第60話 何事も程々が良いよね
遅れてすみません!
久しぶりなので雑かも?
第60話 何事も程々が良いよね
「俺が悪かったって。ほら、機嫌直せよ」
「私も悪乗りしすぎたぞ。悪かった」
「ふん!2人して私の事をいじめて!」
2人してセフィーナに謝るが取りつく島も無い。
少し調子に乗ってふざけてしまった結果、セフィーナが拗ねてしまったのだ。
頬を膨らませ、顔を背けて徹底交戦の構えを取っている。
やり過ぎたとは思うのだが、セフィーナが持っている、いじられ気質とでも言うのか、それが作用して止められなかった。
反省はしてる。
後悔はしてない。
さて、どうしたものか。
ん?
セフィーナが顔を背けたままこちらをチラチラ見てきた。
少し悩むようなそぶりを見せていたが意を決したように口を開いた。
「じゃあ、言うこと聞いて!」
「は?」
「悪かったって思ってるんでしょ?だったら態度で表さなくちゃね~」
こいつ……。
むふふんとばかりに笑っていて少しイラッと来た。
さっきまでの拗ねていたのに、良いことを考え付いたとばかりのいい笑顔をこちらに向けているからだろうか。
まあそれは我慢しよう。
今回は俺が悪いから。
俺が悪いから!!
ともあれ機嫌を直してくれるのなら言うことを聞くのはやぶさかではないのだが……。
こいつは神……一応……少なからず……少しは……なんとか……ギリギリ……極小…………。
微粒子レベルでも神だからな。
面倒ごとを押し付けられたらたまったもんじゃない。
「ちょっとそれ失礼でしょ!」
おっと失礼。
心の声が漏れていたようだ。
ともあれお願いとやらについて返事をしなくてはな。
「面倒くさく無く、かつ迅速に対処でき、俺に出来る範囲でなら良いぞ?」
「かなり絞ってるし!!本当に反省してるの!?」
俺は「もちろんじゃないか」と首肯しつつチョコクッキーを口に放り込む。
おお、ちょっぴりビターで美味い。
気づいたらセフィーナが「キィー!!絶対反省してないよ~」と地団駄を踏んでいた。
何だ?なにかあったのか?
イライラするのはカルシウムが足りないかららしいぞ?
牛乳を飲んだ方がいいな。
シェリーは哀れな物を見る目でセフィーナを見ていた。
そんなことをするからセフィーナの姉としての威厳が消えていくんだよな、と思っていたら今度は俺に残念なものを見る目を向けてきた。
解せぬ。
「早く本題に入った方が良いぞ?このままだと遊ばれるだけだぞ」
「むう〜。分かった……」
シェリーがセフィーナに横から助け船を出す。
遊ぶだなんて人聞きが悪い。
俺は戯れていただけなのに……。
セフィーナで。
セフィーナも納得がいかないとむくれた顔をしていたが諦めたようだ。
「はい!」
そんな事を考えていたらセフィーナが俺に笑顔で頭を差し出してきた。
この子はいったい何をしているのだろうか。
まさかこれがお願いなのか?
頭を差し出してこられて俺は何をすればいいのだろう。
あれか、あれをご所望なのか。
「よし分かった。覚悟を決めろよ?」
「はい?」
笑顔が凍りついたセフィーナの顔を両手でがっしりと掴む。
「えっ、ちょっ、なに!?」
困惑するセフィーナを置いて俺は自らの頭を後ろに引く。
「今までに数多の人間がこいつをその身に受けてきた。
しかし、星の数ほどいる被害者の中でこれに耐えきれたものはいなかった……。
お前はどうだ?
いくぞ!ヘッドバットォォォォォォォォオオオ!!」
「イヤアアアァァァァァァァァアアア!?」
恐怖からか、驚愕からか、はたまた別の何かなのか、悲痛な叫び声を上げるセフィーナ。
そして––
「グボラッ!?」
強力な一撃を貰い、吹き飛んで行った。
……俺が。
「っ……!痛ってーな!なんて酷いことをするんだ!」
「私なの!?私が悪いの!?違うよね、正当防衛だよね!?」
そんな事を怒鳴っている彼女は、拳を振り抜いた格好で息を荒げている。
対して俺は、座っていた椅子から数メートルは離れた場所で倒れている。
セフィーナにマウストゥーマウスならぬ、おでこトゥーおでこ直前でカウンターを食らったのだ。
良いアッパーだった。
お陰で脳震盪でも起きたのか未だに立ち上がれない。
……よし、治った。
「よっと」
体のバネを使って立ち上がり、首を回して体調を確かめる。
……ん〜、問題ないか。
そしてセフィーナへと向きなおり––
「おい」
「な、なにさ……!」
「お前、何故俺を殴ったんだ!」
彼女の行動に対して糾弾した。
せっかくお願いとやらを聞こうとしたのに。
もちろんそんな理不尽な言いがかりにセフィーナが黙っている筈もなく。
「君が頭突きしようとしたからだよ!そもそも何故頭突きしてきたの!?」
「そりゃあお前……」
そこで言葉を切って少し遠い目をし、そしてセフィーナを正面から見据えると紫苑はさも当たり前のように言い切る。
「そこに頭があるから」
「なんなんだよその登山家みたいな理論は!?私の頭は頭突くべき何かなの!?」
「おいおい、そもそもセフィーナが俺に頭を差し出してきたからじゃないか。俺が住んでた所じゃ普通だったぞ?頭があったら頭突く。これ常識」
「それどんな人外魔境!?」
怒涛のツッコミで肩で息をするセフィーナ。
とても楽しそうでなによりだ。
そんな事を考えていると彼女は息を整えたようで。
こちらをキッと睨んで言葉を吐き出す。
「頭を差し出したのは撫でて欲しかったからだよ!シェリーにもやってたでしょ!?私に無いのはズルい!」
なるほど。
妹がしてもらったのに自分だけ無いのは嫌だと。
つまりあれだな。
人が持っていると欲しくなるタイプの子なんだな。
ん?ちょっと待てよ。
「それがお願いってやつか?」
「そうだけどなに……ちょっと何!?その生暖かい目は!?」
「いやいや、何でもない。気にするな」
アホな子ほど何とやらってのは本当だったんだな。
これからはもう少し優しくしてやろう。
手を伸ばして頭の上に置き、優しく撫でる。
「何だか納得がいかないんだよ!!」
頬を膨らませ、腕を組み、そっぽを向く。
そんな事を言いながらもセフィーナは始終嬉しそうであった。
「それで良いのか姉よ」
傍観を決め込んでいたシェリーがポツリと呟いた。
「ふふふ〜……ハッ!コホン」
自分が嬉しそうな声を出していたことに気づいたのか、咳払いをして真剣な表情を作る。
懐いてくれるのは素直に嬉しいが、いささか懐きすぎだと思うのは俺だけだろうか。
会って間もない上に、あれだけいじり倒したのだ。
嫌われても仕方ないと思うんだが……。
千切れそうな程振られる犬の尻尾の幻が、見えるような気がするのはどうなのだろうか。
主に神として。
そんな取り留めの無いことを思う。
思考が逸れていたにもかかわらず、その声だけはスッと意識の中に入ってきた。
「それじゃあとっておきもとっておき。伝説級スキルを君にあげよう」
目の前にドヤ顔さんがいた。
二週間とちょっとぶりですかね。
テストがありまして遅れました。
やっぱ受験との併用は厳しい……?
総合が40万、ユニークが7万超えました。
めげずに頑張ります!




