっ!!」
突然悶え出したファルナルークの姿に、シュレス大興奮。
「目隠しされてると逆にコーフンするな、これっ! めちゃめちゃ想像力掻き立てられるわー!」
両手は自由だが、ファイスは目隠しを取るのを我慢していた。取ってしまえば一時の目の保養にはなるかも知れないが、後が地獄と判っているからだ。
「あっ……♡……や……っ、ああっ……見ない……で……っ」
ふりかけられた赤い粉は、ファルナルークの汗で溶けて白リボンに吸収され、白だったリボンは魔力を吸収し、血の赤に変色していく。
ファルナルークが身悶えする度にリボンが白い肌に食い込み、意に反して吐息が漏れる。
ほのかに漂ってくるのは、ふりかけた粉とファルナルークの汗が混ざった甘い香り。
「見るなと言われて見ないバカはいないっ! ファル、やっば! マジ鼻血出そう!! ローソクの火で光る汗がエロすぎー!!」
「いや……っ……♡……あっ♡んんっ……!」
「見たいっ! めっちゃ見たいっ! でも声だけってのもいいっ!! いいニオイするっ!! なんだこの新しいプレイ!!」
「もう少しかな……」
興奮するガヤ二人に対して、メレディスはあくまでも冷静に魔力吸引の状況を見守っていた。
「あ……っ……はあ♡……っんん……ああっん!!」
ぐうっと身体をのけ反らせ、ピクピクっ! と痙攣すると、ファルナルークの魔力吸引は終了した。
「終わったよ。ほれ、起きて」
ファルナルークの頬を優しくペチペチと叩くメレディス。
「いやー! いいもん見せてもらったわー! ファル、お疲れ!」
「これっ、斬新なプレイだよなっ。自制心との戦い、的な! シュレスの実況もナイス! あと、なんかいいニオイなー!」
深呼吸して呼吸の乱れを整え、平常心を取り戻そうとするファルナルーク。
ワイワイガヤガヤとはしゃぐファイスとシュレスをじとり、と見る。
上気して火照った身体がほんのり赤みを帯びて、呼吸する度に豊かな胸が上下し半端ではない色気を醸し出していた。
「いやー、残念だったね、ファイス君! こーんなエロくて色っぽいファル、なっかなか見れないよー! シルスちゃんにも見せてあげたいっ!」
「絶対……だめっ!」
――こんな姿、見せられるワケないっ!
「じゃあ、次。キミな」
メレディスがシュレスを指差す。
「へっ? アタシ?」
「吸い取った魔力をキミに移行するんだよ。吸引したら補充する。そのために来たんだろ?その布切れ、そのまま使うから着替えてね。あ、三つ編みはほどいてね。その方がチャージしやすいから」
「今、布切れって言ったよね!? ってゆーか、ファルのいろんな汁でびっちょびちょなんですけどー♡ 名付けてファル汁!」
「汁って言わないで! なんでちょっと嬉しそうなの!? 他人の下着洗わないで着回しするようなものだよ!? イヤじゃないの!?」
「ん? ファルのだったらいいよ?」
「ええー!?」
「早くしないと、魔力が逃げちゃうぞー」
メレディスがちょっとだけ意地悪く言う。
「えっ!? じゃあ、着替える! ほら! ファル脱いで脱いでっ!!」
「あっ!? ちょ! やだ、ひっぱらないでっ!! ちゃんと脱ぐからっ! 食い込むからっ!」
「騒がしいなー。目隠し取っていい?」
「「だめっ!」」
シュレスとファルナルーク、二人の声が見事にハモった。
ファルナルークが元の旅服に着替えシュレスが来るのを待つ間、ファイスは当然、目隠しのまま放置である。ファイスが何度か話しかけるがファルナルークはその度に、うるさい静かにしてて、と不機嫌に言う。
しばらくしてシュレスが着替えを終えて部屋に入ってきた。
三つ編みをほどき、長い朱毛を背に流す。
ろうそくの揺らぐ灯りが、ややウェーブのかかった朱毛を美しく照らし出していた。
「これはハズイっ……めっちゃ恥ずかしいヤツこれ!」
「私の恥ずかしいカッコ面白がってたでしょっ。ガマンガマン!」
励ますような口振りだが、ファルナルークにしては珍しく意地悪そうな顔である。
「なになに、シュレスってどんなカンジ? ファル、実況してよ!」
「するワケないでしょ、バカ! ヘンタイっ! 静かにしててっ!」
「へーい」
黙って台の上に仰向けに寝るシュレス。先ほどまでの騒ぎっぷりがウソのようだ。
「じゃあ、チャージするよ。ちょっと身体が熱くなるだけだからね」
メレディスはそう言うと、今度は白い粉をパラパラとシュレスの全身にふりかけた。
「息を大きく吸ってー、吐いてー」
メレディスの言う通りに深呼吸する。
すると……
シュレスの白い肌が少しずつ、ほんのり赤みを帯びていき……
「あっ……♡あんっ♡……あっ♡ファルのが……ファルの熱いのがっ……はっ♡♡入ってくるうううっ♡♡リボンが……っ……締め付けられてっ……身体に食い込むのぉ♡♡♡」
「シュレスっ! ヘンな声出さないでっ! 自分で実況しないでっ! ファイスは聞いちゃダメっ!!」
「だって……あっ♡……ファルの……スゴいんだもんっ♡♡……あんっ♡♡はあん♡♡」
「えっなに!? どうなってんの!?」
スパーン!
「聞いちゃダメっ!」
と、後ろから頭を挟み込むようにして両手でファイスの耳を塞ぐファルナルーク。
「いて! いってー! 鼓膜っ! 鼓膜がヤバいって!!……あれ!? 背中になんか柔らかな感触がっ!」
エッチな声を聞かせまいと無意識に密着するファルナルークのたわわな胸の柔らかさを背中に感じつつも、シュレスの甘美な声が小さいが聞こえてくる状況。
「なっ、生殺しってこのコトかっ……! 両手フリーなのにっ! 両手フリーなのにぃっ! うわ! 目隠し外したいっ!! なにこのプレイ!! なにこれヤバい!!」
「目隠し外したらコロスからねっ!」
「あっ……♡……ファルぅぅ、ああっんんっ♡♡スゴい……っ♡♡♡ファルぅんっ♡♡あんっ」
「わー! わー! シュレスっ! 名前呼びながらくねくね悶えないでっっ!! そんな切ない顔しちゃだめぇっ!!」
「ファルっ! そんなにくっついたらっ……オパっ! オパイがヤバいっ! なんだこれ、ヤバすぎ!! いいニオイっ!! いっ、いてててっ! ファルっ! チカラ入れすぎっ!」
「……にぎやかましいねー、キミ達」
メレディスはただ呆れるばかりだ。
「ああっん……ファルぅ……♡ファルぅっ♡♡スゴい……っ♡奥までぇ……っっ♡♡あはあっ……あああっあんっ♡♡♡ファルぅぅっ……♡♡♡」
「わー! シュレスったらー!」
大きく身体を反らせて魔力を補充するシュレス。赤のリボンが徐々に白く変色していく。
「あ……っ♡♡♡はぁ……ん!!!」
びくん、びくん! と二、三回痙攣して、シュレスへの魔力補充が完了した。
「終わったかな? ほれっ、とっとと起きなさい」
メレディスがペンペンっとシュレスの頬を叩き、起きるように促す。
『なんかアタシの扱いヒドくない!?』
と、いつものシュレスなら反抗しそうだが、今そんな元気は無いようだ。
恍惚とした表情でぐったりと横たわるシュレスの瞳が潤んでいる。ほうっ、と漏らした吐息がやけに艶っぽい。
三つ編みをほどいた長い髪が汗ばんだ身体に纏わり付き、更なる色香が漂う。
「……い……色っぽい……」
思わずファルナルークが言いこぼすどに。
「……え? なあに?」
とろんとした瞳でファルナルークに問うシュレス。その頬は、ほんのりピンク色である。
「いやっなんでもないっ! なんでもないから! さあっ! 起きて起きて! 身体拭いてあげるから、着替えよう!」
「ヤバかった……っ! 暴発するとこだった……! よく耐えた、オレ! よく耐えた!!」
ファイスは目隠しを外したいという欲求と甘美な匂い、そして背中に感じたファルナルークの胸の柔らかさの誘惑になんとか打ち勝った。
「自分で自分を誉める時、それはきっと、今!!」
「ナニ言ってるんだキミは。チャージした魔力は一時しのぎだからね。スキル発導は1、2回くらいしか使えないと思うよ……キミ達、聞いてる?」
◇
狭いが小綺麗なメレディスの化粧室でシュレスの着替えを手伝うファルナルーク。背中の汗を拭き、乱れた髪を梳かして三つ編みに結い上げる。
「はー、面白かったー。ファル、子供の頃よくこうやってアタシの髪、梳かしてくれたよねー」
「私は恥ずかしかったよ……あのね、シュレス……前から思ってたんだけど……シュレスって私のコト……好きでしょ?」
「ナニ言ってんの当ったり前じゃん!? 大好きだよ! ファルはっ? アタシのコト好きじゃないのっ?」
「もちろん、好きだよっ! とっ……友達として、ねっ!」
「わかってるよう。ん?? どしたの、顔真っ赤だよ?」
「なっ、なんでもないっ! 早くシルスちゃん、助けに行かないと!ね!!」
「おうともさっ!」
着替えを終えて施術の支払いをしようとするとメレディスは、代金は要らない、と言う。
「面白いもの見せてもらったからね。いい実験台になってくれたし」
との事だった。
実験台、という言葉がイマイチ腑に落ちないファルナルークだったが、今は時間が惜しい。
「シルスを見送ったらまた来るよ!」
そう言うファイスに、来なくていいよ、と言いかけたが、メレディスは、「ああ」とだけ言って手を振る。
手短にメレディスに挨拶し、どたばたしながら三人は占い小屋を後にした。
この後、シルス救出なるか!
次話『シルス救出大作戦!』
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