60話 セルスト人の町でプチダンジョンを作る。
サクヤ(王様)は今日もアマツ保護区を散歩していた。
うん、怪しいものは無いか、困っている人はいないかなど。それと、のんびりできるところ探していた。
今日はこの辺で釣りでもしようかな。
ちょっと入り江になって、岩場が点々と沖に向かって続いている。
3番目の岩に立って、釣り糸を垂れると おっ もう引きが来た。
なんと30cmほどの流線形の魚が釣れた。 サバに似ているが、町に帰ったら聞いてみよう。
それから、小一時間、釣りを楽しんでいると、後ろから
「あのー。 お魚を少し譲って頂けないでしょうか? 」と。
振り返ると、猫耳の少女が立っていた。
うーん。身なりは汚れてはいないが質素だ。
「すみません。何か交換できるものがあればいいのですが。手元にはないので、家の方で見繕います。ご一緒いただけないでしょうか?」
「あっ。 私、アリスと言います。 」
なかなか、丁寧な言葉遣いだし、猫耳だし。可愛い。何か事情があるようだし、ここは了解してみよう。
左右に揺れる尻尾を見ながら、後ろをついて行く。
あっ、ここは転移受け入れ時に作った町だ。セルスト人でも海に近いところで生活していたということで、急遽この位置に町を作った覚えがある。あれから3年近くたつかな。
そして、アリスは長屋が続く一角に入って行った。
「アリスー」と呼びながら小さい子供たちが回りを廻っている。
「はい、はい ちょっとお客さんなんだ。みんな、静かにしてね。」
ああ、そうか、ここは孤児院みたいだな。でも何でこうなった。??。
そんな報告は来てないし。
「アリス、魚はどこへ置こうかな?」
アリスの案内で、調理場に置くことができた。
「さて、アリス。 おれはこのアマツ保護区の長をやっているサクヤというのだけど。」
「えーーーっ。」耳をパタパタとしながら、両手のこぶしを胸に当てて。
「じょ 冗談ですよね。」と小首を傾けた。
「うん。いやほんと。 で、ここの経済状態はどうなっているのかな? 誰か支援してもらっているの?」
どうも聞くところによると、町の財政から援護してもらっているが、少し足りないとのこと。
今日も漁師ところに雑魚をもらいに行ったのだが手に入らず、とぼとぼと帰る途中だった。ふと見ると、おいしそうな魚を釣っているのを見て、つい声をかけてしまったとのこと。
猫種だもんね。
「2・3日したら、また来るよ。釣り道具は置いて行くから使って良いよ」とサクヤ。
さて、3日後、俺はフローラを連れてやってきた。
「アリスは居るかな?」と外でたむろしている少年たちに声を掛けた。
「ちょっと買い物。 中で待てるよ。」と猫耳の少女が言って、案内してくれた。
しばらく、フローラと2人で座っていると。
「あ・ すみません。」とアリスが入ってきた。
「私はフローラ・マッキンリーと申します。」と言って、貴族の挨拶をする。しかし、ここはセルスト人の町、貴族の風習などは知らない。でも丁寧に挨拶されたと理解している様子だ。
「この町に、プチダンジョンを作ります。
プチダンジョンへは、妖精が座っている白花から入ることができます。
中は、市場あり、森あり、草原ありで、近くには他の白花から入った人も見えますので、寂しくはありません。
妖精のいる蕾の前で、”遊びに来たよ! マリル”といえば、プチダンジョンに入れます。
ただし、年齢やペナルティの有無を見みます。
年齢に達していない者がいると、そのパーティは受け入れてもらえません。
また、ダンジョン内で悪いことをして妖精に叱られた人は入れません。
問題なければ、妖精さんに招きいれられ、プチダンジョンに入れます。
ダンジョン内では、ゲームや勉強の成果によって食べ物や小物がもらえますので、孤児たちに挑戦させてください。」
フローラはアリスにプチダンジョンの説明をした。
「あのー、無償の贈り物と理解して、頼ってもよろしいのでしょうか?」
「もちろん、この星の魔女から子供たちへの贈り物です。」とフローラ。
この後、ユーリィと妖精たちがやってきてプチダンジョンの構築に入った。




