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30話 課外授業でマリア最強?

大衆浴場がオープンしてから1週間、石鹸の盗難が相次いで発生していることがわかった。

手口としては、皮の水袋を持ち込み液体石鹸を持ち帰っているようだ。

ならばとポンプ容器でひと押しずつ使うようにするが、それでも持ち帰る輩がいる。

何度か捕まえてはいるが、組織立っているらしく、捕まえても捕まえても減らない。

ぐぬぬ、小癪な!

こうなれば、ブレスレットをバージョンアップしてポンプを連動して、ポンプ回数をログできるようにしてやる。

ふふふ!覚えてろよ!

店にバージョンアップ用の付与装置を置き、客に渡す前に入れるように指示した。

1週間もすると窃盗犯はどんどん捕まっていき、窃盗をするのを割と諦めてくれた。

魔力補充は誰にも見せれないくらい巨大なものにしたため、2週間経っても全く減らないため1つの魔石が空っぽになるまで放置することになった。

空っぽになっても私が補充すればあっという間に満タンになるので良しとしよう。

一体私の魔力はいくつあるのだろうか?



私は9歳になった。

大衆浴場は順調すぎる営業で儲かりまくっている。

魔石は更なる効率化のために、魔法陣とかで魔改造した。

そのためどれだけでも充填できるようになったため、満タンになるまでマリアは充填し続けている。

ちなみに魔石へは誰もいけないように厳重に封印を施している。封印を無理やり破ろうとすると麻痺するように罠を作った。

魔導エレベーターはまだ設置していない。

友達と遊ぶことを強いられ、スケジュール管理をお母様にされており、サボると無茶苦茶に怒られる。

学校の授業はマリアにとっては楽勝である。

唯一運動系だけは、いくら頑張っても普通より優れている程度である。

人一倍負けず嫌いのマリアは気絶するまで走り込み、体力はなんとか付いていけている。

心技だけは家でも学校でも、誰にも負けない位鍛えている。

3年生からは課外授業も始まった。

4学年からは専門科制になるための準備だ。


「ねぇ、マリア。貴方はどの専科にするの?やっぱり魔法科?まさか政務科?」

「うーん、って悩まないわ。魔法科に決まってるじゃない。」

「スザンナは私と一緒に魔法科でしょ?」

「えー、わたしは騎士…」「えっ!?」

「嘘よ。マリアと同じ魔法科よ。」


マリアは泣いていた。


「ごめんね。まさか泣いちゃうなんて思わなかったの。ごめん。」


スザンナはそっとマリアを抱きしめた。


「スザンナが騎士科が良いなら私も騎士科で良い。別に魔法科で勉強する事、たぶん無いし…。」

「もう、泣き虫マリアなんだから…。大丈夫よ、マリアと一緒よ。」


ぎゅっと抱きつくマリアである。

3学年はあっという間に過ぎていく。

3学年後半は課外授業が多く増えていく。

この世界は生きていくには過酷な環境なのだ。

今は薬草採取の授業だ。


「はーい、注目。私たちは街の西側に広がる魔の森の近くに来ています。魔の森は名前の通り魔物が沢山います。魔物は本で勉強した通り、私達を餌と思い襲ってきますので注意が必要です。」

「森には魔物以外にも危険が多くあります。まず1つ様々な虫が多く居ます。いつのまにかヤブ蚊に刺されてたり、ヒルに噛まれたりして大変です。中には毒を持つ蜘蛛や蜂、蛇など多く生息しているため、入る際は様々な注意が必要です。」

「しかし、魔の森は私達に恵みを与えてくれます。なので今日は恵みの1つ、色々な薬草についてお話しします。」

「まず森に入る前に虫除けの薬草について説明します。」


先生は鞄からミント草を出し、みんなに見えるようにかがけている。


「これがミント草でよく見ると様々な場所に生えています。これを潰すと鼻を抜ける強い香りがしてきます。これを足や腕に塗ると虫が寄ってこなくなります。」

「ただし、顔にはやめてください。刺激が強く目が開けられなくなります。」

「まず最初の課題です。ミント草の採取をして、先生の所に持ってきてください。」


先生の説明が終わったので、マリアはみんなに日焼け止めクリームを渡した。


「何これ?」

「それを塗ると肌に害がある光から守ってくれるの。安全よ、私は毎日塗っているから…。」


女子はクリームを受け取り順番に塗っている。


「もしかしてマリアちゃんの肌が白いのはそれのせい?」

「そうかもしれない。」


そう聞くと、みんな念入りに塗っている。


「おい!お前ら。何塗ってんだよ!」

「「うるさいわね。男には関係ないものよ。」」


私は虫除けポプリも作って持ってきている。

こっそり魔石入りだ。

男共は自信満々に森に近づいていく。

私たちは街の外壁近くで探している。

マリアはこっそりサーチを使いミント草を探しだす。


「あったよ〜。沢山あるからみんなおいで。」


ミント草をむしると喉に通る爽快な香りがし、少し目にしみる。

籠いっぱいに採って先生の所に戻って報告する。


「先生。持ってきました!」

「おう、もう見つけたのか?早いなー。さすが学年主席。」


先生に渡すと籠の中の一房をとり、確認している。

たまに買ってきたものを提出する輩がいるそうで、新鮮さを見ているのだ。


「大丈夫だ、お前らは合格だ。男共が戻ってくるまで待っていてくれ。」


先生は腰の剣に手を置いて、男共が向かった先に様子を見に行った。

私達は外壁近くで待機することにした。


「あいつら、どこまで行ったんだろうね。見えないよ。」


魔の森入り口は定期的に狩られているので、ほとんど魔物は居ないがたまに奥から出てくる。

なので、先生には入り口には近づかないように言われている。

正直に言うと、まだ、私は生きている魔物を見たことがない。

魔物図鑑で知ってはいるので、多分見ればわかる。


『シルフ来て』


マリアが呼びかけると空気の渦ができ、シルフが姿を現した。


『はい、どうされました?』

「先生たち戻ってこないから、少し様子を見てきて。危なそうなら助けてあげて。」

『わかりました、行ってきます。』


男子生徒達は魔の森に入ってしまいゴブリンに囲まれていた。


「あう、もうダメだ。俺たち殺されるんだ!」

「くっ!なんでこんな浅い所にゴブリンリーダーがいるんだ!」

「俺たちが逃がしてやるから、頑張れ!良いと言うまで固まっていろ!」


護衛の冒険者達もまだ、真剣にやってくれている。

先生は血塗れでなんとか立っている。


「ぐひひ、ゴブ!」

「来るぞ!何としても、道を開くぞ!」


襲ってきたゴブリンの首が飛んだ。


『クスクス。こんなのに良いようにやられるなんて…』


首が飛んだゴブリンの近くにマリアが立っていた。

右手を振り下ろすと、次々とゴブリン達の首が飛ぶ。

あっという間に、残すはゴブリンリーダーだけになっている。


『弱い人間。あの方に褒めてもらえるかしら。』


マリアは瞬く間にゴブリンリーダーの後ろに立って、手を振り下ろした。

見えない刃を腕を犠牲になんとか躱していた。


『生意気』


マリアは両手を前に、ゴブリンに向かって何かを放つ。

バン!と肉片を残し弾け飛んだ。


『うふふ。もう安全よ。早くお帰り〜。』


そう言うと、霞のように消える。

一部の男子達は腰を抜かして座っており、また一部は立って震えており、股間を濡らしている。

しばらく冒険者達は唖然として立っているしかなかった。

どっと汗が吹き出ている。


「なんだ?あれは…。」


しばらくすると、先生は学生達に声をかけ始め、帰路につくのであった。


『ただいま戻りました。』

「どうだったの?」


マリアは戻ってきたシルフに確認している。


『はい。ゴブリンに襲われていたので排除してきました。周りには魔物の気配がなかったので報告しに戻ってきました。』

「ありがとう。お礼は魔力でいいかしら?」

『はい!あなた様の魔力はとても濃く嬉しいです。』


他の女子生徒達は何故か精霊が顕現している際は固まって動かない。

口を開けっぱなしの子もいるくらいだ。


「みんな?どうしたの?大丈夫?」


精霊はダメなのかな?それほど怖いのかな?こんなに可愛らしいのに…。


『私はこれで失礼します。』

「ありがとうね。」


シルフが消えるとみんなが再起動している。


「マリアちゃんは相変わらず凄いわ。」


しばらくすると先生達が疲れた様子でかえってくる。

マリアを見ると先生たちはギョッとしていた。


「先生!凄い血じゃないですか!」


マリアは先生に駆け寄るが、なぜか先生を怖がっている気がする。

仕方がない、まずは傷を治そう。


「至高なるエリスよ。彼の傷よ癒したまえ、キュア・ウーンズ」

「マ、マリアさん。神聖魔法も使えるんですね…。」


股間を濡らした男子生徒が顔を赤らめ近づいてくる。

取り敢えず臭いし汚いので浄化魔法をかける。


「クリーン。」


先生を含め、纏めて掛けてあげる。


「マリア!さっきは助けてくれてありがとう!」


え、えっとゴブリンの事かな?


「ゴブリンの事?」

「そう!それだよ。すごかったよ!あれはどうやったんだい?」


あれってシルフがやったのよね。


「えっと、風の精霊を使ったのよ。」

「そうなんだ!一瞬で移動してたよね。」


精霊だから当然よね。


「そうね、風の精霊は風なの。だから疾いわ。」

「そうなんだ!アリス!君が一瞬にしてゴブリン達の首を飛ばしリーダーを吹っ飛ばして、一瞬で去っていくなんてひどいじゃないか。」


えっ?私?

アリスの耳元でシルフが囁く。


『ご主人様の力を示させもらいました!』


えぇー!

周りを見ると冒険者達も腕を組みうんうんと頷いているのだった。

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