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第16話 なまえ

第16話 なまえ




『さっきの思念はあなたですか?スライムさんや』


『そうですよ。ご主人さんや』


スライムを使役した俺は、スライムと伝話を使って状況の確認に勤しんでいた。


それにしても呼ぶ度にスライムって言うのもなんか味気ないな。


『どうしたの?ご主人』


『いや、呼ぶ度にスライムって言うのも悪い気がして。名前教えてくれないか?』


『名前?ぼく、名前ないよ?』


プルプル震えながら不思議そうにスライムは言った。


『え?名前無いのか?』


う~ん、そうなのか。

これから呼ぶ度にスライムって言うのか?

他のスライムと混同しそうだな……。


ん?そうだ、名前がないなら付ければいいじゃないか!

うん、これが最善策だな。


『なあなあ、名前がないなら俺が付けようと思うんだけど、それで良いか?』


『ほんとう!?やった~。ご主人に名前を付けてもらえる!』


ピョンピョン跳ねながら嬉しさをアピールしてくるスライム。

喜んでもらえると俺も悪い気はしない。


さて、どんな名前にするか……。

肩にスライムを乗せたまま考える。

余談だがスライムは早速、縮小を使っている。

小さくなる前はバスケットボールサイズだったが、今では野球ボールサイズだ。

小さくなるにしたがって体重も軽くなった。

フムフム、王の器は親切設計ですな。


『なあ、お前はどんな名前が良いんだ?』


『ご主人が付けてくれたのなら何でも良いよ!』


……なにこれかわいい。

嬉しいこと言ってくれるじゃないのスライムさんや。

ただね、一つ言いたい。

そういうのが一番困るんだな。

何でも良いは選択肢が多すぎる。

かわいいから許すけど。

そう!かわいいは正義なのだ!


……話がそれたな。

何でも良いは、選択肢が沢山ありすぎて選び切れない。

自由過ぎるってのも考えもんだな。


さて、今重要なのは名前だ。

スライム~スライム~。う~ん、名付けは難しいな。


スライム……スライム……ライム……。

ライムなんて良い感じじゃないか?

なに?安直だって?そんなことはない。

大切なのは本人の気持ちだ!

当たり障りの無い良い名前だと俺は思う!


『お前の名前、ライムってのはどうだ?』


『……』


え?やっぱだめ?

そうですよね。すみませんでした。

しっかり考えさせていただきます!


『……ライム、ライム……うん!ありがとう、ご主人!ぼく、とっても嬉しいよ!』


マジ?良いの?喜んでくれたようで何よりだけど。


『ライム……ライム……ふふっ』


ライムは名前がよほど嬉しかったのか、飛び跳ねながら俺の周りをグルグル回っている。


あれ……?なんか……痛い。

心が痛いです……。

何でだろう……。


しばらくの間、俺はライムの喜びの舞いからダメージを貰っていると……


ライムの体が鈍く輝き、ふるふる震えだした。


『どうしたんだライム!?』


『何だが、力が……』


力が…抜けるのか!?

くそっ、新手の状態異常か?

どうしたら……!


『沸いてくる!』


デバフかと思ったらバフでした。

いや、解ってたよ。

解ってやってたんですよ。周りに何もいないから、問題はないと思ってたからね。

あえて乗っただけですからね?


ライムの輝きが一瞬強くなった。


「うおっ」


思わず目をつぶる。

光が収まり目を開けるとそこには一回り大きくなったスライムがいた。

バランスボール位だな。


「お前……ライムだよな?」


『うん、そうだよご主人!ご主人が名前を付けてくれたから進化したんだよ!』


そうか、この世界の魔物は進化するのか。

一つ賢くなったな。


『お~い、ご主人。どうしたの?』


トリップしていた俺をライムの声が引き戻した。


「いや、何でもないよ。それよりもライム。進化おめでとう」


『えへへ。ありがとう、ご主人!』


とりあえずライムのステータスを見て見ようか。


ステータス

ライム  巨大粘液生物(ヒュージスライム)

レベル:1

HP :112/112

MP :122/122

筋力 :131

耐久 :203

魔力 :105

魔耐 :214

敏捷 :221

運  :60

スキル:ユニーク―吸収


     戦闘術―粘液術Lv4


     身体術―魔力察知Lv2・魔力操作Lv2


      耐性―衝撃耐性Lv1


   エクストラ―縮小・伝心


 魔法:水魔法Lv3


称号 :従者・堅き絆


「吸収」……さまざまなものを自身に取り入れる。一度の吸収量は限界がある。また、吸収したものを体内に留めておくことができる。


「粘液術」……自身の粘液を使って攻撃する術。


「衝撃耐性」……衝撃に対して強くなる。


「従者」……主として認めた者に付き従った者の証。


「堅き絆」……不思議な力を使って絆を強硬にした証。この繋がりは如何なる力をもってしても破られる事はない。


……吸収がなにげに強いか?限界量は検証すれば良いとして、体内に留めるねぇ……。使い方次第ではなかなか……。

粘液術と衝撃耐性はまさにスライムって感じだな。

称号の従者は……まあいいか。気にしない方向で。

堅き絆はなんか感動するな。

だって「如何なる力をもってしても破られる事はない」だってよ!?

俺とライムの絆は永久不滅だぜ!

ヒャッハー!……すみません、テンションが高まってしまいました。


それらの情報をライムに伝えると凄く喜んでくれた。

喜びの舞いが再発動した。



――――――――――――――――

ようやくライムの喜びの舞いも終わり、ダメージから復帰した俺は、周囲を散策していた。


『何してるの?ご主人』


「いや、試し切りの相手をな」


『試し切り?どんな事をするの?』


「こんな風にな……魔力を纏わせた剣で切ろうかなと」


『わぁ、ご主人すごい!』


「そうかそうか」


純粋に誉めてくれるライム。

全く、かわいいやつめ。

ガザルに見せたらショックを受けて、へそを曲げやがった。


「……。俺でも10日はかかったのに数時間で……」


ぶつぶつ言い出してうるさかったので放置してきた。

あと、ライムのことはまだ知らせてない。

ガザルの所に行くときすぐそばの草むらに隠れて貰っていた。

説明に時間を取られて訓練できないのはもったいないからな。

帰るときに、話したら良いだろ。


それと俺はライムと、声を出して話しかけている。

俺の言葉が解るみたいなのでそうしている。

伝話は街中で使えば良いしな。


そうこうしていると別のスライムが目の前に現れた。


「なあ、ライム。あいつはどうしたら良い?」


どうしようか迷ったが結局ライムに聞くことにした。

同じスライムだし、もしかしたら仲間かも知れないしな。

それに、手っ取り早いから。


『むむ……あいつはご主人に攻撃的だから倒しても問題無いよ!』


同族なのに良いのか……?

魔物だから価値観が違うのだろうか。

それとも別の理由が?



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