ヒポポタマス
俺は装甲輸送車の中で少佐とジュリアから本当の話を聞かされた。
反政府組織レッドドラゴンは存在せず、あのアモンというドラゴンが一人で研究所を乗っ取った。知能指数が高くメインコンピュータをハックして、警備ロボットを操ってテロ組織を装っていたらしい。
「ジュリアあのドラゴンは人工生命体じゃぁないのか?」
「そうよ。私たちが開発した人工生命体にドラゴンと人間のDNAを組み込んだものよ。人間と同じ知性、知能を持ってるわ」
押し黙っていた少佐が口を開いた。
「バイソン頼みがある。あの研究所は復旧するのにだいぶ時間がかかるだろう。実はあの赤いドラゴンはすでに我が軍が保護している。あのドラゴンも事件の真相も今は公にする事は出来ない。バイソン
あのドラゴンを惑星ヒポポタマスまで送り届けてくれないか?」
俺の頬に油汗が流れた。
「あのドラゴンと逆アマゾネスの星に行けと?」
「軍の部隊も政府関係の組織も動かせない。お前だけが頼りだ。幸いジュリアはあの惑星の原住民達の言語を取得している。ドラゴンと一緒に連れていってくれ。報酬は弾む」
俺は渋々承知した。
気が重かった。あの惑星の原住民は男しかいない。男同士で小作りするらしい。
以前に行った調査隊が原住民に襲われ、男性の調査員のみひどい目にあったらしい・・
翌日俺の宇宙船kh400を保管してあるガレージに関係者が集まった。
ジョニー、ジュリア、バッカス少佐、赤いドラゴン、軍と研究所の関係者。
少佐が俺とジョニーに有り難い忠告をしてくれた。
「バイソン、ジョニー君、尻の穴を守りなさい」
俺とジョニーはガクガクぶるぶるガクガクぶるぶるガクガクブルッタ
俺達は船に乗り込んだ。
ドラゴンが窮屈そうにしている。。
「狭い宇宙船だな、狭くて不快だ」
「おいキメラドラゴン、文句があるなら船から降りろ」
「なんだと、また俺の炎に焼かれたいのか?」
「また俺に殴られたいのかこの野郎」
俺達は睨みあった。
ジュリアが俺の正面に立った。
「バイソンさんこの子を許してあげて、お願い」
ジュリアが目をウルウルさせている。
「ママ、そんな奴に敬語使わなくていいよ!」
ドラゴンがなんか言ってる・・・・ママ?
「ママってなんだ?」
「バイソンさんこの子に組み込まれてる人間のDNAは私のなの」