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第41話 まだ間に合う

********************************


「・・・でもね、マゼンダはあの世界にいたくなかったの。でも一緒にいたかったの。」

「・・・そう」

「マゼンダはどうすればよかったの?赤ずきんに戻っちゃいけなかった?もう戻れない?もうだめなの?」


言ってる間に涙がぼろぼろと流れ出した。


もう 戻っちゃいけない?


もう だめになっちゃった?


あの時逃げようとしなかったから?


ちゃんと きちんとしなかったから?


私がしっかりしてなかったから?



「ブルースに・・・好きっていえなかったから?言って、伝わるの?私の知ってるような簡単言葉で足りるの?どれをつなげれば伝わるの?」

「・・・赤ずきん 大丈夫よ」


おばあさんはふふ、と優しく笑った。


「まだ間に合うはずよ。だってね・・・」



『きっとその男の子も・・・』



おばあさんの声はそこで途切れた。




ぐにゃりと視界がゆがんで目の奥がズキッと痛んだ。


思わず目を瞑り、ふと目を開けるとそこには





ブルースがいた。



ブルースの家の中で、赤ずきんの絵本を持ったブルースがいた。


目が少し赤かった。


「・・・ブルース」

「久しぶり」


ブルースは笑ったり怒ったりせず、ただ無表情で私を見てた。


なんて言おうか考えてたのかもしれない。


短い静けさの後、口を開いたのは私が先だった。


「ッあのね!!」


言いたいことは山ほどあった。


だけど話しきる前に喋れなくなる気がした。


既に唇は震えてた。




泣き出しちゃったらごめん



でも 最後まで言うから聞いて

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