ガリウルとみんな
僕が目を覚ますと、そこは見慣れない天井だった。ガサガサと横の部屋から音がする。
「……ここは、どこだろう」
僕は知らない所へ来ていた。
「あ、ガリウル起きた?」
後ろから聞こえてくる優しい声。
「翔くん……?」
「よかった、目を覚まして」
「僕、なんでここに?」
「ここは水菜さんの家だよ。水菜さんが運んでくれって言うから運んで、その後は俺も帰るとこがなかったからここに泊まらせてもらったんだよ」
「ごめんね。ありがとう」
「礼なら水菜さんに言わなきゃ!」
「そーだね、でも運んでくれてありがとう」
「お、おう」
翔くんは少し照れながらそっぽを向いた。
「おっ? ガリウル起きたのね。はい、お水」
「ありがとうございます」
「ガリウル頭上げて」
「はい……」
「何かあったの?」
「…………」
僕は何も答えられなかった。母親の事で水菜さんたちを巻き込むなんて出来ない。
「話してくれなきゃわかんないよ」
「そーだよ、ガリウル! 俺だっているんだし」
「言えないよ。これは僕の家の事情なんだ」
「そんなの関係ないわ。私はただ心配なの。巻き込まれたっていい、話してちょうだい」
「水菜さん……。ガリウル、俺もちゃんと話しを聞きたい」
少しの沈黙が流れた後、僕は深呼吸し、口を開いた。
「実はね、母さんから手紙が届いたんだ。そこにはこんな事が書かれてて……。読むよ
【ガリウルへ
いきなりの手紙驚いた? 元気にしてる?
家族に会えなかったり、他の星に行くのはとても大変だよね。ごめんね、母さんの所為で……。
でももう大丈夫。ガリウル、天球に戻って来なさい。私はもう長くはないわ。手術しないともう治らないの。
最後に貴方の顔をみたいの。お願いね。
あなたを一番に愛してるわ。母より】
なんて……。バカらしいよね、なんで諦めるんだって、僕はまだ頑張れるのに」
「ガリウル……」
「ね、ガリウル。あなた天球に戻りなさい、お母さんはきっと待ってるわ」
「でも僕は……」
「お母さんが待ってるのよ、手遅れになったらもう何も言えないのよ」
「そ、それは分かってますけど……」
僕は帰りたくなかった。帰るとお母さんが死ぬのを認めたみたいで、僕が殺すようなもの。必ずお金はなんとかしてみせる。僕は下を向き水菜さんの説得を耳に入れたくなかった。その時、ずっと黙っていた翔くんが口を開いた。
「水菜さん。やめてください」




