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【連載版】婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪  作者: naturalsoft


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☆旅は続くよ。どこまでも。

シリウス王国の王都エキドナを後にしたシオンとジークは次の国へ行くため更に西へと向かった。


「ねぇジーク。次の国はどんな所なの?」


挿絵(By みてみん)


「オラクル聖王国ですね。精霊教の総本山で教皇様が国を仕切っている所です」


宗教か~

人それぞれだけど個人的に余り良い印象ないんだよね~

でも、新しい国は楽しみだね。

シオンはマジック・ボードでもよかったが、ジークが馬車を用意してくれたので馬車に乗っての移動になりました。


「馬の扱い上手いですね」

「そうですか?まぁ、騎士団で馬に直接に乗ることもありますしね」

「私も操縦しても良いですか?」


「え、ええ良いですよ」


ジークは一瞬言葉に詰まったが、シオンの隣にいられると思い内心で喜んだ。しかしシオンは想定外の行動に出たのだ。ジークの懐にゴソゴソと移動して、ジークに抱き抱えられている様な格好で手綱を持ったのだった。


「し、シオン!?」

「えへへ、これで教えてもらえるよね」


シオンに悪気も下心もないのだ。

ジークは真っ赤になりながら馬車の操縦を教えたが、頭が真っ白で何を話したのかまったく覚えていなかった。

(シオンは無防備過ぎる!俺がしっかり守らなければ!?)

と、変な考えをするようになるのに時間は掛からなかった。


野営をしながら数日間掛けて街道を馬車で移動して、いくつかの小さな街や村を通って、ついにオラクル聖王国へ辿り着いた。シオンは世情に疎かったので知らなかったが、街に入る入口は2つあり、平民や商人の通るメイン門の他に、並ばなくても通れる貴族や王族の門があった。貴族の証明を見せればすぐに入れるのだ。


「おおっ!そんな事ができたんだぁ~」


感心してジークを見るシオンに世間知らずなシオンも可愛いと、どうでも良いことを考えていた。


「馬車を止められる宿屋に着いたら観光するかい?」

「もちろん!」


信者の巡礼の地であるため、宿屋が多く点在してシオンとジークはそれなりに高級な宿屋にチェックインして、オラクル聖王国の首都である『エルサレム』を探索した。


「建物の色が白色ばっかりだね~」

「オラクル聖王国が信仰する『精霊教』は純白を尊ぶよう聖典にも書かれていて、聖なる浄化は純白の白からきているとかで、建物や信者のローブも白が多いみたいだよ」


「ジーク詳しいね。ありがとう」

「い、いや、これくらいは・・・」


ジークは照れながら答えた。

それから露店を歩きながら食べ歩きしてから宿屋に戻るのだった。


「今日だけじゃ周り切れなかったね」

「流石にオラクル聖王国の首都だ。なかなか広いな」


急ぐ旅でもないので明日も街中を見て回る事になった。

そして次の日、昨日回れなかった大聖堂などの建物のある区画に行ってみることにした。


「でかっ!?」


大聖堂の大きさに驚くシオンは苦笑いしながらジークはガイドした。


「小さなお城ぐらいあるだろう?ここが精霊教の総本山の大聖堂だよ。一般の人々も自由に見て回れるから入ってみようか?」

「うん、そうだね」


中に入ると、作りは普通の教会と似ていたが、規模が違った。奥には精霊教の主神の女神像があり、前には祭壇があって、教会の関係者がミサをするのに使うらしい。そして信者が座って祈る長椅子が左右に20列もあった。


「女神像も20メートルはある巨大だよ・・」

「これは圧巻だよね」


通常の教会に置かれる像とは何倍も大きさが違っていた。吹き抜けの天井は2階からも見渡せるようになっていたが、2階に登っても上を見ないと女神の顔は見えなかった。


『奈良の大仏を思い出すなぁ~』


シオンはぼ~とそんな事を思った。

そして無意識に女神像に転生させてくれてありがとうと祈った。

するとシオンの身体が金色に光り輝き、女神像もお互いに呼応するかの様に輝き出した。


慌てたジークはシオンを揺さぶり目を覚させた。


「シオン!しっかり!?」

「あ、あれ?私、何を・・・?」


この短い間にシオンは女神様と会っていたのだ。

女神様はうっかりミスでシオンを死なせた事で、お詫びに好きだった異世界に転生させた事を伝えた。そしてシオンの死が口では言えないほど悲惨なもので、死んだ時の記憶もなく、どうして異世界転生されたのか、今まで説明できなかった事を詫びた。シオンは持ち前の気軽さで、気にしてないからと女神様にお礼を言った所で戻ってきたのだった。


「大丈夫か!?」


突然に光り出すのでびっくりしたのと心配したのとでジークは生きた心地がしなかった。


「なんか女神様に会ったかも」

「えっ?」


シオンの無自覚さにジークは固まってしばらくの間、動けなくなったのでした。









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