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「そういえば考えてたんですけどね」
俺は淹れてもらった紅茶を嗜みながら、唐突に話を切り出した。
「別にギルドマスターなら構いませんよ、加護あげても」
そう言うと、ギルドマスターが珍しく変な顔をした。
「………今、何て言いました?」
「別にギルドマスターなら構いませんよ、加護をあげても」
「………本気かい?」
「ギルドマスターくらい強い人なら使い方間違えないと思いますし、世話になるお礼として捉えてもらっても構いませんよ」
半ば唖然としているギルドマスターに淡々と告げると、ヴィクトリカさんがクスクス笑っている。
「旦那様の夢が、やっと叶いますのね」
「いや、でも……」
「貰えるものは貰っておきませんと後悔されますよ?」
その通り。でもこう見えてギルドマスターさんは真面目さんだからねぇ………
ここはちょっと竜帝さんとして本気を出そうかね。
俺は気配を鋭くし、ギルドマスターを睨みつける。
「俺が構わないと言っているのに拒むのか?お前は俺の加護がいらないのか」
突然雰囲気を変えた俺に、二人が息を呑んだ。いや、気配を消しているけど、確かジルと呼ばれた執事も、扉の近くに控えていたが、彼の身体も硬直した。
そういえば話聞かれてるけど、まぁいいか。
「………アレイスター=マクレイン、お前に俺の加護を授ける。民の為に、有効活用するがいい」
「………ッこの身に余る光栄でございます」
ギルドマスターが、急いで立って駆け寄って、俺の近くに片膝ついて左胸に手を当てて、頭を垂れる。
「………ふぅ、ギルドマスターも素直じゃないんですから。こうでもしないと受け取って下さらないでしょう」
俺がそう告げると、ギルドマスターはぽかんとした顔をする。
「そうね、旦那様、少し頑固な所があるもの。竜帝様の対応は正解ですわ」
「………あの、竜帝様はやめて頂けませんか」
「あら、そうですわよね、正体が余り知られる訳には参りませんよね。ヴァイス様、私のことも是非、ヴィーとお呼びください」
「…………では、ヴィー様と」
「様付なんてなさらないで下さいまし」
「いえあの勘弁してください」
俺は逃げるように立ち上がって、片膝ついてギルドマスターに向き合う。
フェル様がやったみたいに、人差し指を額に当てて、加護を授けるって思えばいいかな?
「では失礼して」
ギルドマスターの額に人差し指を当てると、ギルドマスターが慌てて目を瞑る。
(加護を授ける)
口に出さずにそう唱えると、人差し指に光が灯る。
それは、ギルドマスターの全身を包んで、消えた。
加護授けたからステータス覗けるかなー
アイちゃんやーい
名前 アレイスター=マクレイン
種族 人間
加護 竜帝の加護
Lv.103
HP 14500
MP 8400
攻撃 10800
防御 9600
魔攻 9900
魔防 11000
スキル 全属性魔法Lv.9 心眼Lv.10 魔剣士Lv.8 気配察知 魔力感知 結界術Lv.10 竜帝の祝福
ひょっ!!?!?!!?!?!
あばばばばばばばばばばばばばばばば
この人こわい。こわい。
この人本当に人間???おかしくない???
レベル高くない?この人若い頃に何してたの??色々ってなに???
これ、加護あげたらやばいんじゃないの?
加護あげなくても強いんじゃないの?
竜帝の加護
全属性与ダメージ特大アップ、全属性被ダメージ50%ダウン
竜帝の祝福
ランダムで竜帝の技を使用可能、1日3回限定
「はあああああああああああ!?!」
俺は叫んだ。竜帝の祝福は、妖精女王の祝福と同じように技を使用可能にするものだから、まだいいとして。
全属性与ダメージ特大アップってなんやねん。
全属性被ダメージ50%ダウンてなんやねん。
そら、魔王倒せるよ。チートだよこれ。
突然叫んだ俺に目を丸くする、いつの間にかソファに戻っていたギルドマスターに加護の能力を告げると、ギルドマスターは口を開けて呆然とし、ヴィー様も目を見開いて口元に手を当てている。
「……………加護を与える人間はきちんと見極めよ………」
フェル様、竜帝のチートはどこまでゆくのですか。




