ディーネ
「あと、これも。依頼の前金?くらいに思ってくれたらいい。」
ディーネが何か渡してきた。重い...
「お金。旅に必要だと思って。」
「なあ...なんで俺のことをそんなに信用できるんだ?初対面だろう?」
当然の疑問を口にする。
「簡単な話。私には《予知》があるから。1週間先ぐらいまでに起こることはわかる。」
あとから調べて分かったことだが、《予知》とはプレイヤーには取得不能のいわゆるNPC向けのスキルのようだ。かなり優秀なスキルなのに惜しい。
それにしても自分の手の内であるスキルさらっと言ってしまうとは...とりあえず興味本位で質問を続ける。
「ちなみに外れたことは?」
「今までで1度。」
「二回目が今っていう可能性は?」
「そもそも普通の人間には私を見ることが不可能。...これでも一応《隠密》スキルを持ってる。」
なるほど...一応筋は通っている。
「ごめんだけどステータス見せてもらえる?」
「わかった。」
鑑定スキルを使う。
ディーネ :人化 (女) Lv.10
ATK10 スキル 《鑑定》Lv.4
DEF10 《隠密》Lv.6
HP 40 《予知》Lv.10
MP 200
SP 7 魔法 《水魔法》Lv.10
LUC 10 《人化魔法(人魚族のみ)》Lv.-
確かに正しい。余談だがこの世界の住人、つまりプレイヤーではない生物はユニークスキルがない。その点でも信用していいだろう。
「わかった。...それで旅って大体どのくらいの期間なんだ?」
「...えーっと、大体1週間くらい。最後にここにもう一度連れてきてほしい。そしたらもっとお金あげる。...あまり理由は聞かないでほしい。」
なるほど。訳アリの人魚か...隠しクエスト...どう考えてもおいしい予感しかしない。常識的には難ありだが、きっとレアアイテムが待っているに違いない!
そう思うと悪い気はしない。俺はこのクエストを進めることにした。
外に出ると、空が薄く青みがかりもうすぐ日の出が見られる、といったベストタイミングだ。これならナタリーさんの依頼も...
「あった。これだ。」
朝靄の中で光る紫がかった緑をした草を引き抜く。




