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交響詩 魔女と魔王  作者: 藤村 次郎
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48話 魂が353人抜けてきた

 「ええ・。そうなんです。 ご覧になられるように、うっすらとしたものがゆらゆらとしているのです。気味悪くて。なんなんでしょう? あれは?」と村長のカゲイが話す。

神崎歴1634年7月25日。サクヤ19歳の初夏。

ここは、スローン王国のヤエギ村の神殿前。


「うーん。あれは幽霊ね。 病院で時々見たことがあるわ。 」とフローラ。

「通常は、迎えが来て、輪廻に押し込まれるので、このように留まることはないのだが。」とコロネ。

とりあえず、いつもの通り、土塁の前にテーブルと椅子を用意した。

そして、いつものようにおれが手招きをする。

「あ・・ わたし、ちょっと花を摘みに!」と言ってフローラが後ろに離れた。

「わたしも!」と、ドラコも一緒に、逃げて行った。


 ゆらゆらと、全員が俺の目の前にやってきた。

俺は、端末のパラレルワールド管理局通信に接続して、この状況の善処を仰いだ。

「アンです。この件は残念なことに事故です。そのまま10日ほど経つと消滅して、そちらの星の魂のストックになります。 ただし、肩入れすると地縛霊みたいなことになりますので注意してください。」

「了解」

ということで、放置することにした。


 「コロネちゃん。彼らがこれ以上移動しない方策を取れないだろうか?」

「うん。いいよ。 その前に、ちょっと彼らに話を聞いてみようと思うの。」

一番前に出てきたものを椅子に座らせた。

「君たちは、自分たちが死んだことを理解しているか?」

「我々は、飛行艇でオズからミズへ飛行していた。 私は船長のキッド・アズリーだ。 前方に銀色の膜が出現したので、回避行動を取ったが間に合わず突入してしまった。 気が付くと実体がない状態で、ここに居た。  誰があんなことをしたんだ!。 と言っても元には戻らんだろう?」

「非常に残念なことね。 あのゲートは亜空間に空いたものなの。 元には帰れないわ。」

「我々は、どうすればよいのだろうか?」

「本来は、死の直前に***が迎えに来るの。 何かの手違いね。少し時間がかかるわ。 あってはならないことなので、パラレルワールド管理局が調査をしているわ。」

「予想外のことは仕方のないことだ。運命として甘受しよう。」

「10日ほどで、***が迎えに来ると思うわ。それまでは、ここに留まってくださいね。」

ということで、コロネちゃんが結界を張った。 


 今回の件は、悲しいことだった。パラレルワールド管理局が調査しても、何もわからなかった。

そして、彼らはこの星の輪廻に全員加わることができた。

パラレルワールド管理局の手違いではないものの、キーとアンがやってきて、ゲートの横に墓標を立てさせてほしいと、俺に要請してきた。そして、墓標を前に皆で冥福を祈った。


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