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交響詩 魔女と魔王  作者: 藤村 次郎
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11話 サクヤの持物が見つかる

 今日は、休校日。朝から、この町にある物見のやぐらに昇っている。

頂上から見渡すと、近くの田畑や森が広がり、その向こうに、隣の村や町が霞んで見える。

南には、同じように田畑が広がり、森や山が続く。もっと向こうには、白金の都がある。

ずーっと東には海があるらしいが、いつか行ってみたいと思う俺である。


 この間のアヤからの手紙で、俺の持ち物らしきものを、森で発見したので届けに来るとのこと。

午後、待ち構えていると、ダンガとアヤがやってきた。1年ぶりの再会だ。ダンガは変わらず、アヤは14歳で女性らしくなってなっていた。

「村に居ても仕事が無くてね。サクヤに教えてもらった読み書きや計算が少しできるということで、冒険者ギルドの受付に雇ってもらえることになったの。ここのギルドマスタとお父さんは友達なの。」とアヤ。


 アヤは黒い四角の鞄を机の上に出した。

「あ・・。これね。サクヤを見つけた時は気が付かなかったし、その後も近くを通ることがなかったけど。ふと懐かしくて寄ってみたら、これを見つけたの。」

あ・・思い出した。これを持って毎日どこかに通っていた。中にはパソコンや書類が入っていると思う。で、どこにも開けるところがないけれど。

「表面は柔らかいが、持ち手になるところ以外、何もない。中も、もちろん見えない。ほら軽いだろ!」とダンガ。

「何が入っているのかな?」とアヤが横から覗いてくる。

持ち手の両脇に円形の金属部がある。ここに親指を当てて???、

「思い出した。ここに親指を当ててと・・・・」

”ぱすっ”と音がして、セキュリティロックが解除され、黒い箱が口を開けた。

「おお・・。やっぱりサクヤの持ち物だったか! それにしてもすごいカラクリだな。」とダンガ。

3人で、中を覗き込んだ。

そこには、長さ30cmほどの黒い棒が一つ、何か液体の入ったカプセルが10個、手袋が1双、ピカピカの棒が2本、ノートが3冊、丸い円盤状の物が数個などなどがあった。

「ダンガにアヤ姉。ありがとう。 使い方などはそのうち思い出すかも? 」と俺。

食事しながら、近況報告などしようではないかと、アヤが提案してきた。

そして、一同は、ボガの家から少し離れた食堂にやってきた。

「サクヤ。大きくなったね。私と同じくらい?」

「サクヤ。困ったことはないか? 」とダンガ。

「角も大きくなったわね。触っていい?。 」

矢継ぎ早に質問攻めにあった。

「まあまあ、食べながらゆっくり話をしようよ。

困ったことはないけど、出自の情報はさっぱりです。」


 アヤは、このまま冒険者ギルドの宿舎に入って、教育の後にカウンターに立つらしい。

もっとも、見習い期間が3か月あって、その間に先輩に接客や依頼の授受、支払いの仕方などを覚えるらしい。粗野で強面の冒険者相手なので、なり手も少なく、久々の新人になるとのこと。

翌々日、ダンガは足早に、トチノキ村に帰って行った。


アヤのステータス

 女、人種、14歳

 職業:ギルド受付見習い

 魔素力(MP):50

 生命力(HP):50

 力(PP):20

 素早さ(AP):20

 特殊:なし


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