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異世界トラブル  作者: 海路希望
4章~冒険者養成所編~
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第56話(〈荷物捜索〉クエスト2)

やっぱり昨日投稿出来ませんでした………


今回は、イルマが〈荷物捜索〉をする上で、下準備の話になります。


では、異世界トラブルの続きをどうぞ!




養成所に戻ったイルマ。

今回の〈荷物捜索〉クエストを相談する為にナミノ教官を探すイルマ。


授業をしてない時間だったこともあり、教官達がいそうな教官室に向かい、教官室をノックしてから入るイルマ。教官室に入ったイルマの視界には、ナミノ教官は書類と睨め合いをしながら机に座っていた。


イルマは、ナミノ教官に相談する為に声をかける。


「ナミノ教官。」


「うん?イルマか、……どうした何か用か?」


「はい。ナミノ教官に相談したいことがありまして……」


「……相談?何だ言ってみろ。」


「はい。え~、今僕らが受けているクエストが〈荷物捜索〉を受けているのですが……」


「〈荷物捜索〉クエストの相談?……そのクエストが何か問題があったのか?その場合は、俺じゃなく受け付けで相談すべきことだぞ?本来、クエストの内容は他人にあまり言わない方がいい。」


「はい、それは分かっています。しかし、クエスト自体は問題はないのです。……ただ、そのクエストの背景で怪しい点が有って、そのことをナミノ教官に相談しておきたいのです。」


「クエストの背景で怪しいこと?………何があった?」



イルマは、ナミノ教官にも〈荷物捜索〉クエストで怪しいと思ったことを説明する。


イルマから話を聞いたナミノ教官もイルマ同様に、この〈荷物捜索〉の依頼者であるヒルゼが襲われた時の不審な点があることを認める。



「……イルマの考え同様に俺もその話で、絡んできた男達が依頼者の付加彫刻刀を狙って襲って来たと思う。問題は、襲って来た男達が付加彫刻刀を狙った理由と更に裏に人がいるかだろ?」


「はい。付加彫刻刀を狙った理由が金銭目的で、裏に人がいない場合はそこまでの話じゃないのですが……問題は、襲って来た理由がヒルゼさんのお店を潰す為で、裏に人がいた場合です。その場合、今回のクエスト達成の危険やクエストが達成出来ても今後のヒルゼさんの身に危険があることです。」


「…………本来、冒険者がクエストの内容以外で動くことは好ましくない。報酬や別のトラブルに発展しかねないからな。しかし、今回は難しいケースだな。クエスト自体は何の問題がなくて、ただ妨害が明らかに有りそうだがその規模が不明、その上に依頼者の懐も厳しい様子か……………。」



ナミノ教官は、イルマから今回のクエストの話を聞いてどう対応するか考えていた。


先程も言った通り今回のケースは難しい。

クエストに問題が有ったり、妨害してくると思われる者の正体や規模が分かっていたり、依頼者に報酬の増額が出来ればクエストのランクを上げて正規の冒険者を雇って、依頼しているクエストの内容をこれらの問題の解決に変更も出来ただろうに。



イルマから今回のことを相談されたナミノ教官と相談したイルマは、暫く良い手がないか頭を悩ませる。



(そうだ、このクエストの厄介な所はここだ。妨害やクエスト達成後の心配が有ることが明白なのに、付加彫刻刀を狙う理由と正体や裏の存在がいるか不明なことだ。しかも、依頼料の増額が難しいことで打てる手が少ない。………どうする?ナミノ教官に相談して何か手がないかと思ったがナミノ教官の反応を見る限り今の所期待できない様子だな。)




……どうする?他に手がないのか?………う~~ん………依頼の増額がいらなくて、妨害してきても対応しながら付加彫刻刀を探すことが出来る人数や人を確保し、尚且つ襲って来た男達の正体と裏に人がいることを探す理由と時間に加えてクエスト達成後の依頼者の安全を守れる手………ッ!?この手なら!!この手が使えたらいけるぞ!!………でもこの手を使うとなればクエストをどんな理由があれど辞退する形になる。皆にもまだ相談していない…………皆には後で謝ろう。依頼者の安全が優先だ。この手を使うにも、ナミノ教官の許可とヒルゼさんに話をするのが先だ。



イルマは、皆にこめんと思いながらも閃いた策をナミノ教官に話す。



「………ナミノ教官、相談何ですが、このクエストを授業にしてくれませんか!?」


「何?クエストを授業にだと?」


「はい。授業でクエストを受けているじゃないですか、それをこのクエストにも適応させて欲しいのです。」


「……………確かにその手なら、それならクエスト自体問題なく達成は出来るだろう。クエスト達成後の安全も授業で襲って来た男達の正体を判明させることが出来れば裏に人がいた場合睨みを効かせることで牽制して依頼者の安全も多少守れるだろう。しかし、完全じゃない。それにいいのか?お前達はクエストを辞退する形になるんだぞ?」


「はい、構いません。依頼者の安全を優先します。皆には僕から謝ります。」



「……お前の気持ちと話は分かった。その事だが、授業にすることだが、クエストを受けたお前達と依頼者の許可があれば可能だ。受け付けには俺から話を通しておこう。依頼者にはお前から話を通しておいてくれ。これがその書類だ。」


ナミノ教官は、イルマに机の引き出しからクエストを授業で使用する認可証の書類をイルマに渡す。


イルマは、ナミノ教官から書類を預かり、ナミノ教官にこれからの対応の仕方を確認する。



「俺は、今からお前が依頼者に書類を書いてもらっている間に授業の準備を行う。その間にお前達は、付加彫刻刀の捜索を続けろ。多少の危険が有るが、授業を始める前に相手に先に見つけられるのは不味い。」


「分かりました。……もし、授業を始める前に付加彫刻刀を見つけた場合はどうしますか?」


「その場合は、その男達を捜索する調査授業に変更するだけだ。イルマ、授業が早くても明日か明後日の朝からになる。それまで注意して行動するんだぞ。」


「分かりました。了解です、捜索については他にも手を打っていますから大丈夫だと思いますが注意して行動します。」


「……他にも手を打っているのか?お前、用意周到な奴だな……」


「はは、……打てる手は打つのが一番と思ってますから。」


イルマは、ナミノ教官の言葉に頭を掻きながら照れくさそうにしていた。


(……しかし、本当に用意周到な奴だ。このクエストも裏にあることに気づき、注意するだけじゃなくて、こうして俺に相談に来たり、他にも手を打っているとはな。)


ナミノは、イルマの事態への対応の仕方に感心していた。



そして、ナミノ教官は、〈荷物捜索〉クエストを授業にする変更届け手続きを受け付けにしに行く。


イルマも、このことを依頼者であるヒルゼに説明と皆に謝罪と説明をしに【マルチェロ魔道具店】に向かうのであった。




・・・




「……………でして、これが今回のクエストをする、した後に懸念していることです。だから、ヒルゼさん。これを解決する為に、このクエストを養成所の授業にさせてくれませんか?養成所の教官には話をして既に許可を貰っています。これが証拠のクエストを授業にする認可証になります。」



【マルチェロ魔道具店】に再び戻って来たイルマは、依頼者のヒルゼに今回のクエストで懸念していることと、その対応にクエストを養成所の授業にして、養成所の授業にすることでの人海戦術と〈荷物捜索〉のクエストでは解決出来ない点をクリア出来るので、ヒルゼの許可が欲しいと話をする。


イルマの話を聞いたヒルゼ。

今回の件で、まさかそこまでのことが予想されるとは思わず、イルマの話に呆気に取られている様子だ。



「…………まさか、今回のことの裏にそんなことが考えられるとは、………問題ありません。イルマさん、このクエストを養成所の授業にしてください。僕のことを考えてここまでしてくれて本当にありがとう。」


「本当ですか!分かりました。僕は、皆にもこの事を伝えた後に直ぐにでもこの事を教官に伝えます。」


「はい、此方こそお願いします。あっ、書類にサインしないといけなかったですよね?………はい、サイン出来ました。」


「ありがとうございます。あっ、この後皆に今回の話を説明したいので此処を少し御借りしても宜しいでしょうか?」


「構いませんよ。まだお店もこの状態ですし、イルマさん達の話し合いの席に使って下さい。」


「ありがとうございます。」



ヒルゼとの話し合いが終わったイルマは、ミルンに念話で皆を一度【マルチェロ魔道具店】に戻って来て欲しいと伝える。





暫くして、【マルチェロ魔道具店】に戻って来たメラ達。

イルマは、教官との相談の結果を皆に伝える。

クエストを勝手に授業にしたことを謝るイルマ。

しかし、メラ達は依頼者であるヒルゼにとって一番いい方法でもあることからイルマを許す。


その後、メラ達がイルマに頼まれていたことを完了したとイルマに報告する。


「本当!……よし!なら後は〈荷物捜索〉を行うだけだ。」


「ええ、でも目ぼしい場所は検討出来ているの?」


「そうだぜ?イルマの話だと相手より先に見つけた方がいいだろ?でもチユルの町はポルカ村より大分広いから探す範囲も広いぞ?」


「………何か作戦があるの?」


「大丈夫。ヒルゼさんの話から大分探す場所を限定出来ているから。それに皆が戻って来るまでに付加彫刻刀を見つける手を1つ打っていたから。」


「やるじゃないイルマ。」「流石イルマだぜ!」「抜かりはない。」


「へへ、じゃあヒルゼさんのお父さんの付加彫刻刀を探しに行くよ!……妨害があるかも知れないから十分に注意して行こうか。」


「分かったわ。」「おう。」「了解。」



これからの話を終えたイルマ達。

そしてイルマ達は、ヒルゼの父の付加彫刻刀を探しにお店を出るのであった。

次回、〈荷物捜索〉しているイルマ達に妨害の手が……

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