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このベルーナの街はセルジア大陸最南端の街だと前に言ったが、それなりに人は多い。
ベルーナを起点に活動する冒険者も多いし、隠居する為にベルーナに居を移す人も多い。
それは、ギルドマスターの名声があるからだ。
人に聞くと、二言目にはすごい、と返ってくる。
まぁ確かにすごい人だと思う。
俺のおかげでさらにすごい人になったんじゃないかな←
おばちゃんからオークの串焼きを10本程買い、食べ歩きをする。
アイテムボックスにちゃんと入れました。
入れた瞬間時間が止まるから便利だよね。
うまうま。
「きゃー!ひったくりよ!」
お?お?ひったくりだと?
顔を前に向けると、若い男がこちらに走ってくる。手にはバッグを持ちながら。
俺は一歩左に逸れて、男が横を走り抜けようとした瞬間に右腕を伸ばす。
はい、ラリアット〜
「ぐはっ」
男は背中から地面に倒れた。その際バッグは俺がひったくった。←
「あの、ありがとうございます!」
「気を付けてくださいね」
笑顔で返すと、女性の顔が赤くなる。
風邪かな?←
さて、こいつどうしようかね。ギルド?それともなんか警備隊とかあんのかな?
「お、ヴァイスじゃねえか」
「おやこの声は……確か、ライトさん?」
振り返ると、街に入る前に出会った冒険者、ライトが立っていた。
「ひったくり捕まえたんですけど、どうすればいいですかね?」
蹲る男を見下ろしながら言うと、ライトは苦笑しながら、案内してやるよ、と言った。
「他の二人はどうしたんですか?」
「家に帰ったな。今日はもう活動終わりだからな」
ライトは、この街について色々教えてくれた。
あそこの店の店主はおだてると調子に乗ってまけてくれるとか、そこの路地は破落戸が多いだとか、あそこの貴族はうるさいんだとか、色々教えてくれた。
貴族とかやはりいるのか。
「ここが警備隊の詰め所だ………おーいミッシェルさーん!」
門に近い場所の大きな建物へ近付くと、ライトが誰かの名を呼んだ。
「あん?ライトじゃねーの」
ガラ悪………い!ガラ悪そう!
金髪をオールバックにした人相の悪い男性が出てきた。煙草をくわえながら。
「この人はミッシェルさん。この詰め所の警備隊長だ」
「あん?誰だお前」
「………新しく冒険者になったヴァイスと申します」
軽く会釈すると、相手も会釈する。
お?
「俺はミッシェル。よろしくな」
手を差し出すミッシェルを見て、恐る恐る握り返した。
「よろしくお願いします」
「…………お前が例の冒険者だったんだな。まぁなんかあったら頼ってくれや」
背中をバシバシ叩きながら、笑顔でそう言うミッシェルさん。痛い、痛いです。
「じゃあこいつ預かってくぜーヴァイスはちょっと書類書いてけ」
詰め所に入って書類を書く。
ひったくりの経緯を書いた。
「捕まえてくれてサンキューな!」
俺は詰め所を出た。
意外といい人だった。
見た目で判断したらダメだな。←
ウィンドウショッピングを楽しんで、ギルマスの屋敷へと戻っていった。
そして夕食まで、本を読むことにした。




