暴走《ブレイン》
「離せよ!!!」
あの後…一度戦線離脱を試み逃走を図ったのだが…。
あッぁ!ぐっ…
そう簡単に逃がしてくれる筈もなく、健闘虚しく勝敗はすぐに着くことに。
「やっぱり…こうなるよな」
一度覚醒した食屍達にナイフは通用せず、その数の暴力を活かして一気に距離を詰めてきてた、そして体全体にからみつき腕や足に噛み付かれて身動き1つ取れなくなり完全に機動力を奪われた…。
「俺は一応【適応者】だから食屍達の仲間入りはねぇけど、畜生まだ死にたくねぇよ」
ピピピッ【警告】生命力の低下を確認、現在の生存確率73%
左腕に装着された小型デバイスが警告音を発した。
このデバイスは俺の心拍数を計測していて装着者の生命危機に瀕した時に警告音が鳴る様になっている。
「とうとう警告音が鳴り出しやがった、不味いな」
体全体を使い必死にもがくが、暴走した食屍は止まらない。
カブッ゙!!カブッ゙!カブッ゙!!
しかしその猛攻は止まることをしらず、遂には立っていられなくなり押し倒されてしまった。
カブッ゙!ブチッ゙!カブッ゙!ブチッ゙!!
足、膝、腰、腕、肩、そして首に…。
「はは、どうやらここで終いみたいだ」
ピピピッ【警告】…出血が多すぎます、至急止血を。
「もう助からねぇよ」
腕に装着した小型デバイスの警告音が鳴る中、俺は食屍達に食われた…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーGAME OVERー
DEAD=生きた日数3578日。
【死因】生きたまま食屍達に食われた。
「あー!!畜生〜ッォ!やっぱり俺って護衛任務は向いてねぇわ!!」
モニターに表示されたGAME OVERの画面に綴られた"生きた日数"そして死因。
「このキャラ気に入ってたんだけどな〜まあ長く生きれたほうかな」
もうお気づきだろうが、これまでの話はすべて【B.H.O】通称「バグ・ハグム・オンライン」と呼ばれるゾンビゲームの世界の出来事だ。
実際には部屋の中で一人、パソコンの前でカタカタとキーボードを押してただけで悲しいかな現実はこっちだ。
「全部ロスった俺が3年間コツコツ貯めてきた物がすべてパーだ」
BHOはリアルを追求したゲームで"死んだら終わり"をコンセプトとし、物資も限られたこの世界に誕生し迫りくる食屍達から生き残ろうといった感じの内容で。
「また誰かとしてプレイするか〜」
もし一度死んだら生前のキャラは使えなくなり、今まで築きあげてきたプレイヤーレベル、アイテム、素材、武器は消去される。
やられたユーザーは再度新規キャラを作成する事になり、毎回ゲー厶側にランダムに職業、性別、年齢、特別な能力まで選択されてしまうのだ。
その極悪な仕様のせいでライト層は飛び込みづらく、まったくと言っていいほど新規は増えずオンライン専用ゲームにも関わらずプレイヤーはたまに見る程度、いつも街に居るのはNPCだけ…いつサ終了してもおかしくはないだろう。
「サ終了するサ終了するをゲー厶内更新が来るたびに常にネットに書き込まれ続けてはや7年サーバーはまだ稼働してやがる、もはやこのゲームがゾンビだろうと思う」
だが何故か?何年も続けられた理由は?実はこのゲームがサ終了しない訳は一部のコアな層、変なネット配信者達はこのゲームでしか得れない要素があると定期的にログインしているから、何を隠そう自分もその一人である。
「次は誰になりますかな〜と」
気を取り直して新たな人生をスタートする為、新規キャラ作成する為【はじめる】を押したが…。
申し訳ありません、前回の死からー180分は⚠新規プレイヤーキャラ作成不可能
「あ〜しまった、もう一つの欠点忘れてたわ」
それはもう一つの糞な要素、プレイヤーキャラがゲー厶内で死亡すると【デスペナルティ】を食らい一時的に再度新規キャラを作る際に作成不可が掛かる事である。
「確かに…リアリティを求める上で死は大事な物だが…ゲームにそれを入れんなよなぁ〜」




