↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/63

14.修道院新たな活動

ノンアルコール飲料の一件が落ち着き、穏やかな日常が戻ってきた修道院。


しかし、その静寂を破るように、ギルドからの使者が訪れた。


「ギルド長からの伝言だ。「話がある。すぐに来てくれ」とのことです。」


ケンイチは不思議に思いながらも、ギルドへと足を運ぶことにした。


ーーーーーーーーーーーーーーー


ギルド長室に入ると、そこにはギルド長と数人の関係者らしき人が待ち構えていた。


「よう兄ちゃん、最近の評判は聞いているよ。お前の作る酒は、もはや伝説だ」


「そんな大げさな……」


「いや、大げさじゃないんだ…実際、問題が起きている。他の店の酒が売れなくなってるんだ…」


「え?」


ギルド長は苦笑しながら続けた。


「ギルドにあるエールは兄ちゃんの酒と比べられて、まるで売れない状態だ…」


「……それは申し訳ない」


「そこでだ、提案がある。ギルドへの納品をやめて、修道院で直接販売してみないか?」


思いがけない提案に、ケンイチは目を丸くした。


「そこまで心配はしなくていい。修道院での酒販売を本格化させるために、ギルドも全面的に協力させてもらう。人手を増やし、修道院の活動のため新しい修道女を迎え、孤児の受け入れも拡大する。さらに——」


彼はケンイチをじっと見つめながら言った。


「お前に修道院長をやってもらいたい」


「はぁ!? 俺が!?」


「そうだ。長らくあの修道院には院長がいないんだ。」


ーーーーーーーーーーーーーーー


驚きを隠せないまま修道院へ戻り、セラフィーナたちにこの話を伝えた。


「というわけで、酒屋の話と俺に修道院長をやれって話なんだけど……」


セラフィーナは静かに頷いた。


「賛成です」


「えっ?」


「もともと、ケンイチがここに来てから、修道院は大きく変わりました。エールだけじゃない。人の流れも、活気も。あなたがこの修道院の中心にいることは、自然なことです」


三姉妹が後ろから話に入ってきた。


「まぁ、反対はしないわね」


「でも、修道女が増えるのはちょっと複雑な気分だ」


「でもさー?それだけケンイチの酒が求められてるってことでしょ?」


「提案通り、修道院の一部を酒場にして、さらに一部を宿屋として活用すれば、より多くの人に安全な居場所を提供できますね?」


「いや、ちょっと待ってくれ皆んな。話がどんどん進んでないか?」


しかし、すでにセラフィーナの表情には迷いがなかった。


「ケンイチさん、あなたならできます!!」


その言葉に、ケンイチは観念したようにため息をついた。


ーーーーーーーーーーーーーーー


数日後、修道院には募集していた 5人の新人修道女 と 5人の孤児たち が迎えられた。


修道院の中庭では、新しい仲間たちがぎこちなく並んでいた。


クラリス(元貴族の娘)は、端正な姿勢でケンイチに一礼し、落ち着いた声で言った。

「本日より修道院でお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします」


エリザ(母性的な性格)は優しい笑顔を見せながら、子どもたちの手を取っていた。

「大丈夫よ。ここはとてもいい場所だから、安心してね」


ロザリンド(元漁村の娘)は腕を組み、元気よく宣言する。

「これからは酒場の手伝い、任せてよ! いい接客をしてみせるから!」


マーガレット(冷静な医療担当)は静かに周囲を見渡し、

「この修道院には診療所があるんですね。私に任せてもらえれば、怪我や病気の対応は万全です」


アメリア(酒造補助)は恥ずかしそうにしながら、ケンイチに向かって小さく手を挙げた。

「あの…わ、私、お酒づくりを学びたくて…」


ケンイチは彼女の緊張を和らげるように微笑んだ。

「大丈夫だ、ゆっくり覚えていけばいい」


一方で、新しく迎えた 5人の孤児 たちも、修道院の生活に不安と期待が入り混じった様子だった。


トーマス(しっかり者の少年)は、年下の子どもたちをかばいながら名乗る。

「みんなを守るのが僕の役目です!」


ルイーゼ(泣き虫の少女)は不安そうにケンイチの袖を掴んだ。

「こ、ここって本当に安心できる場所?」


ケンイチは彼女の頭を優しく撫でた。

「もちろんだよ。もう怖がらなくていい」


オスカー(皮肉屋の少年)は腕を組んで斜に構えていたが、興味深そうに酒場を見ていた。

「……ここ、儲かるんじゃないか?」


イザベル(おしゃべり好きな少女)は目を輝かせながら、修道院を駆け回る。

「すごーい! ここ、お城みたい!」


ニコラス(物静かな少年)はじっとケンイチを見つめ、ぽつりとつぶやく。

「……あなた、強い」


「ん? 何が?」


「わからない。でも、強い」


「?」


(そういえば、最近ステータスを気にしていなかったな、今は忙しいし、また今度だな)


ーーーーーーーーーーーーーーー


新人修道女と孤児たちを迎え、修道院の生活は一層にぎやかになった。


そして、修道院の 一部を酒場に、もう一部を宿屋に改築 する工事が始まった。


酒場の設計 には、ロザリンドやオスカーが積極的に関わり、


「入りやすくて、飲みやすい雰囲気が大事よ!」


「利益を出すなら、特別メニューを作るべきだな」


と、それぞれの意見を出していった。


宿屋の設計 には、クラリスやエリザが関わり、


「旅人が安らげる清潔な部屋を用意しましょう」


「食事と寝床を整えれば、きっと評判が良くなるはず」


と、しっかりと計画を立てた。


工事は順調に進み、ついに 修道院兼酒場兼宿屋 という新たな形が完成した。


ーーーーーーーーーーーーーーー


「……こうして見ると、本当に大きく変わったな」


修道院の入口に立ち、感慨深そうに全体を見渡した。


セラフィーナが微笑みながら隣に立つ。


「あなたがトップになったからこそ、ここまで来られたんです」


「まだ実感はないけど……」


三姉妹も満足げに頷いた。


「これからが本番ね!」

「お客さん、どんどん増えそう!」

「忙しくなるわよ、ケンイチ!」


新人修道女たち、孤児たちもそれぞれの役割を見つけ、修道院の新たな生活が始まった。


こうして、修道院は新たな形へと進化し、ケンイチは修道院長としての一歩を踏み出したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。