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異界へ扉と知識の精霊王

こんにちは!つめです!


第5話「異界への扉と知識の精霊王」を読んでいただきありがとうございます!


前回、俊たちはアビススカルと初めて直接対話し、「ようやく見つけた」という不気味な言葉を聞きました。さらに、アビススカルに生きていることが知られてしまいます。


今回は新キャラクター「優香」が登場します!優香は神界にいる知識の精霊王で、俊たちと深い関わりを持つ存在です。


そして物語はついに異世界へ!


ぜひ最後まで楽しんでください!

黒き呼び声


 アビススカルの笑い声が消えた後も、森には重苦しい空気が残っていた。


 俊たちは裂け目から離れ、山道を下っていた。しかし誰も口を開こうとしない。


 やがて炎真が静かに言った。


「見つかったって言ってたよな……」


「うん」


 俊は頷く。


(間違いない。あれはアビススカルだった)


『ようやく見つけた』


 その言葉が頭から離れない。


(僕たちが生きてることは知られたんだ)


「僕たちが生きてることはもう知られてる」


 その言葉に全員が黙り込んだ。


 アビススカルは世界を崩壊させている張本人。


 そんな存在に見つかった。


 それは決して良い知らせではない。


 凰輝が空を見上げる。


「動き始めるかも」


「そうだね……」


 炎真が拳を握る。


 世界を覆う赤黒い空は昨日よりも濃く見えた。


 時空崩壊は確実に進んでいる。


(絶対に止めたい)


(みんなで)


 翌日。


 放課後の公園に俊たちは集まっていた。


 ベンチの前でノヴァが浮かび上がる。


「本日は新しい情報があります」


 青いホログラムが広がった。


 そこに映し出されたのは巨大な光の世界だった。


「神界です」


「神様のいる場所?」


「はい。ただし現在神様はアビススカルに囚われています」


 空気が少し重くなる。


 しかしノヴァは続けた。


「ですが完全に力を失ったわけではありません」


 映像の中心に小さな光が灯る。


「神界には今も神様の力が残っています」


 俊は少し安心した。


(まだ希望はあるんだ)


「さらに神様には皆さん以外にも多くの部下が存在します」


 映像に様々なシルエットが現れる。


「戦闘担当、研究担当、世界管理担当などです」


「そいつらはどこにいるんだ?」


 岩斗が聞く。


「現在ほとんどが連絡不能です」


「おいおい……」


 炎真が頭を抱える。


「ですが」


 その瞬間。


 一つの反応だけが強く光った。


「一人だけ確認できました」


 映像が切り替わる。


 そこに映った瞬間、俊は勢いよく立ち上がった。


「優香!?」


 白銀の髪。


 青い瞳。


 優しい笑顔。


 そして周囲には無数の文字と魔法陣が浮かんでいる。


 映像の少女も目を丸くした。


「えっ……?」


 数秒後。


「俊!?」


「優香!」


 次の瞬間。


「よかったぁぁぁぁ……」


 優香は泣きそうな顔になった。


「本当に生きてた……」


「うん!」


 俊は笑顔で頷いた。


「優香も元気そうだね!」


「元気じゃないよ!」


「え?」


「ずっと心配してたんだから!」


「ごめん」


「本当に?」


「本当に」


「なら許す」


 優香はすぐに笑顔になった。


(相変わらずだなぁ)


 俊は少し懐かしい気持ちになる。


 その時。


 ノヴァが電子音を鳴らした。


「こほん」


「ん?」


「私が説明中です」


「あ、ごめん」


「主役を奪われました」


「そんなことある?」


 岩斗が突っ込む。


「私は説明担当です」


「うん」


「優香様も説明担当です」


「うん」


「被りました」


「知らないよ!」


 岩斗のツッコミが響く。


 ノヴァは下を向いた。


「私の存在意義が消えました」


「大げさだろ!」


「今後は空を飛ぶだけのロボットとして生きます」


「勝手に引退するな!」


 炎真まで笑い始めた。


 優香も吹き出す。


「大丈夫だよノヴァ」


「本当ですか?」


「うん。私より詳しいこといっぱい知ってるし」


「本当ですか!?」


 一瞬で元気になるノヴァ。


「立ち直り早っ!」


 岩斗がまた突っ込んだ。


 少しだけ重かった空気が和らいだ。


ノヴァは説明を続けた。


「優香。知識の精霊王。神界最高研究者です」


 優香は少し照れくさそうに笑う。


「そんな大したものじゃないよ」


「いや絶対大したものだろ」


 岩斗が即座に突っ込んだ。


「ちなみに年齢は約一億二千万歳です」


「相変わらずだね」


 俊が笑う。


「俊たちの方がずっと年上だけどね」


「たしかに」


「何の話?」


 炎真が首を傾げる。


「長くなるから今度ね」


 優香は笑って誤魔化した。


 その時だった。


 ノヴァの目が突然赤く点滅する。


「緊急反応を検知!」


 全員が立ち上がった。


「今度は何!?」


「巨大な時空の裂け目です」


 映像に表示された反応は今までの数倍以上だった。


「閉じる気配がありません」


 俊たちは顔を見合わせる。


(嫌な予感がする)


「場所は?」


「北西の山岳地帯です」


「行ってみよう」


 俊が言うと全員が頷いた。


 一時間後。


 山奥へ到着した俊たちは言葉を失った。


 空間そのものが巨大に裂けている。


 まるで世界に開いた門だった。


「でか……」


 炎真が呟く。


「今までの裂け目の何倍くらい?」


 凰輝が聞く。


「約二十七倍です」


「即答!?」


 岩斗が驚く。


「ちなみに高さは約百三十七メートル」


「聞いてない!」


「幅は約」


「もういい!」


 ノヴァの説明を遮りながら岩斗が叫ぶ。


 俊は少し笑った。


 緊張していた空気が少しだけ軽くなる。


 裂け目の向こうには見知らぬ世界が広がっていた。


(行くしかないよね)


「みんな」


「おう」


「うん」


「了解です」


 五人は裂け目へ飛び込んだ。


 眩しい光が視界を埋め尽くす。


 そして次の瞬間。


 俊たちは異世界へ降り立っていた。


「わぁ……」


 思わず声が漏れる。


 空には巨大な浮遊島。


 青白い滝が空から流れ落ちている。


 見たことのない植物。


 輝く結晶。


 地平線まで続く幻想的な景色。


「すごい……」


 俊は目を輝かせた。


「ゲームみたいだな」


 炎真も周囲を見回す。


「写真撮ろ」


 岩斗がスマホを取り出した。


 パシャ。


 真っ黒。


「ん?」


 もう一枚。


 真っ黒。


「壊れた!?」


「異界の特殊エネルギーが原因です」


 ノヴァが答える。


「最初から言え!」


「聞かれていません」


「絶対言うと思った!」


 岩斗が頭を抱えた。


 その様子を見て俊たちは笑う。


 しばらく歩いていると巨大な神殿が見えてきた。


「神殿?」


「たぶん」


 古代の遺跡のようだった。


 五人は慎重に中へ入る。


 神殿の中央には不思議な装置が置かれていた。


「これ何だろう」


 俊が近付いた瞬間。


 ピィィィィィン!!


 眩い光が神殿中に広がった。


「うわっ!」


 炎真たちは思わず目を閉じる。


 やがて光が収まる。


 すると装置の上に映像が映し出された。


 そこにいた人物を見た瞬間。


 俊は目を見開いた。


「優香!?」


「俊!?」


 優香も驚いていた。


 数秒後。


 優香の目に涙が浮かぶ。


「本当に生きてたんだ……」


「うん」


 俊は優しく笑った。


「心配かけちゃったね」


「うん……すごく心配した」


 優香は涙を拭いた。


「よかった……本当によかった……」


(心配かけちゃったな)


 俊は少し申し訳なくなった。


 しかし優香はすぐに表情を引き締める。


「俊。大事な話があるの」


 神殿の空気が変わった。


 全員が真剣な顔になる。


「アビススカルは元々神界の住人だった」


 誰も口を挟まない。


「禁忌の研究に手を出して追放された存在。そして闇の力を得て神様に反乱を起こしたの」


 静寂が広がる。


「さらに今のアビススカルは普通には倒せない」


「どういうこと?」


 俊が聞く。


「魂を分離しているの」


 優香は静かに答えた。


「本体を倒しても何度でも復活する」


 全員が息を呑んだ。

第5話を読んでいただきありがとうございました!


今回は優香が初登場しました!知識の精霊王でありながら優しくて少し天然な性格にしてみました。これからも物語の重要な場面で活躍する予定です!


また、今回から「時空核」という新たな目的も登場しました。アビススカルを倒すためには必要不可欠な存在なので、今後の物語で少しずつ秘密が明かされていきます。


そして次回からはいよいよ異界での本格的な冒険が始まります!俊たちは最初の時空核を見つけることができるのか。そして異界にはどんな危険が待ち受けているのか。


次回もぜひ読んでください!


感想や応援も待っています!


それではまた次回!

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