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非公式なパーティー。

実際には非公式なパーティーなんて無いかもしれませんが、あくまでこれはフィクションなので!ファンタジーなので!物語の世界なので!深く考えないでください……。





 王への拝謁が終わった同じタイミングで、優雅な音楽がホール内で流れ始めた。ちらほらとダンスを始める男女も見え始める。



ただ男女で踊るだけだというのに、ダンスには、女性から誘ってはいけないという面倒なマナーがある。しかし、令嬢達はどうしてもヒューゴ達と踊りたいようで、彼等の周りに群がっては離れない。



あくまで誘うのがマナー違反なだけであって、挨拶を交わすこと自体には何の問題もない為、彼女達は自身のアピールに必死なのだ。



熱烈なアピールをされている当の本人達は、公式の場ではないことを理由に、令嬢達から離れたがっていたけれど、獲物を見つけた女というのは存外強い。ヒューゴも、エイダンも、カーシーも、あれよあれよと何処かへと連れて行かれた。



ぽつんと1人残された私は、先程から気になっていたことを口に出す。



 「非公式なパーティーって何。」


 「今日みたいなパーティーのことだよ。」



独り言のつもりが、性悪王太子の登場により、図らずも会話になってしまった。



 「結構似合ってるじゃん。そのドレス。」


 「…ありがとうございます。」


 「あれ、何の話してたっけ?…ああ、非公式がどうのこうのっていう話だったか。」



性悪王太子元いアリソン殿下が、今日のパーティーについて説明をする。



 「実は今日のパーティーには、伯爵家以上の者しか招待してないんだよね。ああ、あと婚約してない人ね。」



本来ならば、伯爵家よりも下の子爵家や男爵家にも参加する権限はあったそうだけれど、『未来は無さそう』…だとかで、招待客から外したらしい。



全くもって、意味が分からない。



そう思っていたのが顔に出ていたのか、アリソン殿下は『君、鈍いね』と言うと、このパーティーのことをより詳しく教えてくれた。



 「令嬢達が気付いているかどうか分からないけれど、このパーティーの裏の名目は俺の婚約者探しなわけ。だから招待客が、婚約者の居ない伯爵家以上なわけ。分かった?」


 「ヒューゴ達は?」


 「ヒューゴを含めた令息達は、ただのカモフラージュ。王族がそんな大々的に婚約者を見つけたいと思います!…なんて言えないでしょ。」


 「ふーん…。」


 「君、パーティーに参加するのは初めて?」


 「そうですけど…。」


 「そう。じゃあ、本当のデビュタントはもう少し先になるのかな。公式のパーティーには、子爵も男爵も来るし、婚約者が居る居ないも関係がないから、今日(これ)よりも、もっと人が来る筈だよ。」



多分、今日が非公式な場だということはウィンストン公爵も知っていたと思うのだけれど、何も聞いていなかったの?と発言を続けたアリソン殿下。



私は、知らなかったという意味で首を横に振った。



恐らくだけれど、公爵様は敢えて言わなかったのではないだろうか。理由は分からないけれど、おおよそ予行練習といったところだろう。



本当のデビュタントを迎える前に、社交界という場がどんな場なのかを知ってほしかったのではないかと思う。あとは本当に、私の顔を覚えてもらうという目的もあったのだろう。



着飾る私を見たかった…だとか。顔を覚えてもらう目的も確かにあったけれど、単純に可愛い自分の娘を周りに見せびらかしたかった…だとか。



そんな理由まであったことを知っているのは、私を除いたウィンストン家の人間だけだった。








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