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53・合成必殺アバランチ・リムーバー

 春は魔導剣を握り魔力を流しながら錬魔の技法を使い、威力を増してテリオスの魔導杖にぶち込む。テリオスもまた錬魔の技法で魔導杖を強くする。


 この時点でテリオスの技量は春達よりも上だと誰もが思う。魔導剣と魔導杖のつばぜり合い、その瞬間を春は狙っていた。


イル・(下級)ファイア・(火炎)バレット・(魔力弾)サウザンド・(千の)インパクト(衝撃)


 下級の魔法をしかも千の火炎弾を春は戸惑いもなく至近距離で放つ。


アル・(最下級)ファイア・(火炎)ウォール()


 テリオスは最下級の魔法で火炎障壁を作り、下級の千の火炎弾を防いだ。歴戦ともいえるテオリア人の一人テリオスは下級の魔法を最下級で防いだ。この芸当、テオリア人同士であれば不可能なものだった。


「ちょ、防いだの!? 強すぎ」


 春の魔導剣も軽く振り払われるが、受け身を取り、魔導剣の剣先を向ける。その先に立つテリオスは常に最小限の動きでいなし、剣を振り払い、軽い打撃を与え続ける。


「テリオス、強すぎない? 七聖騎将並なんだけど!」


 テオリア人と共闘した経験はあるがテリオスの強さはそこが知れない。笑顔で軽くあしらわれている。里実は後方から魔力の矢を撃つも魔導杖を指で回しすべて弾く。


「隙あり」


 聞こえないほどの小声で放ち、魔力循環高速移動をしながらテリオスに斬りかかる。高速思考と高速移動、聞こえるはずのない速度の言葉。


 後方から魔導剣を振り胴体に直撃。するはずが魔導場がいつの間にかテリオスの背を守り、魔導剣を弾き飛ばす。


「みんなまだまだだね。創意工夫で挑んできてよ♪」


 テリオスは楽しそうに魔導杖を構える。しかし攻撃はしてこない。その理由は単純明快、強者の風格がそうさせているからだ。


「さすがに強いよ。でも俺だってまだ行ける!」


 春はあきらめることなく魔導剣に錬魔の技法で威力を底上げする。より強く、より鋭く、より輝く魔力を煉り続ける。


 その間に里実も錬魔の技法を使いながら魔導弓でテリオスに打撃を与えに行く。魔導弓は地球と違ってテオリア製、打撃でも壊れない代物だ。魔力循環高速移動を使い、高速で魔導弓を横に振る。


「喰らいなさい!」


 魔導弓が直撃したかに見えたが、テリオスは魔導杖で魔導弓の直撃を避けつつ、里実の後方へと移動した。


「うん、ある意味惜しかったね。魔力の矢を放った後での打撃なら、もしかすると行けたかも」


 テリオスの言葉に対して吃驚するも、里実は一言「次は当てて見せるわ」とテリオスに伝える。


「行くぜ、テリオス!」


 春は魔導剣を極限まで錬魔の技法を使い威力を上げていた。その輝きはゲームや漫画の聖剣や神器をはるかに超えている。まるで使い方を知っていたかのように、両手でグリップを掴み、剣先をテリオスに向けていた。


 その威力でテリオスの魔導杖を叩きに入る。しかし錬魔の技法はテリオスの教え。春と同等の威力を即座に作り、相殺する。


「まだまだだよ」


 テリオスは魔導杖を構え、常に防御の姿勢を取る。初撃、二撃、三撃、四撃、五撃と春の攻撃を常にいなし続ける。


「くっ、強すぎるよテリオス」


 春は負けじと斬撃を繰り返す。縦に、横に、斜めに後方に回っては背後に一閃。魔力循環高速移動を使っているにもかかわらず、テリオスの動きは無駄がなく、春の動きを知っているかのように淡々と防ぐ。


「これならどうかしら? イル・(下級)ファイア・(火炎)アロー・()ホーミング・(追尾)ペネトレイト(貫通)ペネトレイト(貫通)


 里実が錬魔の技法で魔力の矢を強め続け追加で炎の矢も追加、さらに効果で追尾と貫通を付与。オーバーキルと言ってもいいくらいに撃ち放つ。


 二十四の矢がテリオスを襲い掛かる。貫通能力まで持った強烈な二十四矢、しかしテリオスは魔法も使わず魔導杖を振りまわし、回避しながら一矢ずつ高速で叩き潰していく。これが地球人とテオリア人の実力差である。


 テリオスは攻撃であなく防御で全てを捌く。無駄な動きを一切せず魔導杖だけであらゆる攻撃を防ぐ様はとても美しい。


「これなら! どうだ!!」


 春は錬魔の技法で魔力を煉り続け、臨界点に達した魔導剣からアズールリムーバーを放つ。テリオスを信頼しているからこそ向けられる技であり、春にとっての一撃必殺でもある。


 蒼穹を穿つ刃は垂直にテリオスを狙う。


「春くんも中々やるね。高密度の魔力、錬魔の技法で威力も上昇。凄いね」


 一撃必殺の高濃度魔力斬撃アズールリムーバーを掌で弾き返した。


「嘘だろ! 俺の必殺が掌で!? 強いなんてもんじゃないよね!」


 春はとっさに策を考える。アズールリムーバーが効かない以上、どの技も防がれる。そして一つの可能性に気付く。


(新しく技を作ればもしかして一撃入れられるかも)


 春は魔導剣に魔力を注ぎさらに錬魔の技法で煉りこむと今までよりも輝くが増していく。


「新たなる境地にたどり着いて見せる!」


 魔導剣を両手でつかみ、正眼の構え、からの一直線でテリオスに挑む。その行動には隙も出来るが魔導剣の輝きがその隙をカバーしている。


「アバランチ」


 春はアバランチクラッシュをテリオスに撃ち込む。それを見抜いていたテリオスは魔導場で受け止めようとした。


「リムーバー!」


 今まで使っていた通常のアバランチ・クラッシュとは違い、アズール・リムーバーも混ぜ合わせた混合技。雪崩のごとく魔力が襲いかかり穿っていく。


 アバランチ・リムーバーは斬撃を飛ばすわけではなく、斬撃そのものを上げていく。その性質をとっさに理解した仲守春の発想と転換には恐れるほどだ。


「新技!?」


 一瞬の驚きとともに即座に対応。テリオスは魔導杖に魔力を流し込み防御に回す。


 二人の魂がぶつかり合い、魔力の奔流がせめぎ合い、交差し、魔力が渦を巻き神々しいほど光り輝き、刹那の刻にて魔力が弾けた。


 その魔力が放つ膨大な爆発に春とテリオスは弾き飛ばされ、春の体をロウが受け止め、テリオスは受け身を取って無事着地。


「くっそ、せっかく思いついて実行したのに、一撃も与えられないのか」


 春の思い付き必殺もやはりテリオスには一歩届かずだった。それどころか傷一つなく、テリオスは立ち上がりニコニコと笑っている。


「春くんだからこそできる技だよね。あの一撃は焦ったよ」


 テリオスの誉め言葉に春はテレ顔を隠しきれず、


「それはテリオスが強いから勝ちたい一心が生み出した技だから」


 二人の仲は深まるが一人忘れている。里実でsる。


「なんか春だけ新技ずるい!」


 そのあと三の傍にロウが行き、肉球でペタンと足を叩く。


「ガウッ!」


 とにかく頑張れ、と励ました。





入手マテリアルオーブ

火1水13地8風1光0闇0無6雷0


雑魚から取ったマテリアルオーブ32個


地球製ライセンスD

テオリア製ライセンスC


現金56万

テオリアでは1250万9000ゼル


入手鉱石

青いラトグラム鉱石9個

赤いマトリウム鉱石9個

緑のルナテウム鉱石9個


所持アイテム

メントドリンク10本

スピリアルドリンク20本

アブレコドリンク20本

パナシアスドリンク10本

リジェネスドリンク10本


乗り物

ライド・フォートレス・アルテミア号

6人乗りの魔巧ビークル

水陸空の移動が可能なマシンでBランク以上の探索者しか購入できない

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