9話
前回より短い。
俺は鷹の目を使っているが一応クリスにも魔力気配察知をもらう。
「クリス、一応魔力気配察知しといて」
「分かった」
少し進むんで行くと動いている影が見えた気がした。
「何か居なかったか?」とクリスに聞いてみたら。
「うん、ホーンラビットが1体居るよ」
ホーンラビットか……
やっぱり暗いからよく見えないな。
そう考えるとクリスが居てよかった。
「俺がホーンラビットと戦うからクリスはサポートに回ってくれ」
「分かった!気をつけてね」
ゆっくりと影に近付いていく。
ある程度近付いくと確かに額に一本の角が生えたウサギが居て草を食べている。
「はっ!」
後ろから切りつける。
「きゅっ!」
可愛い声を上げるホーンラビット、体力ゲージを見ると2割近く減っている。
(意外と減ったな)
Strが低くなっているからあまり減らせないと不安だったけど杞憂に終わったかな?
斬りつけたホーンラビットは少し怯んだがすぐに立て直し俺に突進をしてくる
「うおっ!危ない」
なんとか体を捻ってかわすが体制を崩してしまい、突進してきているホーンラビットの攻撃に反応が遅れてしまった。
(どうすればいい?)
「危ない!お兄ちゃん“水弾”!」
クリスが少し離れた所から魔法を放って助けてくれた。魔法を食らったホーンラビットはポリゴン片となって消えた。
「大丈夫?お兄ちゃん」
「あぁ、ありがとうクリス。助かった」
クリスの頭を撫でると気持ち良さそうに目を閉じて嬉しそうにしている。
「さっきの魔法は何だったんだ?」
「あれはね、“水弾”という“ウォーターボール”の少し上の魔法なの」
“水弾” 消費MP10
ウォーターボールより小さいが早くて威力の高い魔法。
水属性魔法レベル5で覚えれる。
“ウォーターボール” 消費MP5
水属性魔法の一番最初に覚える魔法。
大きさはハンドボールくらい。
「そうか、次も俺が危険になったらそれを撃ってくれ」
「分かった!」
笑顔で頷いてくれるクリス。
その後も周りに警戒して進んで行く。すると今度はクリスが「ホーンラビット3体居るよ」と教えてくれた。
「2体はさっきの魔法で倒してくれ、残りの1体は今度こそ俺が倒す」
「うん、任せて」
クリスが2体に“水弾”を放つと同時に俺は残り1体に向かって走り寄る。
2体に“水弾”が当たってポリゴン片となって消えていくと、残りの1体が「何事!?」と周りをキョロキョロしている。
「ハッ!」
ホーンラビットを斬りつけようとしたが後少しの所で気付かれてしまい前にジャンプしてかわされた。
俺の攻撃をかわしたホーンラビットは俺に突進をしてきたが俺はそれをかわして、背中を斬りつけた。
「キュウ!」
体力2割削る事が出来て、ホーンラビットが怯んでいる隙に俺は更に追撃で2回斬った。
「これで最後だ!“スラッシュ”」
俺の剣が少し輝いて、剣を振ると斬撃が飛んでホーンラビットに当たった。
“スラッシュ” 消費MP10
剣術Lv1で覚えることが出来る飛ぶ斬撃だ。
ただし範囲は2~3メートルと短め。
「きゅう~」
ホーンラビットはポリゴン片となって消えていってドロップ品を一つだけ落とした。
「ホーンラビットの毛」 ランク2
ホーンラビットから取れた、ふわふわしている毛だ。
服などに使われている。
「やっと、倒した」
「お疲れお兄ちゃん」
離れていたクリスが労いの言葉を言いながら走り寄ってきた。
30分くらい敵に会うこともなく進んでいると、採取が出来る所があった。クリス一緒に採取をする。
“傷ついた薬草” ランク1
効果 HPを10回復する
説明 抜くのに失敗して傷ついて品質が落ちてしまった薬草。 「次は頑張ろうね♪」Byナビちゃん
「・・・」
少し説明文を見ていたが、クリスを呼んで薬草を見せてもらう。
“薬草” ランク1
効果 HP15回復する
説明
「クリスちゃんは主人と違ってちゃんと出来たね♪」 Byナビちゃん
「どうせ俺なんて‥‥‥」
思わず膝から崩れ落ちてしまった。orz…
「し、仕方無いよ。今はDexが低くなってるからんだから」
「そうかな?」
「そうだよ」
クリスに励まして貰い何とか採取を続ける。
結果取れた個数は、
“傷ついた薬草”15個 “雑草”10個 “薬草”20個となった。
……見て分かると思うが、薬草をクリスが、傷ついた薬草、雑草は俺が取った。雑草と表示された時は呆然としてしまった。
“雑草” ランク0
説明 そこら辺にある雑草。
「薬草と雑草の区別もつかないの?」 Byナビちゃん
「じゃあ、行こうか?」
「う、うん。元気出してお兄ちゃん」
イベントリにアイテムがあるのを確認した俺は探索を再開する。
西に進んでいるとウルフを見つけた。
「クリス、今の俺ではウルフはキツい。魔法で倒してくれないか?」
「いいよ」
そう言ってクリスはウルフに魔法を撃つ。幸いウルフは基本的に集団で行動するが、このウルフは一体しか居なかったか。…ハブられたのだろうか?
「“水弾”」
魔法を唱えるとウルフに向かって銃弾の大きさの弾が飛んでいき、体に直撃した。
ウルフは訳も分からずポリゴン片となって消えていった。
「そう言えば、クリス詠唱していなかったよな?」
「うん、水弾くらいだったら無詠唱でもいけるよ。もう少し上位となったら詠唱が必要だけど」
「精霊でも必要なんだな」
「私はまだ幼いからね。お母さんくらいだと全ての魔法は無詠唱でもいけるよ」
「すごいな…セレスさん」
「そりゃあ、精霊王だから当然だよ」
「……マジで?」
「本当だよ。私たち精霊はお母さんから生まれたんだよ」
マジか~。俺、結構タメ口だったけど大丈夫かな?
「お兄ちゃん、お母さんは口の聞き方ぐらいでは怒らないよ」
「本当か?」
「本当だよ」
それなら良かった。というか、
「クリス、俺の心読んだ?」
「お母さんなら出来るけど私は出来ないよ」
「だったらどうして」
「顔に出てたよ?」
俺って顔に出やすかったのか…次からは気をつけよう。
クリスと会話していると、今度は3体のウルフを見つけた。
流石に、3体はキツいだろうな、1体は俺がやるか
「2体は頼んだ」
「大丈夫なの?」
「何とかしてみるさ」
「分かった、気をつけてね。“水弾”」
前と同じようにクリスがウルフに水弾を放ったと同時に残りの1体に向う。
「「きゃんっ」」
水弾が当たるとウルフは鳴いてポリゴン片になって消えた残り1体。
「せいっ」
ウルフに攻撃をしたがかわされて、逆にカウンターをされた。危なっ!
「おっと」
カウンターをかわして、攻撃しようとしたが当たらずに空振った。
「さすがに、速いな」
少し距離を置いて立て直す。
(さて、どうしよう?)
俺の攻撃では遅すぎて当たらず、逆にカウンターを食らって死に戻りする可能性がある。
やはりここは、クリスに倒してもらうのがいいだろう。
「クリス!俺が合図をしたら魔法を撃ってくれ」
「分かった!」
クリスにどのタイミングで撃ってもらおうか?
考えていても仕方ないか。クリスを信じよう。
考えが纏まって攻撃を仕掛けようと思っていたらウルフが噛み付こうとしてきた。
俺は何とか剣で受け止めて、蹴りを入れた。
「わん」
ウルフは少しだけ怯んだ。
俺はそれを見逃さずにクリスに合図を出した。
「今だ!」
「“水弾”!」
クリスが撃った魔法はウルフに当たり、ポリゴン片となってドロップをして消えていった。
“ウルフの皮” ランク2
説明 ウルフから取れる皮。装備品によく使われている
「お疲れクリス、良かったぞ」
「お兄ちゃんも良かったよ」
お互い労いの言葉を掛け合って、先に進む。
30分くらい、敵に遭わずに進んでいると鉱石が取れる所が見えてきた。
「よし、あそこで鉄鉱石を採ろう!」
「採れるといいね!」
鶴嘴を手に持って、採掘を始めた。
次は鉱石を採掘します。
Dexが低いクロは上手く採掘出来るのだろうか?
頑張れ、クロ!君ならなんとかなる。
2回目ということもあり、少し慣れましたが相変わらず上手く戦闘シーンが書けたか不安です。
誤字脱字があったら教えて下さい。