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【連載版】婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪  作者: naturalsoft


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修復

一晩明けて、日の出になりました。

昨日は早めに寝て、薄暗い時間に起きました。


村の魔物避けの水晶は、村の中央のちょっとした祠に祀ってあった。

中を見てみると、確かに真っ二つに割れていました。


「これって物理的に壊されたの?」

「いえ、流石にそんなことをすれば村人達が気付きますよ。これは定期メンテナンスを怠ったからなる現象なんです」


確かに、日常生活に必要なものはメンテナンスが必要だよね。


「水晶のメンテナンスは1年に一度なので、そう頻繁ではありません。しかし、ここ3年ほどは大聖堂から司教が来てメンテナンスをしていたと村長は言っていました。その時、一年間、村で集めた『お布施』も渡していたそうです」


ふむふむ?

それならどうして?


「問題は、村に来ていた司教がメンテナンスをした風に装って、お金だけ貰って帰っていたみたいなんです」


!?


「何それ!詐欺じゃん!?」

「最近の司教は世襲制で能力もないのに上の立場になる者が多く、こう言ったことが度々起こっているのです」

「なら、近くの村もチェックしに行った方がいいかもしれないな」

「そうですね。ここが終わったら近隣の村も見に行きましょう」


ヒジリちゃんは水晶に向かって詠唱を始めた。日の光が水晶に吸い込まれる様に入っていき、ゆっくりと水晶は修復されていった。


「おおっ!凄いよ!」


修復が終わる頃にはヒジリちゃんは多くの汗をかいていた。


「お疲れ様。ハンカチどうぞ」

「シオンお姉様、ありがとうございます」


汗を拭うとヒジリちゃんを休ませて、シオンはジークとレオナと一緒に村の外に出た。

すでに村の外には猪の様な魔物や狼の魔物が彷徨いており、シオン達をみると襲ってきた。


「猪は私が!」

「OK!」


それだけで通じ合い、シオンは突進してくる猪の魔物に土魔法で石の尖った杭を作り串刺しにした。

ジークは素早い狼の首をすれ違い様にハネた。


「・・・凄いな。予想以上にやるじゃない」


レオナはフォローしようと見ていたが、やることがないと理解した。


「まだ村の周囲に彷徨いている魔物をどんどん狩るよ!」

「ああ」


シオンはマジックバックにどんどんしまうと次の魔物を狩り出した。


「すごいマジックバックを持っているね。普通の物はもう満杯になっているのに」

「レオナさん、お近づきの印に、予備を差し上げます」


シオンは新しいマジックバックをレオナに渡した。


「え、こんな高級な物、流石に貰えないわよ」

「ええ、これは私が作った物なのでそんなにコストは掛かっておりません。それにレオナさんの様に困った人に自分のお金を使えることのできる人に、使ってもらいたの」


自分で作ったと言う所に驚いたが、ありがたく頂くことにした。


「助かるわ。これで大量の食料を持ち運べるから、道に迷っても空腹で倒れることもなくなるわ」

「冒険者ってそんなに大変なの?エルフだから森の中でも感覚が正常で、道に迷わないって聞いたような?」


レオナは恥ずかしそうに言った。


「あ、余り言いたく何のだが私は重度の方向音痴でね。いつも目的地に辿り着けなくて、死にそうになるんだ・・・」


俯きながら言うレオナに、シオンは良いものあるよ~と軽い口調で言った。


「ジャジャジャーーーーン!!!!方位磁石~~~!」

(ドラ◯もん風に)


「何これ?」


「これは必ず赤い針が北を指す様になっている道具だよ。森に入る時どちらの方に針が向いているかチェックして、帰る時、その反対方向の針に従って戻ればいいの」


!?


「そんな便利なものが!?是非とも売って欲しい!!!」


ガバッとシオンに迫るレオナだったが、シオンはタダでプレゼントするよ~とまた軽い返事で返した。


「しかし、こんなにも貴重?な物を貰ってばかりでは申し訳ないな」

「別に貴重じゃないから大丈夫だよ。レオナさんはこの辺りで仕事しているの?


短い沈黙の後、小さい声で呟く様に言った。


「グスンッ、道に迷って帰れなくなったの・・・」


あちゃー!


「ならこの件が終わったら連れってあげるよ。急ぐ旅でもないしね。良いよねジーク?」

「うん、レオナさんの様な方の為なら全然いいよ」

「ありがとう~ーー!!!!!」


なんか残念系のお姉さんになったなぁ~と思うシオンだった。

そう話しているとまた魔物が現れた。


「ここは私が殺るね♪」


上機嫌になったレオナが言った。


「うん、わか───」

「シルフィード」


えっ?


目の前にいたゴブリンの首が一瞬で5体分飛んだ。

シオンの目にも何が起こったのか見えなかった。


「何が起きたの?」

「た、多分、超加速だと思う・・・」


ジークも冷や汗を垂らしている。

このエルフのお姉さん・・・・強い!


先ほどと認識を改める必要がありそうだった。










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