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第80話 嫌われすぎじゃない?

生きてます



「良くやったってどう言う事だ?」


やったことに関しては反省も後悔もしていないが、良くやったと思われるようなことはしていないと思うのだが……。

すると神妙そうに腕を組んだガザルがゆっくりと首を振った。


「いやなに、あいつは冒険者きっての問題児でな、こちらも手を焼いていたんだ」


うん知ってる。さっき聞いたから。


「しかも問題を起こしても、それが迷惑をかけていると気づいていない節があってな」


ああ、知ってるよ。恩着せがましい上にうざかったからな。


「こちらの注意も聞かずに各地で問題を起こし続け、遂にこのギルドに来た訳だが、そろそろあいつの起こした問題の後処理をするのも限界だったんだが……そこにお前だ。あと二回で資格剥奪だと何度言おうと、必ずあいつは何かやらかす。それは貴族相手の大騒動だったかもしれないし、町一つを危機に陥れる物だったかもしれない」


確かにな。極端な例かもしれないが起こりうる可能性があり、その後処理にも手間取るだろう案件だ。


「つまり何が言いたいかって言うとな、おとり役ご苦労さまだったってことだ」


「おいこら何言ってんだてめぇ!?」


「比較的大きな問題になりにくい私闘、それを二回連続で消費。これまでの物とと比べたらその後処理も簡潔で容易だ。もう一度言おう。……おとり役ご苦労様」


「ぶっ飛ばすぞ!?」


身も蓋もねえこと言いやがったぞこのギルドマスター!?

それでいいのかギルドマスター!?

いや良くねえよ、他が良くても俺が良くねえよ!?


「もちろんお前に関してのお咎めもなしだ。それとは別に何らかの形で穴埋めはしよう」


なるほど、穴埋めか……。それなら……


「じゃあどっか良い宿を教えてくれよ。今ちょっと休める場所がないんだ」


ちょうど困ったいた所だ。召喚されてから自分換算でかなりの時間が経つが、周辺地理についてはほとんど知らない。マップも行ったことがない場所ではほぼ役に立たない訳で、捜し物には使えない。

……まあ、さっきの話に思うところがないわけでは無いが、こいつもまあ……悪い奴では無い。

おとり役との発言だったが、別にギルドがあれをけしかけた訳でもなく、偶然の産物だ。

元々悪いのはあいつなのであって、ギルドは迷惑をかけられただけだ。

何より落とし前は本人にきっちりつけさせたしな。


「む……。わかったこちらで手配しよう。少し待っててくれ」


何か思うところがあったのかわずかばかり逡巡していたようだったが、すぐに踵を返して離れていった。


「ご主人!」


「おっと」


そこにライム達が駆け寄って来た。いの一番に俺の元にたどり着いたライムが飛びついてきたため、驚いてしまったが、怪我をしないように受け止める。


「おいおい、危ないぞ?」


「えへへ~」


これは聞いてないな……。


「主よ、お疲れ様」


「シオン様、お疲れ様です」


しばらくは動きそうに無いライムは放って置くことにすると、二人が労いの言葉をかけてきてくれた。


「おう、疲れるって程でも無いな。まあ、それとは別にちょっとやり過ぎたかもしれないけどな」


冷静になった今考えてみると、ちょっと、いやかなり鬼畜な事をしていたと思う。

もしかするとやり過ぎたせいで一緒に行動しているサリー達にも迷惑がかかるかもしれないのが気がかりだ。

主に風評被害的な問題で。ちょっとまずったかな。

いや、でもギルドからは感謝されてるっぽいしどうなんだろうか。


「……驚いたよ。さっきと全然雰囲気が違うんだね」


「ああ、あんたはさっき止めてくれた……」


そう言って興味深そうに近づいてきたのは、カウンター付近で俺を止めてくれた優男の槍使いだ。

あれには感謝している。おかげで長時間ボコれたからな。

だからお礼をもう一度言おうとしたのだけど、名前を聞いてなかったから詰まってしまった。

ごめんな。


「ああ、僕はアルザス。『疾風の翼』のリーダーをやっているよ。一応ランクはBさ」


「俺は紫苑。ランクはEになったばかりだ」


Fでは無くE。

そう、実はランクが一つ上がっている。元々初心者訓練期間が終わると自動的に昇格されそうなのだが、冒険者になろうとしている人なら常識らしく、逆に話題にならないレベルらしい。基本的に冒険者登録をする時期を、この月一の訓練期間に合わせる人が大半らしく、俺も知っている物だと思っていたんだと。

まあなんだ、俺の無知さ加減がさらに知られてしまったってだけだ何も問題無いよほんとだだからそんなやれやれ見たいな顔で見んなゴラァ!?


「ど、どうしたのかな?いきなり百面相をして……」


「いや、なんでもない。ただの思い出し百面相だから」


「思い出し百面相……?」


俺の答えにアルザスが変な顔をしていたが、近づいてきた理由の方が気になったので流すことにした。


「それでどうしたんだ?」


「うん?ああ、将来有望そうな君と少しでも仲良くしようと思ってね」


「将来有望ね……。正直な所、感情のまま暴れ回った問題児って印象があっても仕方ないと思うんだけど?」


「その考えがあるだけでも十分常識的だよ。それに最後のきっかけになったのはその娘達が罵倒された時だしね」


そりゃあこいつらの保護者みたいなもんだからな。色々言われたら怒るだろう。


「実は僕たちも彼には被害を受けていてね、君には好感が持てたんだよ。だからね」


よろしくと手が差し出される。

ここまで言われたのなら断る理由もないわけで。


「ああ、よろしく」


そう言ってしっかりと手を握った。

……ところで。

ライムさんそろそろ離れてくれませんかね?

格好つかないんで。



ぱっと登場させるとキャラが被る……

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