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交響詩 魔女と魔王  作者: 藤村 次郎
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12話 図書館で調べる

 棒のようなものは、苦心惨憺の甲斐があって開くことができた。指紋と虹彩がキーになっていた。

上に、ディスプレイが、下にキーボードが滑り出た。

「おお・・!」

 今までに見たことのない文字や模様が映し出されたが、なぜか、理解できる。

計算ソフトや、描画・動画再生ソフトなどが入っている。脳波を検知して文字を入力することもできる。脳波の検知に必要な器具は鞄の中にあった。

さて、ネットワークはどうかと言うことなのだが、まさか、ここの文明レベルを考えるとありえないか?。

と思いきや、魔女通信、パラレルワールド管理局通信、惑星間通信、神様通信??。といろいろある。

 (なんだこれは!!)

ハイライトされているのは、魔女通信だけ。その他はグレー。

魔女通信をタップすると、銀色の円環が表示され、その一部に「ハナ」と言うのがあったので、タップした。

10秒ぐらい経って、黒髪をツインテールにした女の子の顔が「こんにちは。ハナは不在ですわ。」と言った。

「あれ! 新しい人ですね。 私はアイリス ハナの子供ですわ あなたは? 」と、ちょっと首を傾げる。

「僕はアライ・サクヤ。 サクヤと呼んでほしい。 」

「良いですわよ。 それでサクヤは何か御用ですか? 」


 初めての人にここまで言うのかと、ちょっと躊躇したが、この文明の利器の向こうに見える彼女は、なぜか神々しく信じてよいと思った。

俺は、森に倒れていたことから、今までの出来事を掻い摘んで話した。自分がどこから何のために、この地に来たのか知りたい。

「ふーん。お母さんが帰ってきたら話してみますわ。 何か知っているかも? それはないですかねー?。 まあ期待しない欲しいですわ。 それより、友達になってくださる。 」

「うん。 わかった。 いろいろ教えてね。」と俺。


 魔女通信は、初代魔女のハナが運営していること。ネットワークを利用しているのは、魔法学園の端末、冒険者ギルドや商業ギルドなどの端末。そしてギルド会員のカードなどが接続されている。但しネットワークで会話できるのは、魔女の家の関係者のみである。それで、なぜ俺が接続できるのか?。 


 トチノキ村やこの町の文化や文明はレベル3なのに、なぜレベル6のものがあるのか。魔女ハナやアイリスの存在がある所以なのだろう。何者なんだろう?。


 「不思議だね。サクヤが持っている端末を一度見てみたいですわ。 お母さんが持っているものより、小型で携帯性が良いみたいなので。」とアイリス。

「黒い鞄の中にあったんだ。こちらの世界に来た時に持っていたらしい。」

俺は鞄の中身を逐次、画面の前に出して見せた。

こんな話が通じるなんて。今までの周囲の人たちは首を捻るばかりであったので、気が合うっていいな。


 数日経ったある日、図書館で、調べ物をしているとフローラがやってきた。

「きょうも勉強かな? う・ あれ! これはなあに?」

俺の手元にある端末をフローラが指差した。

「あ・ いや・ ただの・・・・。」とあわてる俺。

「へえ・・・。ちょっと変わっているね。 何に使うの?? 」と聞いてくる。

俺は、自分しか開くことができないと安心して見ていたのだが。

フローラは初めて見る風にしてあれこれ触った。もちろん、セキュリティは解除できなかった。

「これはこうやって開くのだけれど、僕しか開けないようになっているみたいなんだ。」と俺。

突然、”るるる・・・” ”るるる・・・” 画面に「アイリスから接続要求あり」と出た。

俺が接続すると、

「あら、サクヤ 元気ですの? 」って。

「うん? う・・ん? はて? 隣にいる御嬢さんは誰ですの? サクヤ! 紹介してくださる!」

「あ。フローラ・マッキンリーで、この町にいる貴族の方で、魔法学園の同級生なんだ。」

「お初にお目にかかります。フローラ・マッキンリーです。で、これは内緒だよ!」とフローラ。 

あれ、内緒ってなんだ? 一瞬俺は疑問に思ったがスルーした。


 アイリスからの用事は、魔女の家に遊びにおいでということだった。

魔女の家?? わからない言葉だ。そんなものがあるのも想像できない。

「どうやって? どこに? いつ? それに魔女の家ってなに?」と疑問を投げかけた。

「一口では説明できないわ。 ”百聞は一見にしかず”ですわ!」

「5日後の昼ごろ、町の門を出たところで待ってもらえるかしら?。迎えに行きますわ。 それとフローラも一緒にお誘いしたいのですわ。伝えていただけます?。 じゃあ」 


 「フローラ、アイリスと知り合いなの?」

「うーん。まあさっき知り合ったばかりかな? 」

なんで、疑問符なのだ。まあ良いか。

「それより、一緒に行けるの?」

「それは大丈夫。でもなあ・・・」

そこで、執事が呼びに来たので、フローラは帰った。


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