表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/108

第59話 妹って可愛いよね?

第59話 妹って可愛いよね?



真っ白な世界の中、高級感漂うテーブルを挟み3人の人影が相対していた。

1人は男。

その顔には睡眠不足の為か疲労が滲んでいる。

非常に辛そうだ。

もう2人は反対側に座る少女。

……訂正。

幼女と少女。

こちらは対照的で楽しそうにおしゃべり、もとい口喧嘩をしている。


「痛いな~」


そう言って非難めいた視線を右に向けるのはセフィーナだ。

左手で頭を押さえ、視線は痛みで潤んでいる。


「お前がシオンに変なことをしていたからいけないんだぞ」


「でもあそこまでする必要無いよね!?私、床に顔がめり込んじゃったよ!?」


そんな視線をものともせずにシェリーが零す。

どうやら反省している気配は微塵もない。

セフィーナの反応から見るに、シェリーはいつもと何ら変わり無い言動なのだろう。

いや、それはそれでどうかと思うのだが。

そんな2人の姿を眺めながら俺はとあることを思い出していた。



「そう言えば俺とシェリーが最初に会った時に出てきたよな。あれは何がしたかったんだ?」


精神世界から戻るときに現れたことを、セフィーナに尋ねる。

さっき出てきたときの黒い霧と同じ姿をとっていたんだが、その後直ぐに俺が帰ったので、何をしに来たのか疑問だったんだ。


「え?さっきと同じように、普通に挨拶をしようかな~と」


キョトンとした表情でそう答える。

本人は本気で行っているようだ。


「……あれと同じ演出で?」


「もちろん!」


なぜか満面の笑みで変事をするセフィーナ。

そうか、もちろんなのか。

残念ながらそれは「普通に」ではないと思うんだが……。

あれか、手遅れと言う奴か。

何か邪悪なものが出たかと思って割とシェリーの事を心配していたんだけどな。

……本人は魔神と言ってたし似たようなもんか。


「このアホ姉は、私が一人で会うという約束をしていたのに途中で出ていったんだぞ。まあ、間に合わなかったんだがな」


「だってシオン、驚いてなかったし大丈夫だと思ったんだもん」


「確かに驚かせない為に1人で会うと言ったけど……それはそれだぞ」


まだ何かと言い合っている2人をほっこりしながら眺め、これまでの情報を整理する。


シェリーは俺を驚かせない為に1人で会いに来たと。

それで俺が驚かなかったからセフィーナが我慢しきれずに出てきて、しかし後一歩で間に合わなかったと。


それは分かった。

だがそれはいい。

それよりも驚くような情報をこの耳が掴み取ってしまった。

それはもう、がっちりと。


「おいシェリー。さっき、セフィーナの事を姉と言ったか?」


「そう言ったが……どうかしたのか?」


「いや、別に何でもない」


「そうなのか?」


俺の答えを聞いた幼女神は、不思議そうに小首を傾げる。


そうかそうか。

シェリーは妹なのか。

小首を傾げる姿も可愛いな。

ついつい頭を撫でてしまった。


「うおぅ!?何をするのだ!?」


「はっはっは、いや悪い悪い。ついな」


謝ってはいるが全くと言って良いほど悪びれた様子を見受けられない。

確信犯である。


そんな事とは露知らず呆然としているのはシェリーだ。

今まで頭を撫でられたことが無かったのだろうか。

シェリーは両手を頭にのせ、驚いた顔でこちらを見つめていた。

やべー、かわいー。


「なんかいつのまにか妹の好感度が上がってる!?」


側で何か聞こえた様な気がしたがスルーで。

今は愛でる方が大事だ。


「いや、俺にも妹がいてな、それはそれは可愛くてな~」


妹ってのは良いもんだ。

かわいいし、可愛いし、プリチーだから。

そう、可愛いは正義。


「…………扱い……妹……神………」


何故か、シェリーがぶつぶつと言葉を呟く音漏れイヤホンみたいになってしまった。

……さすがに扱いが軽すぎたか?


「ええ~、妹なんて口煩いだけだよ。いっつも小言ばっかり」


「なんだと!?それは駄姉がしっかりしないからだぞ!」


と思っていたら再び元気になった。

どうやら気にした様子はない。

良かった良かった。


「そもそも今回は私だけで話す筈だったのに!」


「それも駄姉のせいだ!変なことをしなければ出てくることは無かったぞ!」


セフィーナの言いようにシェリーが憤慨する。

まあそうだろうな。


だが、妹の酷評は許さん。


「おいセフィーナ、妹と言うものはとても良いものだ。口煩いだけのものでは断じてない。こちらが疲れていれば心配して水をくれるし、俺が苦労していると手伝おうとしてくれる。だがそこでたまに失敗するのも――――」


「――――――る時に泥団子をくれたときなんか思わず口に運びそうに…………うん?どうしたんだ2人とも」


俺が妹の良さについて切々と語っていると、いつの間にか2人してテーブルに突っ伏していた。

口喧嘩ばかりしている姿が目立ったが、こうしてみると仲が良いのだろう。

姉妹で仲良しなのは良いことだ。

俺が腕を組んでと頷いていると2人が起き上がってきた。

げっそりとやつれてひどい顔だがどうしたのだろうか。

まだ、3歳の頃までのことしか話してないんだが。


「やっと終わったぞ……」


「うう、ひどい目に遭ったよ……」


話していたら妹に会いたくなったな。

この世界は楽しいけど帰るかどうか迷うな。

魔王を倒せば帰れるらしいけど……。

どうしようかな。

あ、そうそう。


「そう言えばこの前なんかな…………」


「わーわー!!実は用事があって君に会いに来たんだよ!その話をしようよ!!」


「まだあるのか……」


この世界に来る数日前、妹が友達と遊んでいる時の事を話そうと思ったんだが……。

せっかくの武勇伝なのに。

俺の出る幕が無かったくらいだ。

それはまた今度にするか。


「で、用事って何だ?」


俺が単刀直入に尋ねるとセフィーナは、「うう、切り替えが早いよ」と嘆いていた。

何故だ。


「最初に言ったじゃん。プレゼントだよ」


「お前に絶対渡したいと言って譲らなかったんだぞ」


「そうなのか」


つい返事が素っ気ないものになってしまった。

貰えるのはありがたいんだが、さっきは「自分を貰って!」とばかりに腕を広げてきたからな。

正直どうしたら良いのかわからんし、意味もわからん。

まあせいぜい、神様ジョークと言うやつだろう。


「心配する必要は無いぞ。今から貰えるのは駄姉なんかよりましなはずだ」


「なるほど、それは安心だ」


「2人とも私の扱い酷くない!?」


俺達のセフィーナに対する扱いに大声を放つが……

俺とシェリーは顔を見合わせて告げる。


「「これが妥当」」


「グサッ!!?」


何か大きなダメージがあったようで膝から崩れ落ち、倒れてしまった。

哀れ。





いつの間にか主人公に妹が降って湧いた。

何故だ。

後、妹の出番は今のところありません。

もしかしたらSSであるかも程度です。

ライムをかわいがっているのもこれが理由だと思ってください。

主人公は、妹とはあくまで愛でるものだと思っており、恋愛対象には入っていない設定ですのであしかず。

……今のところは。

それではまた!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ